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 山盛りの料理をどうにか半分消費して、一旦席に戻ることになった。

 その前にこっそり消化剤を飲んだから、まだ何とかなるはず。



 席に戻ると、周囲は宴もたけなわで私たちを見てるひとなんていなかった。

 お酒飲んでるか、騒いでるか、屋台に食べ物取りに行ってるかだ。



 戻らなくてもよかったかなあ。

 でも、最初にひとしきり飲んで食べてから、挨拶に来るってシードさんに聞いてるし、一応いないとね。



 ご飯は美味しいから、ゆっくり楽しめるのはありがたいな。

 北で食べるご飯とは全然違うから、食べてて楽しいもんね。



 昨日もちょっと思ったんだけど、ヘビの一族の料理は中華っぽい。

 ぽいってだけで、味は完全に中華じゃないんだけど。



 春巻きみたいな揚げ物にバナナみたいなのが入ってたりするし。

 果物が普通に野菜感覚で使われてたりして、改めて南国なんだなと思った。



 果物も使ってるってことは、タイとかベトナムの料理の方が近いのかな?

 でも、味がちょっと違うしなあ。見た目も焼きそばみたいなのやチャーハン、餃子もどき、小龍包もどきとかだし。



 まあ、異世界の料理に地球の料理を当てはめてもしかたないんだけど。

 わかるのは、辛かったり酸っぱかったりして、後口がさっぱりする料理が多いということ。



 脂っこくないんだよね。

 ソースとかつけたりしないのに。



 だから、結構な量なんだけど、気がつくと食べ終えてる。

 美味しいってことなんだけど、太りそうだなあ。



 訓練の量増やしてもらおうかな?

 そんなことを考えながら、クルビスさんと「美味しいですね。」とにこやかに料理を楽しんでいると、こちらに近づくひと達がいた。



 ひとりは濃い褐色の体色で、ひとりは銀色の体色だった。

 どちらも模様は無いけど、感じる魔素がとても強い。単色の方かな。



「少しよろしいか?」



「これはザド隊長。どうぞ。伴侶のハルカです。ハルカ、こちらは西の守備隊の戦士部隊のザド隊長だ。」



「初めまして。ハルカです。」



「初めまして。この度はおめでとう。ヘビの一族、ザドだ。ご紹介に預かった通り西で隊長を務めていて、ルドとビアンカの兄でもある。あなたのことは家族から聞いてるよ。妹が大層なついたと。」



 ああ。一番上のお兄さん。

 お忙しくて挨拶に行った日は会えなかったんだよね。



 守備隊の隊長さんだったのか。

 そりゃ忙しいよね。トカゲの一族でもないから、お披露目には来なかったわけだ。



「ルドさんにはいつもお世話になっています。」



「気にしなくて良い。弟は自分の興味のあることしかやらない料理バカなだけだ。だろう?クルビス隊長。」



「おかげで、北のレシピが充実しました。」



「弟が守備隊一だとか言ってたな。今度寄った時は食べていこう。」



「是非。」



 にこやかなんだけど、ちょっとピリピリしてる。

 北と西の守備隊って仲悪いんだっけ。アニスさんから聞いたけど。



 でも、お祝いの言葉を言ってくれたときは優しい魔素の感じがしたけどなあ。

 今も緊張感はあるけど、嫌な感じはしないし。良いライバル関係ってやつ?



「で、もう一つの要件なんだが。アルス。」



「お、お初にお目にかかります。ヘビの一族、アルスです。この度はおめでとうございます。」



「ありがとう」



「ありがとうございます。」



「こいつは俺のとこの副隊長なんだが、礼を言いたいそうでな。」



 礼?初対面のひとが何でお礼を?クルビスさんにかな?

 私は銀色のヘビの一族なんて知らないし。



 …ん?銀色ってことは。



「弟達が大変お世話になりました。」



 ああ。そっか。ルシン君の一番上のお兄さんだ。

 兄弟3つとも銀色なんだって言ってたもんね。



前話に少しだけ加筆しました。

何で山盛りの料理でなく、屋台なのかという説明が抜けてたので。

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