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 クルビスさんとバカなやり取りしてる間に噴水の所に戻ってきていた。

 途中から笑い声に見送られてたけど、それは気にしない方向で。



 でも、そんなのも噴水を見た時に吹き飛んだ。

 水がまるで踊ってるように噴出している。



「わあ。また違う形。」



 水が細い線のようにいくつも吹き出し、それが回ったり上下したりして新体操のリボンのようにひらひらと舞っている。

 さっきは霧状に噴き出して虹を出したりして光の屈折を楽しむ感じだったのに、また違う趣向になっている。



「まだ他の形があったと思う。ここの噴水は仕掛けが大きいから、きっと戻るたびに違うものが見れるさ。」



 噴水に魅入っている私にクルビスさんが説明してくれる。

 へえ。じゃあ、それぞれの区画を回って噴水に戻ってくるたび、違うのが見れるんだ。



 普段は身動きできないくらいの人手を知ってるから、何だかラッキーだ。

 アルフレッドさんにはお菓子を添えてお礼に行かないと。



「ふふ。アルフレッドさんにお礼をしないといけませんね。」



「ああ。雨季が終わったら会いに行こう。」



 そんな話をしながら、さっきと同じ真ん中の大通りを通って、今度は右に曲がっていく。

 隊士さんの並びが変わってるから、きっと間違えないように道を変えてくれてるんだろう。



 今度は右だから、星街のほうだ。

 お店は閉まってるだろうけど、どんなひと達が迎えてくれるんだろう。



「あ。いらしたぞ!」



「おめでとうございます。それ!」



 私たちの姿が見えると、屋根に上っていた星街のひと達が一斉に何かを投げる。

 それが空中で分解して、ポーンと音がしたと思ったら色とりどりの花びらと細いリボンが降ってきた。



「おおっ。」



「…ああ、これか。」



「綺麗。」



 シードさんが身構えるけど、相手が花びらとリボンと見てとるとすぐさま警戒を解いた。

 クルビスさんも硬くなったのは一瞬で、すぐに納得してたみたいだから、何か仕掛けを作ってるのは知ってたようだ。



 まあ、許可が無いとこういうのってできないもんね。

 これ、まるでクラッカーみたいだなあ。地球のは空中で破裂しないけど。



「ビックリしました。…でも綺麗ですね。」



「ええ。驚いたけど、綺麗ね。きっとクラカを大きくしたのね。」



 後ろでルシン君とアニスさんが興奮したように話している。

 クラカって聞こえたけど、名前がクラッカーっぽい。また元ネタあー兄ちゃん?



「長の発明品が元だろう。時間差で割れるなんてものが作れるのは星街ぐらいだけどな。」



 メルバさんの発明品ってことは、やっぱり元ネタはあー兄ちゃんだ。

 でも、音はそれほど大きくなかったし、中は花びらとリボンでとても綺麗だった。



 これ、いろんなところで喜ばれそう。

 あれ?膝にも花びらが。この花びら…布?布製の花びらなの?



 うわあ。凝ってるなあ。

 でも、これなら日持ちもするしいいかも。



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