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トカゲと散歩、私も一緒  作者: *ファタル*
番外編 式の後のデート
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デートー8

 膝抱っこに抗議しようとしたものの、口の中に甘いものを入れられてそれも出来なくなった。

 むぐむぐ。美味しい。ちょっと苦いけど。



 これ、ココアみたい。

 ミルク入れないのかな?



「ココ菓子だ。少し苦いが香りがいい。深緑の森の一族の菓子だよ。」



 クルビスさんは目を細めて満足そうに私を見ている。

 ネロじゃあるまいし、エサをもらって喜んだりなんて…また突っ込まれた。



 今度は甘いといってもお砂糖の甘さだ。

 噛むと中から香ばしい豆の香りがする。



 何だっけ、こういうお菓子ってあるよね。

 炒った豆に砂糖をからめるやつ。



「豆を使った菓子だよ。あまり知られてないが、カメレオンの一族にはこういう菓子が伝わってるらしい。おばあ様がよく作ってくれた。」



 カメレオンのお菓子。

 これ、手間がかかると思うんだけど、イシュリナさん作ってたんだあ。すごいなあ。



 お手伝いしたけど、お台所も充実してた。

 出て来たのが和食だったのには驚いたけど、とても美味しかったし、お料理が好きなんだろうな。



 ん?でも、和食でも甘く豆を煮こむってあるけど?



「少し甘く煮こんだりして食べたりしなかったんですか?お出汁で煮るみたいに。」



「それは食べたことがないな。砂糖を使う?」



「?ええ。味がしみ込むのに時間がかかるので、それが手間ですけど。」



 クルビスさんは私の答えに納得したように頷く。

 話を聞くと魔素が飛ぶような調理は発達してないそうだ。



 魔素の補給が命に繋がるのもあって、効率のいい補給とはいえないお菓子や冷たいかき氷はあまり発展してないとのこと。

 流行りだしたのはここ数百年のことだそうだ。



 それも、メルバさんが砂糖を開発してからのことだそうだ。



 そういえば、すっかり忘れてたけど、そんなこと習ったなあ。皆さん普通に食べてるからすっかり忘れてた。

 メルバさんにかき氷のトッピングの話をしたら食いつきがすごくて。



 メルバさんはあー兄ちゃんの菓子を食べてるからか、スイーツへの情熱は強いらしい。

 だから、少し話題に出しただけで、果物の種類からソースから根掘り葉掘り聞きだされたんだよね。



「それで餡を作るときに驚かれたんですね。」



 説明するたびにルドさんやリッカさんに驚かれたっけ。

 メルバさんは期待で目がキラキラしてたけど。



「ああ。ああいうやり方は思い付かなかったとルドが言っていた。」



 固定観念だよね。

 そっかあ。じゃあ、すき焼きとかも食べたことないのかな?

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