そして、人が踊る
掲示板的な回です
ついに花粉症にやられたらしい……
鼻が止まらない、頭が重い、目がシパシパする……
マスクしてると多少は鼻はマシですが、目と鈍い頭痛が続くのが辛いです
さて、竜に挑戦状を叩きつけられた側だが、こちらはもう上層部は覚悟の上の事。
全力で準備に取り掛かっていた。
「竜達は気が長い。挑んで来いと言っても一ヶ月や二ヶ月程度ではあるまい」
「だが、事前に使者を派遣はしておくべきだろう。何時、と正確に決めておいて損はないはずだ」
「あちらも準備を整える時間が出来るが……そうだな、我々の方に利があるだろう」
余裕を考え、更にこちらからも「何時勝負!」という宣言をしに行く事を決める者達。
「現状のままではあの怪物どもには……」
「ふむ、だとすると多少安全性を無視してでも」
「それより、予定されているコスト無視の機竜製作が」
竜達の姿を前に、兵器の生産を加速させる者達。
「場所はボルシオン火山か……」
「正確にはそこを中心とした近隣に集結しているようだ」
「情報が欲しい。一体何体程度が集まっているのか見当だけでも」
少しでも戦いを有利に進めるべく作戦を立案する者達がいる反面。
「竜たる方々と共に戦う好機である!!」
「竜である方々に刃を向けてきた人に対するこれは裁きである!!」
「王国や連邦に呪いあれ!!」
竜を崇める者達もまた集結し。
「これは儲けるチャンスや」
「大陸の外に出向くのは少しでも早い方がええ」
「逃げるんか?王国や連邦が勝てば食い込めるチャンスだぞ!」
商人達は決戦に向けて大盤振る舞いを始めた王国と連邦、あるいは外の大陸の話を得た事で金儲けの機会であると励み。
「竜となんて戦える訳がない!」
「逃げよう、俺は死にたくない!」
「だが、どこへ逃げりゃいいんだ!!」
恐怖から逃亡を図る者。
この中には外洋への航行を考慮していない小型船で漕ぎ出して、行方不明になる者も続出した。
もちろん、中には幸運に恵まれて、他の大陸へ流れ着いた者がいた事も確認されている。
一重に、人族の意志が統一されていなかった、竜という知性を持つ相手に対して手を出すという意味を理解していなかった者が実に多かった事がこうした事態を招いたと言える。
特に見苦しかったのが、機竜を配備された事で竜に安易に手を出していた貴族だった。
「ど、どうすればいいんだ!私は死にたくないぞ!!」
「我々も前線に立たねばならんだと……逃げて……いや、逃げる場所などどこに……」
「くそっ、なんで私が竜なんかと戦う場所に出ねばならんのだ!!」
そうした貴族達は竜との戦いの最前線に投入される事が既に決まっていた。
逃げようにも逃げる場所などなく、反乱を起こしてももっと悪い条件、それこそ奴隷兵として捨て駒扱いで投じられる事は確実。あの手この手で何とか最前線行きを免れようとする者から、船を仕立てて大陸からの脱出を図る他の者達と共に逃亡を図った者まで実に様々だった。
「さて、王よ、ここまでの状況はこのような事になっておりますぞ」
「ああ、大体想像通りだな」
そんな中で冷静に一手を打ち続ける、あるいは打ち続けようとしている者達もまた、いた。
「建造を急がせろ。奴らを倒すにはハイローミックスで行くしかないが、ローは数で補うにしてもハイの方が完成せねば話にならん」
「……暴走の危険性があるとしても、ですかな?」
王国軍事工廠。
その中でも特に厳重極まりない警備が為されている王印工房。
元々、一品物レベルの、王やそれに準じる者達の為の品を作り上げるために生まれた超一級の技術者達が集められた工廠。
そこで複数の巨大な影が今も尚、組み上げられ続けていた。それらは極僅かな例外を除き、いずれも異形であり、歪だった。
「見ていろ、竜達よ。人がそうやすやすと負けたりせぬ事を思い知らせてやる」
どこか覚悟を決めた言葉と共に、王はそう呟いた。
人も大混乱です
でも、ただやられるだけじゃありません……
……一部の超越的な竜達を除けば、ですけれど




