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トカゲと散歩、私も一緒  作者: *ファタル*
番外編 新婚編
331/360

雨季ー22

「前から目を付けてた組織の中に、うちの一族に似てるのがいましてね。目の周りの黒い刺青が特徴で、調べてみたら大昔の狂信者の末裔らしいってのがわかったんです。」



「きょうしんしゃ」って、え、狂信者?

宗教みたいなのあったんだ。意外。



「狂信者かあ。たしかにそんな感じだったね。話が通じなかったよ。」



「そんな者たちがいたなんて、知りませんでした。」



キーファさんもみを乗り出して聞いている。

そんなキーファさんに座るよう手振りで示して、キィさんは話を続けることにしたようだ。



「まあ、俺らの一族にしたら、大昔だからなあ。もう知ってるやつもほとんどいねえよ。ただ、何でかジジ様はご存知で、詳しく教えてもらったんだよ。いつか役に立つって星に出てるってな。」



ジジさんが教えたの?

っていうか、何でジジさん狂信者のこと知ってたんだろう?占いかな?



ジジさんと言えば、ドラゴンの一族の占い師で預言者で天文学者のおばあさんだ。

その能力は長い生の間に磨かれ、今では彼女の予言はほぼ当ると思っていいらしい。



「一族の祖って言われる方が目の周りに黒い模様があって、それにならって黒い刺青を入れるようになったそうです。で、その一族の祖って方が「この清める水の留まる場所に我らの生きる場所がある。」って言ったのに固執していて、湖や沼なんかの止まった水のある場所に住むことを最上としていて、それに反するものは破壊してしまえって物騒な理論を掲げています。」




うわあ。危ないひと達。

綺麗な水がある場所がいいって言うのを、どうやったらそれ以外を破壊していいって理論になるんだか。



「ま、今では形骸化してて、先祖と湖を神格化してるみたいですけどね。」



ああ。それで狂信者ってなるわけだ。

先祖や湖を神格化って、そこまでいったら宗教だもんね。



「まあ、何でやつらのことを思い出したかというとですね、クルビスとハルカさんの式で見つかった不審者の中にその目の周りの黒いスタグノ族がいたって報告があって、今回のことと合わせて関与している可能性がとても高いんです。」



え。

式での不審者?いたっけそんなの。

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