とある番組(中編)
遅れました
遅れた理由?……ぼけてるんですかねえ。二回も書きかけの話を保存せずパソコン閉じちゃいました
「まず私達の中で最大の疑問とされている部分はとりあえず置いておきます」
いや、教授。それは私達としても興味が湧くのですが。
「と言われましても、実の所、未だ結論の出てない話ですので語りようがない、というのが正確でしてな」
と言うと?
「何故、竜王たる方々はあれだけの力を振るう事が出来、またあれだけの攻撃を受けても平然としていられるのか、という話なのです。魔法というものがあるのは理解しておりますが、同時に物理学では質量保存の法則とか、エネルギー保存の法則というものもありましてな?どうやればあんな事が出来るのかは常に議論されておる訳です」
なるほど……。ちなみにどのような説があるかお聞きしても?
「一番有名で、一般的なものは竜王というのは、その本体はより高次元の存在であり、私達に見えているのは高次元より投射された影に過ぎない、というものですな。確かにそこに体はあり、触れば感じる事が出来たとしてもあくまでそれは本体からすれば影に過ぎず、影をいくら攻撃しても本体が傷つく訳がなく、またより高次元から力を振るっている為に圧倒的な力を使える、というものです」
……すいません、ちょっと理解しづらいのですが。
「そうですな。ではこう考えて下さい。絵というものは二次元の存在です。縦と横しかありませんからな。そして、この紙に描いた絵は……三次元の存在である私の手で、こうして簡単に破いてしまえますし、あるいは描き足す事も出来ますし、消す事だって出来ます。同じように私達がいる世界というのは竜王の本来のあるべき次元世界からすれば紙に描かれた絵のように簡単にどうこう出来るのではないか、という訳です」
はあ……。
「というのが一番有力な仮説ではあるのですが、何しろ我々には高次元の観測など未だ出来ておりませんからな。ウソか本当か確認する事など出来ませんから、仮説にとどまっている訳です」
な、なるほど。
「まあ、他にはエーテル理論だの、未知の超効率生体エネルギー機関保有説など色々ありますけどね。結局は『確かめようがない』、これに尽きる訳です。さて、話を変えますが、そもそも竜王という存在自体が私達、人類にとっては説明しようのない存在なのです」
そうなのですか?
「例えば、一般に知られる竜王以上の存在を考えてみてください。新帝国建国記にも記された赤の竜神、王国上空を移動した地の竜王、世界を洗い流した海の龍王、そして空を飛び続ける空の竜王……いずれも竜王と呼ばれながら、異なる姿をしています」
そうですね……大きさから何から全て違いますよね。
「可能性としては私達は二つを考えています。一つは単純にそもそも元の種が違うというもの」
ああ、なるほど。
そもそも始まりが違うから、姿も異なると……。
「ええ、そして、もう一つが素体説です」
素体説?
「ええ、いわば竜王となった際に体を作り変えているというものです。ええと……そうですね、人で例えるなら竜王という存在になった時に何に乗るかを決めると申しますか」
何に、乗る?
「ええ、そうですね……戦闘機とか戦艦とか戦車とか……まあ、そういうものに乗ると言いますか」
ああ、普通の人じゃ勝てそうにありませんね、それ。
「ええ、まあ、ここら辺は説明が難しく……」
なるほど。つまりは……まだまだ竜という存在に関しては分からない事が多いという事ですね。
では、最後にお二方にお聞きします。
書ききれなかったので次回にて、この世界の人が竜の役割についてどういうものかを書きます




