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第16話 学校 その2

 ワデアさん? 

 

 そういえば、昨日の配信でもこの名前をけっこう見かけた気がする。


(誰だろう・・・)


 外国の方かな?

 

 もちろん覚えはない。

 知り合いにこんな名前の人がいたら、ぜったい忘れないだろうし。



 ばしっ!



「っ?」


「よぉ! 国崎っ☆」


「あ、星宮さん・・・」


 そこに立ってたのは。

 学校一の美少女として有名な金髪ギャルの星宮らむねさん。


 コミュ力が高くて、いつも元気な陽キャの女の子だ。

 その明るくて快活な性格は、男女問わず人気が高い。


 友達も100人くらい余裕でいるんじゃないかな。


 それなのにどういうわけか。

 カースト底辺の僕なんかに毎回声かけてくれるんだよね。


「タブレット貸してもらって助かったよ~。ありがとね♪」


「もう大丈夫なんですか?」


「きちんと理解したから問題なし! さっすが国崎ぃ~☆ 図式とか丁寧に書いててめっちゃわかりやすかったよー」


「役に立ったのならよかったです」


「はーいこれ♪」


 星宮さんからタブレットを受け取る。


 最近こうしてよくタブレットを貸したりしてる。

 なんでも僕の勉強方法はとてもわかりやすいんだとか。


(てか、また見えそうなんだけど!?)


 パステルブルーのリボンに蒼碧柄のチェックスカートっていうのが、うちの女子の夏服なんだけど。

 

 星宮さんはブラウスのボタンをふたつ開けて、ゆるっと着こなしてて。

 背は小さい方だけど、高1にしてはかなり発育のいい体つきをしてるから。


(胸の谷間がたまに見えそうになるんだよね・・・)


 当然、ガン見なんかできないけど。

 予期せぬタイミングで、透き通るような白い肌が見えちゃったりすると、さすがにドキッとしてしまう。

 

 星宮さんは、編み込んだ金髪をサイドテールにしてシュシュでふわっと結ってて。

 

 マスカラやネイルしたり。

 プチアクセやラインソックスで派手にコーデしたり。

 

 トレンドを意識したファッションセンスはさすがギャルって感じで。


 僕とは住む世界がぜんぜん違うはずなんだけど。


 でも、なんでだろう。

 星宮さんと話してるとなんか落ち着くんだよな。


「そんじゃまたね~☆」


「はい。なにかあったらまた言ってください」


 笑顔で手を振りながら女子の輪に戻ってく星宮さん。

 

 なんか星宮さんの笑顔見てると、こっちまで元気が出てくる。

 いいことした気分だ。


(よし。アーカイブを見ちゃおう)

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