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きな粉作りも朝のうちに終わったので、ついでにきな粉アメまで作って、昼には隊長さん達に試食してもらえた。
予想通りというか、フェラリーデさんとメルバさんに大好評だった。和風好きですもんね。
クルビスさんやシードさんは「香りが良い。」とか「蜜と相性がいい。」とは言ってくれたけど、食感はあまり好きではないみたいだ。
それはキィさんも同じだった。粉っぽいのは苦手なのかな?
「香りが素晴らしいです!こんな調理方法があったとはっ。」
キィさんと対照的に、キーファさんは大絶賛してくれた。蜜をかけたからだろうか?
スタグノ族は香りの良いものに弱いらしく、キィさんも香ばしい香りについては絶賛していた。
「食感は好みで分かれるでしょうが、これだけ香りが良いのです。メインは水菓子なのでしょう?大丈夫だと思いますよ?」
思った以上に食感がネックになってしまっていることに、手土産として持って行っていいものか心配したけど、キーファさんの一言で持っていくことに決めた。
ただ、念のため、粉だってちゃんと見せて、それでかけてみたいって言われたら勧めよう。
ちなみに、芋アメの方はクルビスさんとシードさんは苦手みたいだったけど、きな粉アメはイケたみたい。
後、塩枝豆は全員にウケて、リリィさんの提案を伝えると全員一致で「持って行ったら喜ぶ。」と勧められた。
皆さんヘビの族長さんのことはよくご存知のようだ。
何でも、クルビスさん達が守備隊の平だった頃、西地区で戦士部隊の隊長をされていたそうだ。
各地区の隊長職ともなればそれだけで街の有名人だけど、ヘビの族長さんはお酒好きでも有名で、手土産にお酒かつまみになるものを持っていくと上機嫌になっていたそうだ。
それなら塩枝豆は喜んでもらえるだろう。
どんな模様のヘビさんかなあ。単色じゃないって聞いてるけど、強い個体は模様がハッキリ出るって聞いた。
やっぱりニシキヘビみたいなのかな?シードさんに似てるとか?
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第一印象は『ヘビらしいヘビ』だった。
夕方になって転送陣で近くの詰め所に送ってもらったんだけど、ヘビの族長さんがそこで待ち構えていたので、対面するのは早かった。
「よく来たっ。大きくなったなクルビスっ。伴侶殿もようこそっ。」
「親父っ。声が大きいって。つーか、何でここにいんだよっ。」
大きな声に驚いて、思わずクルビスさんにしがみ付いてしまった。
シードさんが文句を言っているのを聞きながら、思わずジロジロ見てしまう。
とにかく迫力のあるお顔だ。
目の周りに隈取みたいな黒い模様があって目の後ろまで延びている。
腕にも足にも尻尾にも私のこぶしくらいの大きさの黒い輪っかが連なって模様になっていた。
大部分の体色は深みのある飴色だった。
見方によってはこれも金色になると思う。
ルシェリードさんの金色とは色が違うけど。
色といい、模様といい、動物園で昔見た大きなヘビに似ていると思った。
あれもニシキヘビだったかな?シードさんとは似てるようで模様が違う。
そんなことを思っていると、とにかくこの場所から移動することになった。
詰め所で挨拶もないだろうとシードさんが言ってくれたからだ。
助かった。これで移動の間に覚悟が出来る。いきなりはやっぱり無理だ。
クルビスさんと並んで太い大きな尻尾を追いかけながら、落ち着くために秘かに深呼吸をした。
ちなみに、シードさんはインドニシキヘビ、ヘビの族長さんはアミメニシキヘビをモデルにしています。




