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2時って活動報告に載せたのに、11分も遅れてすみません。

やっぱり食事の部分が大半をしめちゃいましたorz

いちゃいちゃは微量です。まあ、お昼ですしね。

 リリィさんに持ってきてもらったお昼ご飯は煮魚とお味噌汁にご飯がついた「ザ・和食」だった。

 お味噌汁なんかは何度か注文したけど、ご飯が単体で出てくるのは深緑の森の一族の里以来だ。



 ルシェモモではご飯単体で提供されるのは非常に珍しい。

 何か具材と混ぜているのが普通なのに。



 そんな疑問を持ってたら、リリィさんが訳を教えてくれた。

 ちょうど和食の日だったからこのセットを選んでくれたけど、ご飯単体で出すのはメルバさんの指示だそうだ。



 私が悪役令嬢とやりあったことはしっかり伝えられていて、「テンプレもわかるけど~。ほどほどにねえ~。」と伝言で釘をさされた。

 私が面白がって向かって行ったことはメルバさんにはバレてるみたい。もうしません。



 それにしても、こんなしっかりした和食久しぶりだ。

 頬が自然と緩んでくる。



「ハルカは深緑の森の一族の食事が好きだな。」



 クルビスさんに言われて、自分がにやにやしながら食事を眺めているのに気づく。

 うわ。恥ずかしい。慌てて顔を抑えるけど、クルビスさんは目を細めて微笑ましそうに笑っているだけだ。



 うう。見守られても、それはそれで恥ずかしいかも。

 そりゃ、クルビスさんの方がずっと年上だけどさ。精神年齢では負けてない…はず。



「そんな顔してました?」



「魔素も楽しそうで嬉しそうだ。ハルカと食事をするようになって、食事を楽しむことを思い出したよ。最近は食事も魔素の補給のための作業だった。ルドに悪いことしたな。」



 ワーカーホリックですもんね。知ってます。

 下手したら食事も自分の執務室で取って、外に出ない日が1ヵ月とかザラだったってシードさんに聞いてるんだから。



「食べる側は常に感謝しないとですね。」



 本当に、ルドさんにはいつも感謝してる。

 ルシェモモの食事って基本的に辛い。ヘビの一族のお披露目で結構食べたけど、後から辛さがくるものもあって、毎日だと辛いなあと実感してからはなおさらだ。



 フェラリーデさんやアニスさん達だって、私がアレルギーを起こしたりしないか毎日の食事の様子を管理してくれているし、これにもとても感謝している。

 今の私は感謝なくして食事は出来ない。



「そうだな。なら、冷めないうちに食べるか。」



 私の言葉にクルビスさんは頷いて、さっそく食べることにする。

 こちらのご飯は一見白なんだけど、ご飯だけで塊になると薄ーいピンクがかっているのがわかる。



 お米はピンクなんだろうか。味はササニシキっぽくてあっさりめのご飯だ。

 お味噌汁は味噌が緑がかった茶色で、ちょっと色味が違うけど黒味噌と思えばそれもありだと思っている。



 香りはお味噌だしね。

 具材はなすのような味の黄緑色の瓜のような野菜だった。シンプルで美味しい。



 煮魚はショッキングイエローの細長い魚が尾頭付きでお皿に乗っていた。

 調味料で味付けされているから黒っぽくなってるけど、元の魚はさぞかし目に痛い色だろう。



 ピンクなカレイみたいなサンマの味の魚も見たことあるけど、こっちの魚って隠れる気ないよねえ。

 味は…カレイの煮つけだ。こっちの方が見た目はサンマっぽいのに。



「こちらの魚は色が派手ですねえ。」



「まあ、そうだな。派手な色の魚は海藻やそれに近い小さな生き物を主食にしてるから、その色が出ると言われている。白に近い魚は肉食で食べられないものが多い。海の白に隠れて獲物を取るから獰猛だしな。」



 そういえば、こっちの海藻はカラフルだっけ。

 見慣れちゃって、驚くこともなくなってた。



 あんなカラフルなもの食べてたら、そりゃ色も派手になるよね。

 サンマとカレイが見ための形と味が反対なのは首をひねるばかりだけど。



「でも、美味しいです。…お刺身食べにいきましょうね。」



 魚繋がりでお刺身を思い出す。

 南地区には魚人がいて、お刺身は魚人のお店で食べられるらしい。



 以前クルビスさんと約束して、楽しみにしている。

 最近、これからのことを一緒に考えられるのが楽しくて仕方ない。



 それが伝わるからか、私が先の予定のことを話すとクルビスさんは嬉しそうに頷いてくれる。

 今も、私がにこにことお刺身のことを言うと、クルビスさんはフっと目を細めて頷いた。



 見つめ合って微笑み合うなんて、少し前の私じゃとても出来なかった。

 でも、クルビスさんに出会って、一緒にいて、それが当たり前みたいになってるのを感じると幸せだなあって思う。



「…あまり、そんな目で見ないでくれ。」



 ふへ?そんな目ってどんな目?

 意味がわからず首を傾げていると、クルビスさんが苦笑する。



「可愛い顔でニコニコされると抱きしめたくなって困る。」



 ぐっ。ご飯がつまりそうになって、慌ててお味噌汁を飲む。

 ちょっ。何てこと言うんですかっ。食事中にっ。


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