第174話 世界大会・スペイン戦 開始5
最強の女傭兵 近未来でスポーツ美少女となる
コミックス第2巻 2025年06月17日 発売予定です!!
紙媒体・電子書籍どっちもありますので、よろしければお手に取って頂けると幸いです。
詳しくは下記アドレスにて。
https://webcomicgamma.takeshobo.co.jp/comics/
■side:U-18スペイン代表 マリサ・パンプロナ・バラゲロ
「はぁ!? 何やってんのよっ!!」
思わず叫んでしまう。
◆キル
x スペイン:グロリア・ルエラス・オレジャナ
〇 日本:一条 恋
横で戦っていたグロリアが撃破されたログに思わず驚きよりも怒りが込み上げる。
ここでお前がやられたら、誰がここを守るんだよと。
しかしグロリアを倒した相手も満身創痍のはず。
変な横やりがこれ以上入らないのなら―――
「いい加減、しつこいんだよッ!!」
目の前で絡み続けてくるアタッカーが非常に面倒だ。
防御を固め、まるでストライカーのような戦い方で撃ち合いを仕掛けてくる。
そうなれば当然こちらの有利ではあるのだが、定期的に突っ込んで来るフェイントを入れてくる。
そのまま突っ込んでくれた方が助かるのにそれはしてこない。
しかし隙を見せれば突っ込むぞという姿勢。
面倒になってこちらから仕掛けようとすると綺麗に下がる。
一番面倒な動きだ。
何より大型マシンガンよりもサブアームのロケットランチャー2丁を警戒し、大きな被弾を回避してくる。
そのため無視も出来ず、かといって仕留めるのも面倒という嫌がらせのような状態になっていた。
だが、それでも―――
「ここで私が負ける訳には行かないんだよぉっ!!」
■side:U-18日本女子代表 大野 晶
「これでもまだダメなのッ!?」
わざわざ片手バックラーだけでなくサブアームにも盾を用意し、ガチガチの防御を固めた装備にしたにも関わらず、押し込めない。
防御を活かして前に出たくてもロケットランチャーの牽制が飛んでくる。
アレにまともに当たる訳には行かない。
そうなると手に持っているマシンガンと下部グレネードに腰のショットガンと片手斧だけが攻撃の全てだ。
慌てて攻撃する訳にも行かないが、人数の減ったこのチャンスを見逃す訳にも行かない。
相手との撃ち合いをしつつ隙を狙う。
しかし相手も隙らしい隙を見せない。
流石は、一流選手。
だが、自分だってここまで努力して這い上がってきたのだ。
相手に劣っているとは思わない。
何度目かの激しい撃ち合い。
何度『これで沈め』と思ったことか。
それでも粘る相手にどうしたものかと思っていると、予想外のチャンスがやってくる。
後方から何故か転がってくる地雷。
それが相手側に設置されるたびに潰されていたのだが、どうでも良い所に1つ残っていたものがあった。
度重なる撃ち合いで、移動が多くなり、まさかのソレが相手にとって邪魔になったのだ。
大型マシンガンを地雷に向けて撃つことで処理をする。
その瞬間、相手の銃口はこちらを向いていない。
ここで一歩踏み出して圧をかけようとした所で―――
「晶ッ! ミサイル牽制いくよッ!!」
後方から誠子の声を共にSPの肩ミサイルが飛んできた。
相手はそれを迎撃するために大型マシンガンを撃ちながら下がろうとする。
「―――ここしかチャンスはないッ!!」
ブーストを吹かして、盾を正面に集めて一気に突撃する。
相手側から狙撃が飛んできて左肩側のシールドが破損した。
更に相手のロケットランチャーが飛んでくるが、これを回避せずに突っ込む。
爆発音と共に周囲が爆風で見えなくなる。
この時、両肩の盾がサブアームごと吹き飛んだ。
耐久値にも少しダメージが入ったが、まだ十分戦える。
だからこそ、そのまま速度を落とさずに突っ込んだ。
■side:U-18スペイン代表 マリサ・パンプロナ・バラゲロ
放置していた地雷が邪魔になり、潰した瞬間だった。
ここぞとばかりに攻撃をしてきて焦ったが、突っ込んできたATにはロケットランチャーが直撃した。
これで―――
「うぉぉぉぉっ!!!」
空気が揺れるような叫び声と共に爆風の中から高速で突き抜けてきた相手AT。
少し飛び上がっている状態から下部グレネードが飛んでくる。
回避しようがないため大盾で受ける。
爆発と共に腕に衝撃が走る。
盾の耐久値は大幅に下がったが、まだ耐えている。
後方に下がろうとするが相手はそのままマシンガンを乱射しながら突っ込んでくる。
それを大型マシンガンを撃ちながら応戦する。
互いに盾を構えながらの撃ち合いは、相手ATが接近してきたところで変化した。
マシンガンを投げ捨て、片手斧を持つ相手。
銃弾を受けて耐久値減ることなどお構いなしに突撃してくるため、片手斧の一撃を大盾で受け止める。
だが元から低かった耐久値に特攻効果が重なって一瞬で破壊されてしまう。
そして2撃目の斧を大型マシンガンで受け止める。
足を上げるとマシンガンごと相手を蹴ることで僅かに距離をあける。
その瞬間に大型警棒を取り出して構えた。
片手斧を構えて突っ込んで来る相手。
それを大型警棒で迎え撃つ。
だがお互いに武器を振る距離になった瞬間。
―――相手は斧を投げてきた。
驚きながらもそれを何とか回避する。
下手に食らえば危ない一撃だった。
しかしこれで―――
多少バランスを崩しながらも大型警棒による一撃をと思った瞬間。
―――ショットガンを構えた相手の姿
顔に向いた銃口。
振り下ろそうとしている大型警棒。
ダァーンッ!!!
僅かにショットガンが早かった。
そして発射された弾は、私の頭部装甲を破壊する。
その時、相手ATが驚愕の顔をしているのが見えた。
私は、首を大きく左に傾けている。
そして片側の、ショットガンの弾が抜けていた部分―――頭部装甲の右側面は完全に破壊されていた。
振り降ろしていた大型警棒も捨てての、ほとんど条件反射のような回避。
おかげでまだ私は光の粒子になってはいない。
反射的に目の前の相手を蹴って、そのままブースターを全開にして後ろに後退する。
体勢が悪かったせいでバランスが取れず、宙に浮くわ、回転しそうになるわという状態だったが、それでも構わず相手ATに向かってサブアームのロケットランチャーを全弾撃ち込んだ。
狙いも滅茶苦茶だったが、至近距離であったし全弾撃ち込めば爆発ダメージもあるはずだ。
そのまままともに着地も出来ずに地面にぶつかり、バウンドしながら停止する。
こういう時にVRはほとんど痛みが無いので有難い。
スグに立ち上がり―――
◆キル
x 日本:大野 晶
〇 スペイン:マリサ・パンプロナ・バラゲロ
「うおぉぉぉぉぉぉっ!!!」
表示されたログを見て思わず叫んだ。
やってやったぞ。
凌ぎ切ってやった。
私は負けない。
そんな思いが叫び声となる。
そうして叫んでいた時だった。
流石に疲れたのか、足がふらつき大きく後ろに1歩下がってしまう。
それでも何とか倒れずに踏み止まれたのは意地だった。
しかし―――
―――ピピピッ!!
聞きなれない電子音が聞こえたため、その音がする所を見る。
するとそこには、大きな円盤型の何かがあって―――
気づけば私の目の前には復活カウントが表示されていた。
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