表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トカゲと散歩、私も一緒  作者: *ファタル*
番外編 新婚編
335/360

雨季ー26

 シードさんが通信機に急いで向かうと、キィさんがキーファさんに術士部隊を1階に集合させるよう命令する。

 場合によってはあちこちに魔素の網を張る必要があるからだそうだ。



 急いで上に向かうキーファさんを見送りながら、「さっき、雨季でのでかい魔素の扱い見せといて良かった~。ナイス判断。俺。」とキィさんがしみじみつぶやく。

 この様子だと、キーファさんも雨季で大きな術式を使うの初めてだったんだ。



 そういうのってお手本見せてもらえるかどうかがすごく大事だよね。

 ホントにいいタイミングだ。特に術式なんて実践してなんぼの世界だろうし。



「リリィ。治療部隊で目の利くものの選抜を。数は5です。残りは待機しておいた方がいいでしょう。」



「はい。隊長が外に行かれますか?」



「他の地区でも起こっているなら、私が出ます。その場合は警戒レベルは最上級で準備をすすめるように。」



 フェラリーデさんも治療部隊について、隣のテーブルでリリィさんと話し合っている。

 いつも優雅に微笑んでるフェラリーデさんが厳しい顔できびきび指示を出している姿は新鮮だ。



 隊長さんだもんね。

 体術も得意だってシードさんに聞いたし、細身に見えて鍛えてるんだよねえ。



 フェラリーデさんはどちらかというと後方支援のイメージが強かったから、意外だと思ったのでよく覚えている。

 でも、実力主義のこの街なら、隊長さんクラスになると当たり前なのかもしれない。



 クルビスさんだって、戦士部隊なのに術式に詳しいもんね。

 シードさんは身体能力アップとかの魔素コントロールくらいなら出来るって言ってたけど、それを真似ようとして医務室に運びこまれてる隊士さん見てるから、これも中々出来ないことらしい。



 私の印象では、隊長さんクラスになるにはバランスよく能力が備わってるのが条件のような気がする。

 北の守備隊しか知らないから絶対じゃないけど、この予想は良い線いってるんじゃないかな。



「確認取れました。西と南でデカいヒビが川の傍でついさっき見つかったそうです。処置を施したら地下に連絡入れることと、こっちにも連絡くれるよう頼みました。」



「わかった。東もこれからあるかもしれないな。警告を…いや。先に中央に報告しよう。もう街全体のことだ。」



「ああ。」



 話がどんどん大きくなっていく。

 街中が狙われちゃうの?



「うん。じゃあ、ルー君、中央まで送っていくよ~。」



「ああ。頼む。また街じゅうに網を張るなら声をかけてくれ。魔素は貸せる。」



「ありがと~。その時はお願いするよ~。まあ、今は術士の数が多いから大丈夫だろうけどね~。」



「ああ。確かに。ではな。私は戻る。…街を頼む。」



「「「はい。」」」



 帰っていくルシェリードさんに皆さん敬礼で見送る。

 もちろんクルビスさんも。片手に私を抱えるのは仕様です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=523034187&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ