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 いきなり変わった街並みに内心驚いていると、クルビスさんがギュッと抱き寄せてくる。

 大丈夫です。ちょっと驚いただけですから。



 魔素でちょっとだけなだめつつ、共鳴もしてないのによくわかったなあと感心する。

 今までもこういうことはあったけど、クルビスさんは私を良く見てる。



 魔素のちょっとした変化まですぐに気付いてくれて、優しく気遣ってくれる。

 いい旦那様だ。クルビスさんとじゃなきゃ、トカゲさんと結婚なんて考えなかっただろうなあ。



 色が同じといっても、私にとってはそこまで意味はないものだし。

 もちろん、魔素が心地いいっていうのは大事なことだと思うけどね。



 でも、これまでの人生で色について考えたことなんてオシャレする時くらいだったし、ここに来てからも色に対する周りの反応に首を傾げることばかりだった。

 クルビスさんを好きになったのは魔素だからじゃないんだよね。



 会ったばかりの他人に誠実にまじめに接してくれたその優しさに好きになってた。

 そんなことをしみじみ思ってると、何故か抱き上げられて、ぎゅうっと抱きしめられる。



「あまり煽らないでくれ。…我慢してるんだ。」



 え?煽るって…。

 やだ、共鳴してる!さっきまでしてなかったのに。



「クルビスさん、共鳴するなら言って下さいっ。」



「…ハルカが悪い。かわいらしい魔素で俺を包むから。」



 魔素に可愛いとかあるんですか?

 いやいや、それより降ろして下さいって。



「やだ。このまま帰る。」



 え~。もうっ。しょうがないなあ。

 あ。シードさん肩が震えてる。きっと大笑いしたいんだろうなあ。



 周りも生温かい視線になってるし。

「おめでとうございます!」って乾杯始めてるし。



 恥ずかしいなあ。でも、こうやって言い合いながらも二人でいれたらいいな。

 喧嘩だってするだろうし、口きかない時もあると思…。



「無いぞ。そんなの。あったら死ぬ。」



 モノローグに突っ込まないで下さいよ。

 共鳴してるからダダ漏れだって知ってますけど。



 もう、ちょっと浸ってたのに。

 台無しじゃないですか。



 しかも、バカなやり取りしてる間に、もう守備隊の傍まで帰ってきてるし。

 クルビスさん、早歩きしましたね?



「いいだろう?皆酔ってるし、俺たちの姿が見れれば満足なんだ。それに、これからずっと一緒にいるんだ。こんなの当たり前になる。」



 まあ、そうですけど。

 でも、さっさと帰りたかっただけですよね?二人きりになるために。



 あ。視線逸らした。図星じゃないですか。

 わかるんだから。もう。



 こうやってすぐ共鳴しちゃうし、お互いのウソなんてちょっとした魔素でバレるから、お互いに隠し事ってほとんど出来ない。



 しかもクルビスさん相手だと、さっきみたいに私が街の様子が変わったことに動揺したのが、共鳴してないのにバレちゃったし。



 でも、クルビスさんだと嫌じゃないんだよね。

 今日のお式はもうすぐたどり着く守備隊の入口で完了するけど、クルビスさんとはそこからだ。



 これからずっと一緒なんだよね。一緒に生きていくんだ。

 あなたの隣で、私も一緒に。



「ずっと一緒ですね。」



「ああ。ずっと一緒だ。」



 うん。一緒に幸せになりましょうね。

 あなたとなら頑張れる。



 「もういいだろ。帰ろう。」



 うえ?ちょ、ちょ、ちょっと、早い早い。

 走らないで下さいってば。

 



これにて、本編3部作は完結です。

特別感動って感じじゃないですが、最初から決めてた終わりです。

クルビスさんの我慢が聞かないっていうのが落ちっていう(-▽-)



明日からは投稿は2時とさせていただきます。

10月から仕事が変わりますので、朝に執筆してみて予約する方法に変えますが、また変更するかもしれません。



明日からはこの続きで、番外編と称して、式の後のデートだったり、雨季の間の新婚編を少し書く予定です。

遥加さんのお仕事編も書く予定ですが、詳細は初期設定以外決めてないので、番外編書いてる間に詰める予定です。


ちなみに、本編のここで、このキャラの視点が読んでみたいというのがありましたら、感想か活動報告にコメント下さい。

デート編か新婚編が終わり次第、リクエストを書いていきます。



後、「日進月歩~」などの別視点の取り下げが完了してないので、それもちまちまとやっていきます。

結局、9月はあまり時間が取れませんでした。



でも、予定組んでちゃんとやります。

クルビスさん視点の森での様子を遥加さん視点に置き換えたりもしたいですね。



では、まだシリーズは続きますが、ここでシメのご挨拶を。



私の初めての連載作品に今日までお付き合い下さってありがとうございます。

カタツムリペースな話で、悲しいことや争いを極力排除したため、盛り上がりに欠ける所もありましたが、完結まで書いてこれました。

これもひとえに、今日まで読んで下さった読者様のおかげです。



まだまだ書きたいこともあって、シリーズ自体は続きますが、一番のメインは書き終えられてホッとしています。

これからも毎日の更新はやめませんので、もうちょっと付き合ってもいいよという心の広い読者様は番外編やお仕事編でもお付き合い下さればと思います。



長くなりましたが、以上です。

ありがとうございました。

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