デートー1
今日から番外編です。
投稿時間も2時に変更になります。
本編の別視点や登場して欲しいキャラや書いてほしいエピソードなどありましたら、感想かコメントに書いて下さい。
デート編か新婚編が終わったら順次書いて行きます。
「わあ。綺麗。」
「ああ。これは綺麗だ。」
クルビスさんと手を繋ぎながら、ぼんやりと光る道を歩いて行く。
明かりもあるから、日が沈んだのにとても歩きやすい。
他からも「綺麗だね~。すごいね~。」とか「素晴らしいです。」とか賞賛の声が聞こえてくる。
学生さんの卒業制作は短い時間ですっかり評判になった。
私とクルビスさんは、約束通り星街にデートに来ている。
もしかしたら来れなかったかもしれないけど、シードさんが止めてくれたから実現できた。
結局、最後はクルビスさんが守備隊まで走っちゃって、感動的に終わることは出来なかったんだよね。
クルビスさんが駆け込んだ時、中にいた隊士さん達が「勝った!」「負けたあ~。」と言ってたから、周囲には予想されてたみたいだけど。
今でも、隊士さんの笑い声が聞こえてきそう。
でも、皆楽しそうに笑ってたなあ。
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「ぶははっ。やっぱり我慢は出来なかったか。」
「お帰りなさい。とりあえず、式服とドレスは着替えた方がいいですよ。」
守備隊に戻ると、キィさんとフェラリーデさんも笑いながら迎えてくれた。
後ろからシードさんも「そうそう。星街に行くんだろ?」と笑いを含んだ声で追い打ちをかける。
そうそう!デート!忘れてませんよね?
私もクルビスさんの肩をペチペチと叩いて「デート行きましょう?」と主張する。
少し黙っていたと思うと、クルビスさんはちっと舌打ちして私を下して控えていたアニスさんに預けた。
よし。この隙に着替えよう。
笑い声の続く一階を後にして、さっさと控室に向かう。
控室替わりの会議室に行くと、マルシェさんやリリィさんも来てて「お疲れ様です。」と出迎えてくれた。
「街じゅうを歩かれて、疲れたでしょう?お風呂使われますか?」
「いえ。この後、星街にクルビスさんともう一度行くことになってるんです。学生さんたちが用意してくれたクラカの花びらを見に。」
「ああ。卒業制作の。」
リリィさんは卒業制作のことは知ってたみたいだった。
でも、私が光る花びらのことを話すと、リリィさんもマルシェさんもとても感心していた。
「それは歴史に残る卒業制作になりそうですね。」
「ええ。日のあるうちに見た花びらも綺麗でしたし、きっと星街の次の売りになるだろうって皆さん言ってました。」
アニスさんも「とても綺麗でした。花びらも布で手作りして丁寧に染めてありましたよ。」と詳細を話してくれて、二人の興味をさらにかきたてたようだった。
すると、マルシェさんが一歩前に出て、おずおずと口を開く。
「リリィ副隊長。あの、言いにくいのですが…。」
「…見に行きましょうか。布をまけばわかりませんよ。」
「!ありがとうございます!」
マルシェさんも見に行きたかったみたい。
いつもの熟練の職人の雰囲気は無くて目が輝いてたから、純粋に見て見たかったみたいだ。
こういうマルシェさんは始めて見た。
そういえば、実年齢はともかく、精神年齢ではあまり変わらないんだよね。
綺麗なものに弱いのは女子のお約束です。
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