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第七十五話 幽華離、夜露死苦

第六章開幕です

前章ほどの短さになりそう



 統機の素材で武器を作ってから、大体現実で三日くらい。

 アリフラはいまだにユニークに関する話題で持ちきりだった。


 SNSや掲示板を見ても大抵がその話。他にも新たにユニークが見つかったとか、十二星群(アステリズム)という称号を持つユニークモンスターがいるとかなんとか。


 確か、エギストスって名前のユニークモンスターにボコボコにされたプレイヤーがいるらしい。フィールドをランダムで徘徊しているようで、今になって見つかった……というよりも初めてユニークモンスターが倒されたから解放されたんじゃないかという説が濃厚らしい。


 これまでその辺の話にはあまり詳しくなかったけど、今はもうある程度調べておく必要がある。

 というのも、このユニークに関する話題の中には私も含まれているからだ。



――――生産職スレ――――


259:ハリケーン剣

結局アインの武器もユーカリが作ったんかな


261:unicorn

まあそうでしょ。ガルヴァドの武器を作ったのは確定なんだし翌日の配信されてなかった時間とかにやってたんじゃない?


262:エルキン

それにしてもアレめちゃくちゃかっこいいよな

ヘルメスさんが動画上げてたけど変形機構がすごい

プレイヤーでもあんなの作れるんだな


265:シーモンキー

見たらどこになんのUNIT使ってるかわかるけど、アレをゼロから考えるのヤバいわ


267:ジャッジマン

武器職人の需要が上がる前からずっとやってる人だからな。年季が違う


268:シェロ

昔武器作ってもらったことあるけど今じゃ人気すぎて無理だろうな。まあその時も抽選だったんだけど


270:海老

ユニーク素材持っていけば作ってくれるさ

ユニーク素材の見つけ方は知らん



――――――――



 こういう話が色んなところで出てくる。

 まあ別に隠してたわけじゃないし、EX-CALIBURを無配信で作ったのだって性能面を広く公開してしまうのを防ぐためだったので、その辺は別にいいんだけど……仮に今後ユニークモンスターが倒された場合、私のところに来る可能性が高い。


 こういうものはどうしても実績がある人間に頼みたくなるものだし、現状ユニーク装備を作ったのは私だけである以上、間違いなくそうなる。


 いつどのユニーク素材を持ってこられても良いように、どんなモンスターなのかは事前に把握しておきたいところだ。

 というのも、[真化]のUNITで付与できる特殊効果はその元となったモンスターが使っていた攻撃や性質などを受け継いでいるらしい。


 まだデータが少ないのでなんとも言えないけど、例えばグラムソトーシスについた[融解]の能力。あれは実際ウェルキンゲトリクスの攻撃方法の一つに存在していたらしい。

 EX-CALIBURについた[統機]に関しては、ウェルキンゲトリクスが低HPになった時点で暴走モードのようなものに入ったらしく、それが元になっているのではないかとヘルメスが言っていた。


 エボニーの方もそうだったらしいし、ユニーク素材は基本的にそういうものなのだろう。



 ……全然関係ないけど自分の知らないところで自分の話題が出てるのってめちゃくちゃ気になるな。

 別に誹謗中傷を書かれているわけではないし、むしろ良いことばかり書かれているんだけど、なんかむず痒い……。


 とは言え、今日はそんなことを気にしている場合ではない。

 今日最初の依頼人の武器に使うのは、まさにユニーク素材だからだ。


 ユニーク素材と言っても『統機』のものではない。今回の依頼人は【セフィロト】のメンバーではなく、これまでに面識のないプレイヤーだ。


 一応言っておくと、統機ウェルキンゲトリクス以降一度もユニークモンスター撃破のアナウンスは流れていない。

 つまりは他のユニークモンスターの素材というわけでもなさそうで……正直よく分からない。どんな素材なのかまでは聞いていなかったし。


 ユニークモンスターを倒す以外でもユニーク素材を手に入れる方法はあるってことなのかな。



 そしてさっきからすごく気になっていたんだけど……



「……なんか店の前、うるさくない?」


「ですね……何かあったんでしょうか」



 やたらざわざわしているというか何というか。

 スルーするつもりだったけどここまでうるさいと見に行かざるを得ない。

 ということで、シダと二人で外に出てみる。



「え、何これ」



 外にいたのは、通りに列をなす数十人のプレイヤーたち。全員が同じデザインの装備を着ていて……異様な雰囲気だ。

 通りがかったプレイヤーも野次馬のようになっていて、通りは混沌としていた。騒がしいのはこれが原因か。


 そう思っていると、やたら派手な装飾の馬車が通りを走ってきて店の前に止まった。

 ドアが開いて、同時に周囲にいたプレイヤーが深く頭を下げる。


 何が起きてるんだこれ。そういうドッキリ?


 そう考えてしまうような異様な光景の中、馬車から一人のプレイヤーが現れる。

 赤と黒の特攻服に身を包んだ金髪の男だ。

 彼はそのまま私の前に来ると、深く礼をして叫ぶ。



「【滅腐威棲疾(メフィスト)】初代族長、沸血霧(ぶっちぎり) 雷亞(らいあ)! 幽華離(ユーカリ)殿に魂の武器を作って頂きたく!! 此処に馳せ参じました!!!」



 あの、本当に何これ?


彼らはコンセプトクランというやつで、族になり切って楽しんでいます。

ちなみに雷亞の特攻服はエボニーが作りました。

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― 新着の感想 ―
[一言]  なんと……。  当て字が仏恥義理でなく、沸血霧とな。  こいつは異色の族だぜぇ(; ゜Д゜)
[良い点] 掲示板来た!嬉しい。やはりUNITの変形機構とか変態レベルの作りこみなのかな、むしろ防具ではその辺どう活かしてるんだろうという疑問も? [気になる点] ユーカリが配信はじめてからどれくらい…
[良い点] ゲーム楽しんでるなぁw
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