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トカゲと散歩、私も一緒  作者: *ファタル*
番外編 新婚編
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雨季ー17

 子供たちの応援にタジタジになってると、食後の運動のために隊士さんが迎えに来る時間になった。

 身体を起こす時間が増えた子供たちは、私たちの式の後から運動の時間が設けられるようになったそうだ。



 寝たきりに近い状況が長く続いたから、身体を少しづつ動かす練習がいるらしい。

 でないと、学校の授業なんかでついていけないんだって。



 こっちの体育とかって内容がすごいんだよね。

 ルシン君に聞いた所だと、高い場所から降りた際の受け身とか屋根まで上っては降りるとか、およそ私の考える体育とはかけ離れている。



 魔素と身体能力を過不足なく使えるために小さい頃から徹底して鍛え上げるらしいけど、入院していた子たちが戻ってそのまま加わるのは確かに無理だろう。

 元気になってきた子供たちはこの運動の時間も楽しみらしく、隊士さんたちに喜んでついていった。



「いってきまーす。」



「いってらっしゃい。」



 元気よく手を振って出ていく子供たちを見送って、クルビスさんと1階に戻る。

 隊士さんも戻ってきていて、キィさんとキーファさんがまたお汁粉を食べていた。



「おお。おやつ食べさせてたんだって?ご苦労さん。さっきちびっこ達ご機嫌で下にいったぜ。」



「避難した住人の転移も無事完了しました。」



 あ。転移終わったんだ。

 それでまた魔素の補給にお汁粉食べに来てたんだな。



「そうか。キィもキーファもありがとう。」



「いやいや。部下たちにも雨季の転移を見せてやれたし、うちとしてもいい勉強になったよ。これのおかげだな。でなきゃ、対応が数日遅れてた。」



 近くに行ってクルビスさんがお礼を言うと、キィさんはお汁粉のお椀を掲げてウインクしてくれた。

 他の隊士さんも美味しそうに食べてくれているし、お汁粉作ってもらって本当に良かった。



 おかわりできるっていうのも良かったのかな。

 一度にたくさん作れるから用意もしやすいし、守備隊のようなところでは使いやすいメニューだろう。



「ぷ。ぷ。ぷぎ。」



 ん?何か足元から聞こえる?

 テーブルの下を見ると、真っ黒な塊がもぞもぞと動いていた。



「ネロ?」



 あれ?今の時間は上にいるはずなのに。

 シードさんと一緒ってわけでもなかったし、いつ降りて来たんだろう。



「ああ。腹へったらしくて、自分で降りて来たぜ。」



「この騒ぎでご飯の時間がずれこんでしまったそうです。」



 あ。そっか。

 厨房も忙しかったから、果物の用意が間に合わなかったんだっけ。



「そうそう。果物用意してもらってる間に降りてきちまってよ。こっちもバタバタしててすっかり遅れたんだよ。さ、追加だ。悪かったな。ネロ。」



「ぶき?」



 シードさん。たぶんもう気にしてないと思います。

 尖ってきたお尻を振ってるから、ご飯が増えたことに機嫌が良くなってるみたい。

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