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 詰め所を出てしばらく歩くと、半円型の建物が幾つも連なっている家が見えてきた。

 ヘビの一族は親族で固まって暮らすものらしく、一家族ごとに家を持つとそれを繋げていくからこんな形になるのだそうだ。



 ここに来るまでにも2つ3つ連なった家をよく見たけど、あれは全部ヘビの一族の家みたいだ。

 中央の一番大きな家はヘビの族長さんのお宅でシードさんの実家だ。



 通常の家の5倍…ううんもっとかな、とにかく大きなお宅だ。

 アルフレッドさんのお宅より大きいかもしれない。



 代々体術の道場もしているらしく、一階と地下に鍛錬場があるので大きなお家なのだそうだ。

 道場のお弟子さんは100以上いると聞いてるから、すごく大きな道場だというのがわかる。



 ドアはバックドア式で開いていて、建物の大きさに合わせてとても大きい入口になっている。

 入口の前には青いドレス姿のヘビさんが立っていた。



「帰ったぞっ。」



「お帰りなさい。無事に会えたのね。良かったわ。皆さんもようこそ。さあ、こちらへ。」



 女性の案内で建物の中に入る。

 中は大きな空洞で柱が無かった。2階があるのにどうやって支えてるんだろう?



 高校の体育館より広いかも。

 ここで100以上のお弟子さんたちが稽古するのかあ。壮観だろうな。



「ここから上がってくれ。」



 族長さんが壁に手をつくとガコンっと空間が空いた。

 また隠し扉か…。いいかげん慣れたなあ。



 扉をくぐると階段があって、それで上までいけるみたいだった。

 上りながら「どうだ。変わっとらんだろう?」と族長さんが声をかけ、クルビスさんが「懐かしいですね。」と答えたりしていた。



 クルビスさんとシードさんって幼馴染だって言ってたから、小さい頃から遊びに来てたんだろうな。

「たまには顔を見せにいらっしゃいな。」と青いドレスの女性が言ってたから、彼女は族長さんの伴侶さんなんだろう。



 クルビスさんの小さい頃を想像して微笑ましい気分になりながら階段を上がる。

 大きな建物だから3階分くらいは上がったと思う。疲れた。



 上りきると正面に大きなドアがあり、左右に建物の外壁にそった形の通路が伸びていた。

 族長さんは正面の大きなドアを両手で押して開いた。



 ギギギイィィ



 すごく重そうな音と共に食欲をそそるいい匂いが漂ってくる。

 中を見ると、山盛りの食べ物であふれていた。…何これ?

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