デートー14
新しい仕事が思いの他忙しく、1週間ほど更新をお休みすることとさせていただきます。
毎日更新で頑張ってきましたが、壁にぶち当たりました。
健康第一なので、お許し下さい。
「あの、ハルカ様ですよね?」
ん?誰だろう?
トカゲの一族みたいだけど、目の前の男性はずいぶん小柄なひとだ。
体色はこの辺りでは珍しい濃いめの黄色。
真っ黄色ってこういう色を言うんだろうな。
「はい。」
「本日はおめでとうございます。初めまして、わたくしトカゲの一族のカイザーと申します。この地域の転移局の局長を務めております。」
転移局の局長さんって、もしかして、さっきクルビスさんが言ってた中のひとりとか?
あ、クルビスさん顔しかめてる。ほんのちょっとだし、魔素も変わってないからわかりずらいけど。
じゃあ、お仕事のお誘いかな?
もしかしたら単純にお祝いを言いに来てくれただけかもしれないけど。
…クルビスさんの様子からして、それはないか。
目の前の男性はにこにこと立っている。とにかく名乗らないと。
「初めまして。里見遥加です。ハルカと呼んで下さい。」
「これはご丁寧にありがとうございます。また後日お祝いに伺わせて頂きますので、本日はご挨拶だけとさせて頂きます。」
あれ。結構素直に引き下がった。
もしかして、クルビスさんがいるからかな。
まあ、結婚式当日に仕事の話をするひともいないか。
でも、後で来るんだよね。それまでに、他の仕事見つかるかな。
「また来ると言ってたが、誰かと会う時は俺かアニスを傍に置いてくれ。でないと、ハルカの所に面会が殺到しそうだ。」
クルビスさんが心配そうに言う。
う~ん。確かに。
さっきのカイザーさんは礼儀正しいひとだったけど、料理教室の件では問い合わせがルシェリードさんの所まで来てたって聞いたしなあ。
今日で顔も名前も売れたから、面会は増えそうだ。
でも、勉強と訓練を再開するから、誰かとは常に一緒にいることになると思うけど。
「はい。わかりました。でも、基本的にフェラリーデさんに何か教わってるか、魔素の訓練をしてるかですから、誰かは傍にいると思いますよ?」
「ああ。そうだな。式が終われば、再開するんだった。なら大丈夫か。」
クルビスさんは納得した様子で頷くと、途端に上機嫌になった。
そんなに心配だったのかな?
もしかして、私が思ってる以上にお菓子の問い合わせや転移局からの誘いって多いってこと?
それも困るなあ。守備隊の迷惑にならないといいけど。




