表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トカゲと散歩、私も一緒  作者: *ファタル*
番外編 新婚編
323/360

雨季ー14

 ちょっと迷いながらも、クルビスさんに「じゃあ、私たちで先に子供たちのお見舞いに行きませんか?様子もみたいし。」と提案すると、意外なことに「いいな。」と乗ってきた。

 自分から言っといてなんだけど、お仕事いいのかな?と周りを見ると、シードさんがカウンターで汁粉を注文しながら片手を上げてたので、大丈夫そうだった。



「じゃあ、しばらく頼む。」



「おうよ。行ってらっしゃい。」



 クルビスさんは私を片手で抱き上げると、さっさと子供たちの所に向かう。

 いつもながら、移動はあっという間だ。



 ただ、クルビスさんが階段を上ってると、「来たぞーっ。」「戻れーっ。」と小さな声が聞こてくる。

 ふたりで顔を見合わせて、もしかして…と思う。



 子供たちの部屋に行くと、輝く目で「おねえちゃん、クルビス隊長、いらっしゃーいっ。」と大歓迎された。

 でも、私たちが何も持っていないことを確認すると「あれ?」っという表情になる。



 うん。ごめんね。

 おやつはまだ後なの。



「悪いな。皆のおやつは、今ルドが作ってくれている。もう少し待ってくれるか?」



 と言うと、顔を見合わせた年長の子供たちが「じゃあ、汁粉じゃないの?」とがっかりした顔で聞いてきた。

 子供用の汁粉を今作ってもらってることを説明すると、私の故郷のスイーツだという情報もすでに入手してるらしく、質問ぜめにあった。



「ねえねえ。また豆のお菓子なんでしょう?やっぱり種類は2つ?」



「スープって聞いたけど、甘いスープがあるんだね!」



「暖かいって聞いたよ。どれくらい?うちのスープはやけどするくらい熱いけど、汁粉もそう?」



 …うん。皆どこでその情報仕入れたのかな?

 すごく正確なんだけど。



「「「リード隊長が長様に自慢してるの聞いた。」」」



 情報元フェラリーデさんかあ。

 そういえば、フェラリーデさんの自慢を聞いてメルバさんも食べに来たんだっけ。



「よく聞き取れたものだ。術式で連絡を取ってただろうに。魔素にあてられなかったか?」



「大じょーぶっ。」



「距離はちゃんと取ってるから。」



「念のために魔素で壁作っといたし。」



 クルビスさんの疑問に胸を張って答える子供たち。

 小さい子たちが話を聞いて、「なるほどお。」って頷いてる。



 こうやって、ノウハウが受け継がれていくのかな。

 逞しいなあ。自分たちの興味のあることには一直線って感じだ。



 こういうのも職人気質ってこと?

 しばらく質問が続きそうだけど、お汁粉を待つのもこの調子なら苦にならないだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=523034187&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ