表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
炎焔の鎧  作者: なとな
第5章 妖精の島
68/133

第5章2話 聖女の儀式二日前

 俺たちはついにテミスの街までたどり着いた。


 テミスには地の聖女ベラトリックスの屋敷があり、事前に泊めて貰う連絡をしている。


「とりあえずはベラの屋敷に向かおう」


 俺たちは最初にそこに向かった。ベラとは地の聖女ベラトリックスの愛称だ。

 ベラが俺たちの宿泊の準備もしてくれているはずだ。


 屋敷の門番にはなぜか顔パスで入ることができた。以前、ここに来た事があるにしても不用心過ぎないだろうか。


「ここが地の聖女様の御屋敷か」

「おっきいね…………実家の屋敷より大きいかも」


 リーシャとエリスは初めて来る様だ。二人ともベラとは面識があっても屋敷には来たことがないのだろう。

 俺とセレナとテラは以前、テミスの街の調査依頼時に訪れているので、初めてではない。


「ベラはどこにいるんだ?」


 俺は近くにいるメイドの女性に声をかけると彼女は答えてくれた。


「はい、聖女様は旦那アクイラ様の到着をお待ちしておりました。ご案内致しますのでこちらへどうぞ」


 ベラのメイドは一礼すると俺たちを先導する。セレナ達も俺の後に続いた。そして彼女の部屋まで直接案内された。


「旦那様、お待ちしておりました」


 彼女はリラックスして優雅に過ごしている姿が目に入った。青々とした植物が配された部屋の中で、ベラトリックスの存在は一層引き立っていた。


 彼女の装いは実に優雅だった。緑色の柔らかなリネン製ローブを身にまとっており、そのローブはゆったりとしたデザインで、彼女の動きを妨げることなくリラックスできるように作られていた。広がりのある袖口には淡い金色の刺繍が施されていて、その細かな刺繍が光を受けてほのかに輝いていた。ローブの前面には彼女の属性を象徴するように植物や花の模様が描かれており、それが彼女の穏やかで落ち着いた雰囲気を一層引き立てていた。


 ウエストには金色の細いベルトで結ばれており、彼女のエレガントな体型を美しく際立たせていた。そのベルトがローブ全体に優雅さを加え、ベラの姿はまるで自然の一部のように感じられた。


「久しぶりだな、ベラ。元気そうで何よりだ…………あと、聖王になってないからまだ旦那じゃないぞ?」


 俺は挨拶をしながら彼女の手を取り軽く口付けをした。


「はい、アクイラ様もお変わりないようで安心しましたわ」


 彼女は微笑みながら俺の手を握り返した。


「皆様はテミス滞在中は我が屋敷にお泊りください。お部屋は女性の方には客間を…………アクイラ様にはどの部屋も自由にお使いして頂いて構いません。私の中ではもう貴方がこの屋敷の主人なのですから」


 ベラトリックスは冗談めかした様子で言った。


「へえ? メイドちゃんたちの部屋も自由に出入りしていいの?」


 俺が冗談でベラにそう言ってみた。


「ええ、もちろんですわ。アクイラ様の好きなように使ってください。屋敷も家財も人材も」


 ベラの言っていることは冗談には聞こえなかった。まあ、なんにせよ全部俺のモノとみていいのは有難いことだ。まあ俺にはベラもいればセレナにテラ、リーシャにエリスと既に美少女に囲われているからメイドにまで手を出す余裕なんてないんだけどな。


 でもシルヴィアさんとネレイドさんにも手を出していいのかな。それは…………興味あるな。


「ま、せっかくだしベラの部屋に泊まろうかな」

「ええ、是非そうしてください」


 ベラは嬉しそうな顔をしていた。一応本来の主であるベラの機嫌をとるのも兼ねてだが、単純にこの部屋が一番居心地よさそうなんだよな。


 そしてセレナ達は客間に案内されて、ベラの部屋には俺とベラの二人きりになった。俺はゆったりとソファに座るベラの隣に座り、ローブ越しに身体を撫でまわす。


「んっ……」


 彼女は少し身じろぎしたが、抵抗はしなかった。そのまま彼女の身体を抱き寄せると唇を重ねる。柔らかい感触が伝わってくると同時にお互いの体温も感じ取ることができた。ベラは目を閉じていたがゆっくりと目を開けて俺の目を見つめる。その瞳からは愛情のようなものが感じられた気がした。そして俺は舌でベラの唇をノックすると彼女もそれに応えてくれた。ぬめりとした舌が絡み合い唾液を交換し合う。キスを終えた後も俺たちはしばらくの間抱き合っていた。


「ほら、アクイラ様……貴方様の物です」


 寂しい思いをさせてしまったと俺は、しばらく二人きりで過ごした。聖王になるということは、聖女たちの夫になる事を受け入れているようなものだ。まあ、まだ聖王ではないんだけどな。


 ベラと二人で部屋の外に出るとメイドが待ち受けていて、俺たちを見つけるなり声をかけてきた。


「聖女様アクイラ様、お食事の用意ができております」


 メイドに案内されて食堂に入ると、そこは貴族が食事をするような豪奢な装飾が施された部屋だった。長いテーブルの端に座ると既に他の四人は席についていた。そこにはシルヴィアさんとネレイドさんもいた。


「遅いよアクイラ!」

「僕…………おなかペコペコ」

「…………聖女様にいかがわしいことはしていないだろうな?」

「アクイラさん、食事にしましょう?」


 セレナ達はいつも通りだ。シルヴィアさんは俺と顔を合わせるとニコリとしている。彼女がここにいるということは、ルーナの護送は無事終わったのだろう。


「ネレイドさんもお久しぶりです」

「ああ、久しいなアクイラ君…………旦那君?」

「あ、今まで通りで大丈夫ですよ?」

「そうか。ならそうさせて貰おう」


 ネレイドさんは相変わらずだ。しかし、その口調はどこか柔らかくなったような気がする。


「アクイラ様、どうぞこちらへ」


 メイドが椅子を引いてくれたのでそこに座ると、目の前に豪華な料理が次々と運ばれてくる。どれも美味しそうで食欲を誘うものばかりだった。


「ではいただきましょう」


 ベラがそう言うとみんな一斉に手を合わせて食事を始めた。俺は最初にスープを口に運んだ。濃厚な味わいの中にもしっかりとした旨味がある。


「それでルーナの聖女の儀式はいつ始まるんですか?」

「明後日になります」


 ベラが答える。そうか、それならもうすぐだな。俺がそんなことを考えているとセレナが口を開いた。


「ルーナちゃんの儀式って具体的に何をするの?」


 そういえば儀式の内容については詳しく聞いていないな。

 セレナの疑問にシルヴィアさんが答えてくれた。


「まずは入場行進ですね。地の聖女、風の聖女、火の聖女それから我々聖女の付き人に選ばれた人材とともに水の聖女と彼女の付き人に選ばれた従者と一緒に街の大通りから大聖堂に入場します」


 最初に入場行進をやるのか。俺は大聖堂の内部に席を貰っているから、行進は見れなさそうだな。


「続いて現在の聖王国の筆頭にあたる三聖女、地の聖女、火の聖女、風の聖女の三人から祝福の祈りを捧げます。それから聖女の中でも筆頭に当たる火の聖女から宣言を受けます」


 やはり三聖女は全員ここに集まるのか。火の聖女と風の聖女の祝福を貰うチャンスだな。


「そして火の聖女から祝福の証を受け取ります」


 ルーナの持つ予定の水の聖女の祝福の証か。祝福を受けた証として俺が受け取ることになるそれは


「最後に閉会の祈りと退場です」


「なるほど」

「ありがとうシルヴィアさん!」


 セレナはシルヴィアさんに礼を言うと、彼女はにこりと笑い、「どういたしまして」と返していた。


「明後日までどうするかな」

「僕は家に寄る。テミスは故郷」


 そういえばテラは元々テミス聖王国出身だったっけか。すっかり忘れてた。


「分かった。じゃあまた明後日」


 俺がそう言うとテラはこくりと頷いた。


「私達はどうしようかな?」

「そうだな」


 セレナが悩んでいて俺も考えこむ。リーシャやエリスはテミスの街を観光するそうだ。


 するとベラが提案してくれた。


「それでしたらルーナ様の付き人に任命された二人に会いに行ってみてはいかがでしょうか」

「ルーナの付き人か…………」


 そうだな、聖王国の選ぶ付き人だから問題はないだろうけど、ルーナを任せられる人か同課は見ておきたいな。


「よし、頼めるかベラ」

「お任せください」


 ベラは笑顔で了承してくれた。

書くこと…………なくなってきたな。よくなろうで見るあとがき真似てみるか。


読了ありがとうございます。面白いと思ったら評価星をつけてくださるとうれしいです。

続きが読みたいな思えましたら、ブックマークもお願いします。

面白かった回にいいねを押していただければ、皆様の好きなお話を私も知ることができます。

よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ