デートー21
それにしても、ケロウさんのこととか色のことは気になるのに、料理は美味しく頂けるから不思議だ。
でも、本当に美味しかった。辛くなかったし。…ん?
そういえば、どれも辛くなかった。
私が辛いのに弱いって情報も流されてたんだろうか。
個人情報ダダ漏れだけど、ここまで有名になるとかえってありがたい。メラさんにお礼言わないと。
この辺りにはまた食べに来たいなあ。
薬師通りも近いし、メロウさんみたいにエルフもよく見かけるから、辛すぎる食べ物ばかりってこともないだろうし。
きっとまだまだ美味しいものがあるんだろうな。
クルビスさんと食べ歩きとかしても楽しそう。
きっと一緒に見て回るだけで楽しいだろう。
「さて、ハルカはもうお腹は膨れた?」
ビドーさんとの話が落ち着いたクルビスさんが話しかけてくる。
お腹?まだ入るなあ。何でだろう。今日はそんなに魔素を消費したのかなあ?
「まだ少し空いてます。もうちょっと何か食べたいですね。」
私の答えにクルビスさんも「俺ももうちょっと食べたい。屋台を見に行こうか。」と言ってくれた。
おばさん達にも後で行きますって言っちゃってるし、実際行くつもりだったけど、お腹が空いてるならその方がいい。
今までの様子だと、あちこちから差し入れされそうだし、頂いたものはひと口でも食べてちゃんとお礼言いたいしね。
それにしても、ホントに太らないのかなあ?
さすがに今日ほど食べると後で影響でそう。
こっちには体重計とかないみたいだから、体重が増えてもわからないんだよね。
「大丈夫だ。ハルカは細すぎるくらいだし。」
…だから、モノローグに突っ込まないで下さい。
顔に出てても無視して下さい。もう。
「じゃあ、行ってくる。助かったよ。ビドー。この後はそのまま守備隊に戻るから。」
「いいえ。お役に立てたなら幸いで。お気をつけて。」
ビドーさんにに送られ、中に戻ってきたメロウさんにご挨拶して外に出た。
今度は屋台を回っても戻ってこないようだ。
まあ、さっきの喧嘩してたお兄さんたちのこともあるもんね。
少なくともフェラリーデさんやシードさん達には話しておかないといけない。
詐欺の対策は早くしないと、それだけ被害が広がってしまうだろう。
じゃあ、守備隊に留まってる隊士さんたちの分も含めてちょっと大目に買って行こうか。
「クルビスさん。守備隊に戻るなら、残ってる隊士さんに差し入れの分も買っていきませんか?」
「ああ。そうだな。そろそろ交代してるはずだが、今日は厨房はやってないしな。」
そうそう。厨房がお休みならなおのこと。
隊士さん達にも日頃からお世話になってるし、何か美味しいもの買っていきたいな。
あ。女性隊士さんのために甘いものも。
うん。何だかうきうきしてきた。




