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 着替えて医務室に向かう。

 途中、アニスさんに昨日着てたドレスのクリーニングが可能かどうか聞いてみると。



「それでしたら、一族でレースを専門に扱う者がいます。レースの復元もしていたはずですから、聞いてみましょう。」



 聞きなれない言葉に首を傾げる。

 復元?レースを?



「復元ってどういうものなんです?」



「えっと。あ、着きましたね。中でご説明します。」



 もう医務室だ。

 まあ、私の部屋はもともと病室で同じ2階にあるから、ちょっと歩くだけで着くんだけどね。



 アニスさんがノックをして入室の許可を取り、ドアを開く。

 部屋ではフェラリーデさんが慈愛の笑顔で待機してくれていた。神々しさで目がつぶれそうです。



「おはようございます。クルビス、ハルカさん。ハルカさん、昨日は術の痕跡に気づかず、申し訳ありませんでした。」



 神々しい笑顔が一転、悲しみに曇った表情で頭を下げるフェラリーデさん。

 いやいやいや。そんな。自業自得なんで。そこは憶えてるんで。



「いえいえ。ちゃんと説明出来てなかった私が悪いので、どうか頭を上げて下さい。」



 まあ、氷の魔王と化したフェラリーデさんにHP削られたのも原因ですけどね?

 でも、そもそも、私が勝手なことしなきゃそれも無かったわけで…。



 そう考えると、やっぱりフェラリーデさんに責任はないだろう。

 状況全部説明出来たら、術をかけられた可能性に気づいてくれただろうし。



「…あれからお身体の具合はいかがですか?」



 うごふっ。美形の困ったようなホッとしたような微笑は朝イチではキツイです。

 内心ダメージをくらいつつ、自分では問題を感じないことを伝え、念のため検査を受けたけど問題なしのお墨付きを頂けた。よかった。



 お医者さんのお墨付きって安心するよね。

 それから、アニスさんがドレスのことをフェラリーデさんに確認したら、そこなら元に戻せるだろうと言われた。



 復元とは魔法のようなものじゃなくて、レースが切れたなら糸を足して編み直す、シミが出来たら術で繊維に干渉して汚れを分離するなどなど、靴の修復屋さんのように繊維物に関しての手入れをするものだそうだ。



 昨日引きずられたせいで、レースは一部汚れてしまい、背中のボタンは取れかけていた。

 そんなお店ならまさしく打ってつけだろう。



 せっかくのミネオさんとトモミさんのお祝いだから、もっといろんな所で着たいんだよね。振袖みたいに年齢制限があるわけじゃないし。

 昨日の今日なので私がお願いに行くことは許可が出なかったけど、代わりに行ってくれるアニスさんが「よくお願いしておきますね。」と言ってくれた。



 ほっとしたところで、食堂に行くことになった。

 ようやく朝ごはんだ。朝からいろいろあり過ぎた…。



 フェラリーデさんは待ってていて下さったらしく、アニスさんも含めて4人で朝食を取ることになった。

 今日の朝食は久々のオムライス。何故か卵が薄い水色ですが。



「これも卵ですか?」



「ヒャクヤの卵だ。あちこちで異常発生してるらしくてな。育児放棄した卵が多くてこちらに回ってきた。」



 私の疑問にルドさんが明快に答えてくれる。

 ヒャクヤって鳥の卵は水色かあ。割ったら青身と白身なのかな。



「そこまでか。深緑の森で長が調査されていたが。」



「里でも問題になっていますよ。巣の数が多すぎていくつかの樹が枯れました。」



 クルビスさんとフェラリーデさんが渋い顔をして話している。

 樹を枯らすなら害獣認定されかねない鳥だ。



 何か原因があるのかなあ?

 まあ、でもせっかくのできたてのオムライスだ。



 美味しいうちに頂こう。

 いっただっきまーす。

ヒャクヤはエルフの里でメルバさんが樹に張り付いて調査してた鳥です。

再登場ですね。名前だけww

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