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 噴水の広場から北に向かうこと5分。

 守備隊の手前で横道に入ると独特のにおいが漂ってきた。



 これって薬の匂い?

 ハーブティーみたいな匂いに草原にいるような匂いが混じっている。



 ここには花といっても香りの強い花は置いてないようだ。

 他の場所に比べて、花の飾りが少ない。



 小さい花がたくさんついている木や控えめな色の花が咲いた草の植木鉢があちこちに置かれている。

 たぶん、これみんなハーブじゃないかな。



 じゃあ、ここが薬師通りかあ。

 本屋街や星街に比べて規模が小さいから薬師通りって言われてるって聞くけど、薬屋さんや診療所の数は街で一番多いのだそうだ。



 最初にメルバさんが仮の診療所を始めたのがこの辺りだったらしく、以来、深緑の森の一族は街に出るとここで薬屋や診療所を開くようになったそうだ。

 それはメルバさんが守備隊勤務になってからも続き、それがウワサになって、エルフの医療を学ぼうと他の種族も住むようになったため、医療関係の建物が密集する地域になったのだとか。



 メルバさんって影響力すごいなあ。

 薬師通りを作っちゃうきっかけになるとか、あらためてそのカリスマ性を感じる。



「おめでとうございます!」



「おめでとう!お幸せに!」



 店先に出て来た深緑の森の一族やトカゲの一族が次々に声をかけてくれる。

 当たり前だけど、由来が由来なだけに深緑の森の一族の姿が一番多くて、それ以外はトカゲの一族やフェラルド族にフォーリンガのひとの姿もあった。



 ここも種族が多様だなあ。

 話に聞いた通り、今日も営業してるみたい。お祭りの日だもんね。



 祭りの時はお酒の飲み過ぎで倒れるひとが出たり、集まったひとの魔素にあてられて魔素酔いを起こして倒れるひとがかなり出るらしく、医療機関は休日営業になるってリリィさんから聞いている。



 今日はかなり忙しいはずだ。

 さっき見たトカゲの一族のひと達なんか、そのうちつぶれそうだったし。



 すでに運び込まれてるひとだっているだろうしなあ。

 そんな忙しい中にお祝いを言いに出てくれたんだ。嬉しいなあ。



「ありがとう!」



「ありがとうございます!」



 皆さん笑顔で手を振って見送ってくれる。

 薬屋さんや診療所といっても、一番小さい建物ばかりでたまに中くらいの建物や2階建ての建物が混じるくらいだった。



 この大きさの建物だと、診療だけなのかな?

 入院したりとか出来ないんじゃないかな?



 治療も術式で行うから入院まではいかないとか?

 まだまだわからないことが多いなあ。



 今度アニスさんに聞いてみよう。

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