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第122話






■side:U-18女子日本代表指導コーチ 霧島 アリス






 徹底した相互批判と個別訓練を続けながら、ようやくチームとしての連携訓練に入った。

 しかし圧倒的に時間が足りない。


 あと1週間で世界大会の開催宣言と予選の抽選が行われる。

 運が悪ければ、今日から10日後には試合だ。


「単調な動きをするなって言ったよねッ!」

「前に出過ぎるなって何度言えば理解出来るのよッ!」


 杉山先輩や香織の声が周囲に響く。

 今行われているのは、ひたすら前からやってくるCPU達を撃破して防衛し続けるというもの。

 もちろん防衛ラインを上げても下げてもいい。

 ただ一定ラインを1体でもCPUが通過した時点でアウトとなる。


 最初のうちは簡単だが、時間経過で数が増えたり動きが強化されたりする。

 そのせいで予想外の動きをしたり集団で押し込んできたりと、CPUの癖に多彩な動きをしてくるのだ。


 気づけば終了の合図が鳴り響く。

 どうやら桂子と誠子が大量の物量に押し切られ、そこから抜かれたようだ。


「黒澤・長野・藤沢・温井・佐藤は休憩。代わりに三峰・一条・宮本・石井・安田が入れ」


 監督の指示によりメンバーを交代して再度同じことが繰り返される。

 休憩となったメンバーには、スグにコーチや見学メンバーからの意見が書いた紙が届けられる。

 個別練習だけでも時間が足りないのにチームでの動きなんてもっと無理だ。

 でもやるしかない。

 だから無理やりにでも詰め込む。


 そして個人的には反対だったが時間が無いため各選手の武装も見直すことになった。

 もう少し基本的な技術を磨いてからにしたかったが……。

 とりあえず先にアタッカーを優先して変更することにした。



■大場 未来


両手:ポンプアクション式ショットガン

右肩:スパイクシールド

左肩:スパイクシールド

腰 :ドラムマガジン式オートショットガン

サブアーム:マスターキー


腰:着発式グレネード

  時限式グレネード

  スモークグレネード


*サブアームにマスターキーを持たせることで動きやすさを追求。

 突撃用にスパイクシールドを装備することで相手への威圧効果も期待出来る。



■大谷 晴香


両手:アサルトライフル

   アンダーバレルショットガン

左肩:ショルダーシールド

左腕:バックラー

盾裏:片手斧

腰 :片手斧

サブアーム:アサルトライフルx2


腰:着発式グレネード

  時限式グレネード

  スモークグレネード


*アサルトライフルx3による射撃と左側に固めた防御で常に投擲しやすい体勢を維持する。

 グレネードだけでなく片手斧投擲にも力を入れ始めた。



■大野 晶


両手:アサルトライフル

   アンダーバレルマシンガン

左肩:スパイクシールド

左腕:バックラー

盾裏:接近用ナイフ

腰 :マスターキー

サブアーム:アサルトライフルx2


腰:着発式グレネード

  時限式グレネード

  スモークグレネード


*撃ち合いを重視しつつ、近接戦になっても一撃を決めれる形になった。

 どちらかと言えば対高機動接近ストライカー用装備が多い。



■三峰 灯里


両手:アサルトライフル

   アンダーバレルマシンガン

左肩:ショルダーシールド

右肩:スパイクシールド

左腕:バックラー

盾裏:片手斧

腰 :ポンプアクション式ショットガン

サブアーム:マスターキー


腰:着発式グレネード

  時限式グレネード

  スモークグレネード


*サブアームにマスターキーを持たせることでいざという時の火力武器を所持。

 基本的には通常の射撃戦を行い、状況に合わせて動ける感じになっている。



■神沢 蘭


両手:アサルトライフル

   アンダーバレルマシンガン

腰 :アサルトライフル

   アンダーバレルマシンガン

サブアーム:アサルトライフルx2


*自身の動きやすさとサブアームの動かしやすさを追求した形。

 防御面では不安があるがその分、軽量で動きが早い。

 とにかく撃ち合いに特化している。



■黒澤 桂子


両手:アサルトライフル

   アンダーバレルショットガン

左肩:ショルダーシールド

右肩:ショルダーシールド

左腕:バックラー

盾裏:片手斧

右腕:バックラー

盾裏:片手斧

腰 :片手斧

サブアーム:ドラムマガジン式オートショットガン


腰:着発式グレネード

  時限式グレネード

  スモークグレネード


*ひたすら防御を固めて撃ち合いをするような形。

 投擲武器も大量で接近対策もしているので近距離寄りの射撃戦では取れる選択肢が多い。

 反面少し動きにくさがあるようで、反応速度がまだまだ悪い。



 とりあえず優先したアタッカーは、こうなった。

 これから随時、他の選手達も武装を色々手を入れていく予定だ。

 これも早々にやらなければ予選に間に合わないでしょう。


「ホント、ギリギリだねぇ」






■side:U-18女子日本代表 鳥安 明美






「あ~、ホント何なのよ」


 最近特にそうだ。

 アイドル連中にしろ、三島先輩にしろ。

 ちょっと弾が当たるようになっただけで煩いほど騒いで。


「結局LEGENDは、貢献度。撃破率よ」


 いくら当たろうが撃破に繋がらなければ嫌がらせでしかない。

 まあアリス先輩がやってるのも『素早く正確に当てる』というのも解らなくはないが、結局は銃の特性にもよって変化する。

 だから無駄とまでは言わないが、こんな劣悪銃でやる必要性などない。

 銃が選べないならともかく高性能な銃を選んで使用するのだから、自分から馬鹿みたいな銃を選ばない限りは関係無い話だ。 


 それでもやれと言われたからにはやりますけどね。

 最初に2人先に合格したのはイラっとしたが、次には命中率100%でクリアしてやった。

 その次の課題も一発クリア。

 私だってやれば出来るのよ。


 しかし紙束の量が減らない。

 読むだけでも面倒だけど、読まないと嫌がらせマラソンをさせられてしまう。

 『もっと援護しろ』だ『牽制攻撃を増やせ』だ好き勝手に書かれている。

 先輩からも『相手エースを止めれるエース』という立場を求められていた。


 そして今、私の手元にある銃を改めて見る。

 G.G.G社製:GR-02Aプロトレールガン


 両手で持てるG.G.G社の試作小型レールガン。

 この前の新武器追加の時に追加されていたものの1つだ。

 チャージ式ではあるが、ノーチャージでも撃つことが可能。

 しかし威力は思いっきり下がってしまう。


 チャージなし・半チャージ・フルチャージで威力が変化する感じかな。

 カートリッジ式で6発リロード。

 チャージしないなら連射することも出来る。

 状況に合わせてチャージしたりそのまま撃ったりと運用が幅広いらしい。

 そしてコイツには欠点がある。


「どうして集弾性がクソな銃を選ぶのか」


 零式ライフル並みに集弾性が悪く、使い慣れないとまともな場所に飛ばない。


「ホントは、もう少し基本的なことを叩き込んでから渡したかった」


 アリス先輩はそう言っていたけど、私からすれば何でこんなものをと思う。

 そもそもレクイエムの時もそうだけどイロモノばかりだ。


「本人が使えるからって他人が使えるとは限らないんだよねぇ~」


 思わずため息を吐く。

 それでもやらなければならない。

 私が相手エースを止めなければ日本は勝てない。

 それはスペインの時に嫌というほど理解した。


 周囲を地雷まみれにしてるのとか、アイドルみたいなのには期待出来ない。 

 私がアリス先輩の居ない穴を埋めなければ。


「次、鳥安入れ!」


「は、はい!」


 急に呼ばれて驚いたが、呼ばれたので練習に参加する。

 こんな的当てゲームみたいなので本当に強くなれるのかな?


「まあコレの射撃練習だと思えばいいだけか」


 ふと気づくと私以外のブレイカーが全員練習を見に来ている。


「―――せっかくだし、実力差ってのをちゃんと見せておこうかな」


 そう呟きながらフルチャージのレールガンの引き金を引いた。

 弾は相手ストライカーの胴体を貫通して撃破判定となる。


「ま、こんなもんよ」







ついに鳥安のやる気スイッチがONになりました。

更には新武器まで解禁。

ここから彼女の逆襲となるのか?

それとも他ブレイカー達の追撃が始まるのか?


そして時間が無いためにチーム練習などがドンドンと行われ始めました。

更にまだまだ早いとしながらも新装備への変更などが監督やコーチなどにより開始されました。

次話では他兵科の装備変更なども紹介されます。



*誤字・脱字などありましたら修正機能もしくは感想などからお知らせ下さい。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 連投もうしわけありません。 安田ちゃんの印象について追記です。まずこの子は地頭が良い。その上で、一年以上アリスの指導を受け、一途に努力をし続け、さらに自ら願って『お手本』を見せて貰っていま…
[良い点] 鳥安の内面。 なんというか、アリスの指導に大した価値を見出せないけど、アリスは怖いし立場も上だから、仕方なく従っています的な。鳥安って根っこの部分ではアリスを信頼も尊敬もしていない?どうな…
[一言] 糞バードが本当にクソバードになった感じ
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