表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トカゲと散歩、私も一緒  作者: *ファタル*
ドラゴンの一族
161/360

21

「…一緒にいますよ。邪魔するひと達がいても、平気です。」



 とりあえず、思ったことを口にする。

 この部屋に入ったときもそうだけど、クルビスさんは私に関することは不安定になる傾向がある。



 育った世界が違うんだから感じ方や考え方が違うのは当たり前なのに、それで私が帰ってしまうんじゃないかと、離れていくんじゃないかと思ってる。

 共鳴できると口で言わなくたって魔素でだいたいわかるのってこういう時便利だ。



 実際、環境の差で馴染めずに出ていくことはルシェモモの街でもよくあるらしい。

 あからさまな実力主義に馴染んで永住するひともいれば、常に試されているような状況にたえられず出て行ってしまうひともいるそうだから、その心配も的外れじゃないのかもしれない。



 でも、馴染めなくたって、ここ以外で生きていける場所があるとも思えないんだけどなあ。

 皆によくしてもらってるし、お菓子も好評だし、お米もお味噌も醤油も手に入るし。



 食事に関してここまで条件揃ってて、他に移るとかありえないんですけど。

 日本人の米と味噌・醤油への執着をなめてもらっちゃ困る。



「「自分たちじゃかなわない。」って、「負けたっ。」ってわからせてやればいいじゃないですか。共鳴ってそういう効果もあるんでしょ?」



 横やりが入ったって、負けませんよ。

 そんなもんでクルビスさんを渡してなるものか。



 クルビスさんの手を持ってほっぺをすりすり。

 クルビスさんの魔素に慣れる練習を始めてから知ったけど、シーリード族って相手にすり寄って匂いをつけようとするらしい。



「自分のだ。近寄るなっ。」ってことらしいんだけど、最初聞いたときは「匂いをつけるって犬みたい。」と思ったものだ。

 そんな習慣があるからか、自分から相手にすり寄るって行為は愛情表現の一つとされている。



 もちろん、相手の承諾なしには出来ないけど。

 私がしばらくすりすりとしてると、クルビスさんの雰囲気が変わってきた。



(上手くいった、かな?ここからが大変なんだけど。)



 内心恐恐としつつそおっと目を合わせると、目を糸のように細めてにいっと笑ってるクルビスさんがいた。

 うわあ。悪い顔。どう料理してやろうかって思ってる顔だ。絶対。



 こんな表情もできるんだって知ったのはつい最近だ。ふたりっきりになった時だけの顔。

 頬が引きつりそうになるのを耐えつつ、先手必勝とばかりに口元にちゅっと音をたててリップキス。



 すぐさま身体を引こうとするけど、何故かガッチリ抱えられて身動きが取れず。

 不意打ちしたのにっ。こういうとこでハイスペックな能力使わないで下さいよ。



「ハルカ?」



 ぞわぞわぞわっ。

 くううっ。バリトンボイスで囁かないでええ。



 腰が砕けてクルビスさんにすがるような恰好になる。

 狙ってたなこんちくしょう。それだけか?じゃあ、ありませんっ。



 目がうるうるしてきて、クルビスさんの顔がまともに見れない。

 持ってたクルビスさんの手は逆に私の手を握り、長い指先で私の指をからめたりツツツッと刷り上げたりしてもて遊んでいる。



 慣れさせることを始めてから、クルビスさんはこういう戯れのようなことを仕掛けてくるようになった。

 私が逃げないのがまた良いらしい。何言ってんだか。



「…見せつけるんだろう?これで終わりか?」



「ひううっ。」



 耳、ぺろって。今までやんなかったのにっ。

 ダメだ。完全に腰ぬけた。頭もぼうっとするし。どうしよう。



「こ、こんにゃことしましぇんっ。」



 ううっ。舌に力入んないい。

 クルビスさんも驚いて目を見開いてるし。恥ずかしいっ。



「…こんにゃこと?こんにゃことって何だ?」



 へ?耳ぺろってやつ…違う。わざとだ。

 面白がって私にしゃべらせようとしてるんだ。



 うわあ。ムカつく。

 このすました顔をどうしてやろうか。



 口…はさっきやって失敗したし、耳もこれと言って出てるわけじゃない。

 うーんと。うーんと。あ。そうだ。喉。皮膚が柔らかいって聞いた。



「こんにゃことれすっ。はむっ。」



「ぐっっ。」



 喉を唇ではんで、はむはむとやる。

 ついでにペロッと舐め上げると、クルビスさんが唸った。



 よし。してやったり。

 人間の耳みたいなのが喉にあたるんだな。



 他に比べて皮膚が柔らかいから、敏感なのかもしれない。クルビスさん硬直してるし。

 ちょっとは狼狽えたらいいんだ。ふん。



「ハルカ…煽ったのはお前だからな?」



「ふえ?」



 気がついたら畳の上に押し倒されていた。

 畳の感触が直に感じると思ったら、服が無い。



 え。クルビスさんが脱がしたの?

 いつ?どうやって?っていうか、慣れてません?



 そう聞こうとしたら、喉にがぶりと食らいつかれた。

 その後は、もうされるがままで、体中を魔素に慣らされて…。



 程ほどにするはずだったのに、朝は起きられませんでした。まる。

 慣らしでこれって、本番はどうなっちゃうんだろう…ブルブルっ。

いちゃいちゃのご要望がありましたので書きました。

いかがでしたでしょう?

いちゃいちゃになってたらいいんですが。


ちなみに、クルビスさんは我慢しつつ楽しむことを覚えた模様(笑)

こんな据え膳で最後までやらないとか、我慢強いヒーローですねえ(-▽-)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=523034187&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ