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17も少々手直ししました。
「じゃあ、次を聞いてもいいですか?」
「ああ。…ガルンパ殿のことかな?」
あ。バレてた。
まあ、聞かれると思うか。あれだけあからさまな態度を取ってたし。
身体も大きいから威圧感が半端なかったし、それを隠そうともしてなかった。
クルビスさんがいなかったらお話ししたいとは思わないタイプだ。
「はい。何だかすごく迫力のある方でしたね。」
「ははっ。そうだな。ついこの間まで西で戦士部隊の副隊長をしていた方だ。ハルカには怖かったかもしれないな。」
私がガルンパさんを思い出して何とも言えない顔で答えると、クルビスさんは面白そうに笑った。
ガルンパさんって西の守備隊の副隊長さんだったのか。シードさんと同じ役職だ。
どうりで身体も大きいし迫力あるわけだ。
きっと今でも鍛えていらっしゃるんだろうな。
「良くも悪くも真っ直ぐな方だよ。絡め手も出来るが、基本的に企んでも真っ向から攻めてくる方だ。」
良くも悪くも…それって隠す気ゼロってことですね。
じゃあ、あの勧誘も本気だったのか。
仕事の紹介はありがたいけど、ガルンパさん経由っていうのがなあ。
何で転移局の仕事だったのかも謎のままだし、今後どうしたらいいのかも相談したかったんだよね。
「そうなんですか…。でも、転移局のお仕事を勧められたのは何故だったんでしょう?」
「ああ。ハルカがこちらに来た日に冷え込んだだろ?あの時、シーリード族の多い転移局は軒並み休業状態に陥ったんだ。それで今、寒さに強い種族を積極的に雇い入れようとしている。」
「あ。私が北の辺境の出身だから。」
「そう。雪の話もしただろう?あれで是非にと思われたみたいだ。」
品定めされてるように感じたのは間違いじゃなかったのか。
思ってたのと違う方向でだったけど。
でも、そういう話なら、寒さに強い種族だっていうのは仕事を得るときのいいアピール材料になりそうだ。
転移局に務めるかわからないけど、良い話を聞けたな。
「まあ、仕事に関してはそれでハルカをどうこうする気はないと思うよ。皆の前だったから断りを入れたが、ガルンパ殿自身は転移局に伝手があるわけじゃないしな。」
「伝手がないのに勧誘?」
思わず首を傾げてしまう。
伝手もないのに仕事の紹介って…。
「それだけ、転移局の業務停止は影響が大きかったのさ。街の機能の半分が止まったからな。ガルンパ殿が言ったのは、転移局からの要請があったからだ。『寒さに耐性のある種族に心当たりがある方は、転移局への勤務を是非勧めて欲しい』と。」
街の半分が機能停止って…そりゃ物流の拠点が止まったらそうなるか。
私が街に来た時は静かになってたけど、大騒ぎだったんだろうなあ。
じゃあ、ガルンパさんの勧誘って、私の話を聞いて転移局の話を思い出したからってことか。
伝手もない場所への勧誘ならそこまで警戒しなくて良さそうだ。ちょっと安心した。




