四十一話 〜僕の人生を求めて
朱とデートをする予定だったのだが、貫徹した僕が悪かった。
病室へと戻った僕は、ぶっ倒れてしまった……。
一応、退院とはなったものの、香煙の屋敷で僕のサイズ合わせが行われ、私服なども試着はナシでネット購入に……。
「……はぁ……蒸気街、歩きたかったなぁ……」
「明日の放課後、クレープでも食べに行こう! 観光してやる」
「クレープ? それ、食べたことないかも」
「なら、決定だな!」
僕の部屋としてあてがわれたのは、僕が住んでいた部屋よりもずっとずっとずぅーと広い。
居場所に困るくらいだけど、なぜか僕の趣味にあったソファがあったりして、とても居心地はいい。
「このソファとか、めっちゃセンスいいね! というか、僕の好みなんて教えたっけ?」
「隼の部屋に一度入っただろ。そこから想像しただけだ! それくらいのことは容易いぞ!」
「……いや、フツーできないよ?」
「そうか? ボクはそういうのは得意だ!」
ついと渡されたのは、これからの朱の予定だ。
側近のルールとして、基本は朱の生活スタイルに合わせた動きをしていくことになる。
ただ僕は隠密の訓練などがあるので、その辺りは別の御煙番が朱のボディガードをするそうだ。
基本的に側近は付かず離れず。
意外と不自由だな……。
「朱、もしかして、僕の自由時間はなし?」
「いいや。ボクが屋敷にいれば、基本、隼は自由だ。何かあれば、屋敷にとどまるようにするから安心しろ」
「なるほどね。外に出るときに、僕が必要ってことか……」
「そんな感じだな。さ、今日は早く寝るんだぞ!!」
念押ししてから、朱は僕の部屋をあとにした。
広すぎる部屋にポツンと残された僕だけど、ここには僕の物は一つもない。
僕の部屋も破壊されて、何も残ってなかったそうだ。
「新しい人生か……変な気分だな……」
僕の物として新たに与えられた制服と、蒸気靴を眺め、寝心地の良すぎるベッドへと潜り込んだ。





