第十八話:蒔かれた種
後の時代にこのような話がある。
あの時響いたあの声。
あれで動けたからこそ自分は助かった。そう話す者は多かった。
『今の内だ!早く逃げろ!!』
街が壊滅してゆく中、二体目の竜の出現である者は呆然とし、ある者は思考が飛び、ある者は絶望していた。彼らに一つだけ共通している事があったとしたら誰もがその足を止めていたという事だ。
だからこそ、あの時、あの声が止まった足を動かした、あの一声のお陰で助かった、そう語る者は想像以上に多かったのである。
そして、それ故に「あの声を上げたのは誰だったのだろう?」、そう考える者も、一言お礼をと願う者も多かった。
その結果として落ち着いた後、そうした民衆の声に押されたのと、英雄を得る機会と判断したのとで王国はあの声の主を探したのだが、遂にその声の主が見つかる事はなかった。いや、「それは自分だ」と名乗り出た者だけならそれなりの数に達したのだが……それらはいずれもが売名行為の偽者だと判明しただけだった。
……やがて、誰一人名乗り出る者も存在しなかった事から一つの伝承が生まれる事になる。
『その旅の魔法使いは崩れ落ちる街の姿に、逃げ惑う人々の姿に心を痛め、救助を行っていました。
ですが、竜の前に人に出来る事はたいした事ではありません。
しかし、そんな時です。もう一体の竜が現れたのは……経験が豊富だったが為に逸早く我に返った魔法使いは咄嗟に拡声の魔法を用いて己の全魔力を篭めて叫びました。逃げろ!と……。
その声で人々はまた足を動かし、逃げ出す事が出来ました。しかし、声を上げた故に竜に気付かれてしまった魔法使いは……』
そんな伝承。
推測に、他の人物の功績が混じり、一つの噂話となり、やがてそれは真実として世間一般に広がった。
大勢の人々がそれを真実と認識すれば、それが真相となり……今では「名もなき英雄」の伝承として残っている……。
だが。
誰一人として、真相に辿り着く者はいなかった。
まあ、これは仕方のない話でもある。竜に襲われて逃げ惑っていた人々の誰が新しく現れた竜がかけてくれた声だと思うのか。
これが連合王国であれば以前に自国を守護していた竜(と一般には認識されていた)であると気付いた者もまだ残っていただろうが、ここは連合王国からはそれなりに離れた国であり、そんな国の一般人がもう二十年以上も前に遠方の大国を離れた竜の詳細など知る由もない。
かくして真相は明らかになる事はなかったのだった。
もっとも当のテンペスタにしてみれば自分が将来そんな英雄に祭り上げられるとは予想も期待もしていなかっただろうが……。
そもそもそんな事を考えて動いた訳ではないのだから、それも当然かもしれない。
『アアア!!!!失せろォォ!!!』
「くそっ、やっぱし理性が吹っ飛んでるのか!!」
大地の竜王の吼え声に応えるように街から無数の建造物が剥がされ、上空のテンペスタへと飛来する。
幸いだったのは攻撃の隙を減らす為に剥がされた建物はテンペスタの直下のものであった事と、その前のテンペスタの声で慌てて逃げ出した結果、その建造物には人はいなかった、という事だろうか?さすがに新たな竜の真下に逃げてくるような奴はいなかったようだ。
一気に加速しかけた建造物改め瓦礫は急に速度を落とした。
大地の束縛が逆へと働き、空へと落ちていこうとした瓦礫はその矢先に静止がかけられた。
大気が高い粘性を発揮し、更に大地への干渉に更に干渉を加え、一時的に瓦礫は上昇を妨げられる。
直後に束縛を振り切り、一気に空へと落ちてゆく、が……既にそこにはテンペスタの姿はない。
元々突破される事前提だ。相手は地属性のみに特化して、何百年を生きてきた竜王。こちらは地水火風の四属性を持ち幼竜時代を含めてもまだ百年も生きていない若造。どっちが地の属性の扱いに長けているかなんて分かりきっているし、今の自分ではまだどうにもならないだろうという事も理解していたから、さっさと移動、回避していた。
的を捕え損ねた瓦礫はそのまま上空へと飛び去ってゆく。
だが、移動するテンペスタを追うように大地からは次々と瓦礫が噴き上がるように空へと舞う。
さすがに対象範囲が広がれば人の側も無傷とはいかず、建造物のみならず地面の石畳ごと巻き込まれて悲鳴を上げて空へと舞い上げられていく者もいるが、そこまで目を配っている余裕は今のテンペスタにはない。
《実際にどうやって治める?》
《殺害は除去》
《相手の力を削るのが第一段階、水上への移動を提案する》
《湖の上へと誘い出せば全力の力は発揮出来ない》
やはり、それかと認識。
水上へと誘い出せれば、いや水中へと引きずり込めば一気にこちらが優位に立てる。
しかし……。
建造物の一部を貫いて高加速で飛来する物体がある。
瓦礫は所詮瓦礫。
質量があるからこそ、テンペスタにも直撃すればそれなりのダメージ、いや動きを一時停止させるだけの効果はあるがそこまでだ。となれば……。本命となる高い攻撃力を持つ一撃をどこかで与える必要がある、が、そうした高い攻撃力を持つものは必然的に動きは大きくなり、外れた時には致命的な隙を晒す事になる。
大振りな一撃が幾ら攻撃力が高くても、当らねば意味はない。
だが、裏を返せば当る状況を作ればいい。
今、瓦礫に混じって飛来する鋭い礫もまた、その状況を作る為の攻撃。本命ではなく、フェイントに混ぜられた牽制。
すなわち。
(本命がどこかに隠れているはずだ)
小さいながらも竜の力の篭められた槍が飛来する。
回避。
至近を通過する槍が爆裂。
飛来する破片を迎撃。
この手は前回既に知った。
しかし……。
(地上の被害は拡大中、か……こればかりは移動位置を選ぶしかないな)
地上の建築物をこちらが動く先で動かしてくる、という事はテンペスタの移動する端から建築物が壊れていくという事でもある。
傍から見れば、まるでテンペスタが移動しながら街を破壊していっているように見えるかもしれない。
いや、事実当時の街の住人達からすればそうとしか見えず、後の記録を見る限り二体目の竜が街を次々と破壊してゆく描写が見られるのもまた事実だった。これもまたテンペスタが「名もなき英雄」の候補にも挙がらなかった理由でもある。
互いの行動を読み合い、攻撃を加える。
大地の竜王が攻撃一辺倒で、テンペスタは守勢に追いやられているように見える、だろう。人の目からは。
実際は違う。
地の属性の魔法は一部を除き、基本は物質的なものを伴う攻撃だ。質量を伴う為に、それ自体をも威力に加算する事が出来るといった利点がある反面、物体であるが故に速度が比較的遅く、視認しやすいという欠点もまた抱えている。
これに対して現在テンペスタが用いているのは四属性全てだ。
地の属性に関しては扱いにおいて勝てないと割り切ってはいるが、使えない訳ではない。
物体には同じ物体を当てる。完全に破壊できずとも、直撃する軌道を逸らす事が出来ればそれで十分。飛ぶ為の道を作り、すり抜ける。
水と風、二つの属性を混ぜ合わせ寒波として大地の竜王へと吹きつける。
湖の畔にあるこの街は水分はたっぷりと存在する。
熱を奪い、雹の礫となったそれらが風に煽られて大地の竜王に絡みつく。
大地の竜王が多数の瓦礫を巻き上げた攻撃をしてくるのは視界を塞ぐ為。いかに他の感覚でカバーしようとも視界と聴覚という感覚の二つを遮る事は大きい。
大地の竜王の見えやすい攻撃とテンペスタの見えにくい攻撃とが入り混じり、隙を伺う。
人では到底不可能なその激しいやり取りを交わす両者を見る者はいない。大地の竜王は頭に血が昇りすぎている状態は未だ解除されず――いや、その事は酷い目にあったテンペスタは重々承知しているのだが――周囲の事など気にもせず攻撃を行っているし、当然その相手をしているテンペスタだって周囲に気を配っている余裕なんてない。相手が年長の竜王だという事を忘れてはいけない、という事だ。
結果として、竜王同士の戦いの場は悲惨な事になっている。
大地の竜王が建築物を上空へと飛ばした結果、その場には建物の基礎部や地下部分だけが残り、次の瞬間にはテンペスタに迎撃されて砕かれた瓦礫の雨が降って来る。
中には結構な大物もある上に砕かれたものがぱらぱら降って来るというよりは、テンペスタによって迎撃された結果、勢い良く地面に叩きつけられると言った方が正しい。それらは容赦なく建物の基礎部分すら打ち壊し、突き刺さってゆく。
おそらく、この地にはもう人は暮らさないだろう。
大勢の人が亡くなったというのもそうだし、瓦礫の撤去だけでも大変なのに岩が深く突き刺さったような状況では残っている基盤の再利用すら困難。
それよりはこの街を解体して得た建材で近場に新たに街を作った方が良い。そうした意味でも、この街は最早滅び、消えてゆくのが決まった街であった。
無論、そんな未来の事を両者とも気にしてなどいない。
お返しとばかりにテンペスタが風の属性を用いた一撃を放つ。
瞬時に掌握された大気が叩きつけるような風となり大地の竜王を襲う。
見えないその攻撃を、風に混じる竜の力の気配で感知した大地の竜王はこちらもまた即座にこれを迎撃……。
その瞬間。
その迎撃が行われた瞬間、テンペスタは少しずつ溜めていた『それ』を解放する。
火の属性を用いて少しずつ集めていた『光』が一気に解放される――。
「!?」
大地の竜王の目と鼻の先で眩い閃光が炸裂し、轟音が轟く。
事前遮断していたテンペスタならともかく、さすがの大地の竜王も想定外だったのか体が揺らぐ。
いや、大地の竜王も風以外にテンペスタが何かをしている事も、それを自分に向けて放ってきた事も理解はしていた。
しかし、同時に大地の竜王はそれに篭められた竜の力が極めて小さなものである事を感知していた。感知してしまった。
攻撃に篭められた竜の力が大きければ大きい程、同じ竜へと与えるダメージは大きなものとなる。しかし、篭めすぎれば今度は拡散しやすくなってしまい、また敵にも気付かれやすくなってしまう、自分がばてるのが早くなると良い事ばかりではないので、その辺の匙加減が大事なのだが周囲から迫る風の槌の方が明らかに篭められた力は低かった。
当然だ、テンペスタがその光の玉に期待していたのは相手を打ちのめす為のものではないのだから……。
もし、大地の竜王が冷静な状態であれば気付いたかもしれない。
確かに篭められた力は小さかった。
だが、逆に言えば竜王同士の激しい戦いの最中にわざわざ力のろくに篭められていない何かを放ってくるのだ。普通ならば「何を企んでいる?」と警戒して然るべきだし、テンペスタだって相手が同じ事をしてくれば警戒する。しかし、それは今の冷静さどころか理性さえ殆ど吹っ飛んだ状態の大地の竜王には無理な話だ。
結果、見事にテンペスタの狙い通り大地の竜王の目の前で炸裂した一撃は一時的に大地の竜王から視力と聴力を奪った。
混乱し、頭を振る大地の竜王がその意識を目の前にいるテンペスタから逸らした瞬間、テンペスタが一気に加速する。
大地の竜王がその接近に気付いた時はもう遅い。そのままの勢いでテンペスタが体当たりをかける。
実は体自体で言えば、大地の竜王の方が大きい。
だが、体当たりをかけるつもりで自分から突進した側と、相手から目を逸らして、別の事に気を取られていた側とでは圧倒的に前者が有利だった。
結果、大地の竜王は弾き飛ばされる。
「かッ!?」
そんな一瞬の呻き声を上げて、片方は自ら片方は強制的に二体の竜王が飛ぶ。
大地の竜王もまた崩れた体勢を急ぎ立て直そうとするが……既に内懐に飛び込み、加速するテンペスタが邪魔でそれも出来ない。一旦崩れた均衡は僅かな時間では取り返せぬままに、両者は激しい水柱を上げ、湖へと突入した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「おお……おおおお!!」
二体の竜王がもつれあうようにして湖へと突っ込む時より時を少し遡る。
一人の男が慟哭していた。
ロドルフ統治官、この街を管理する責任者である彼は普段から几帳面なぱりっとした服装をしていたが、今はその面影もないボロボロの状態である。
いや、むしろこれでも運が良かった、というべきだろう。大地の竜王が真っ先に襲撃をかけたのはこの街の行政府。
統治官当人はジュール王子の為に虎の子の大型船二隻を出撃させた結果、巡回に支障を来たしている水軍の視察に出ていて不在だった為に一命を取り留めたものの、行政府にて仕事をしていた文官達はその多くが命を落とす事になった。
だが、それだけなら彼はここまで嘆く事はなかっただろう。
街として、統治官としてならば泣きたくなる損害だ。この街の事を熟知した経験豊富な下級官吏達をまとめて失ったのだから。
もし、彼が単なる統治官として嘆くのであれば、がっくり来る事はあっても慟哭までは至らなかっただろう。
彼が嘆いているのは人としての嘆き。
この街で生まれ育ち、この街と長年関わってきた彼には大勢の友人がいた。
仕事場では上司と部下、という関係であっても仕事が終われば友人としての付き合いが出来る連中が彼にはいた。
街中には立場を隠して赴けば、昔と同じく子供扱いするような食堂のおっさんや露店のおばさんが、幼馴染の中には親の店を継いで店主を務め、彼がこっそり飲みに行く隠れ家のような酒場があった。街には日常があり、それは彼が生きてきた日々でもあった。
その全ては瓦礫と化した……。
なまじ、行政府という組織が街の中央にあり(初期は街の外れにあったのだが街の規模が大きくなるにつれ街に飲み込まれていった)、その周辺が一等地とされていたのと、統治官の家に生まれた為に行政府近辺がロルフ統治官にとっては近所であり、知り合いが多かったのが災いした。行政府が攻撃された時、その巻き添えを食らったのである。
警備の者が止めるのを振り切って引き返したロドルフ統治官の目に写ったのは破壊された日常。
既に、彼は知り合いの遺骸を一つならず目にしていた。
ある者は体の下半分が押し潰されて、目を見開いて死んでいた。
またある者は殆ど傷もなく、瓦礫の上に無造作に転がされたように、けれどその目は死んだ者のそれであった。
そうして、そんな中ふらふらと途中で竜王同士の攻撃の余波で吹き飛ばされてボロをまとったような姿になり、ついてきた警備兵の一部を失いつつも屋敷へと辿り着いた彼が目にしたのは崩れ落ちた屋敷の姿……。
全員が死んだ訳ではなかった。
屋敷自体は直撃を受けた訳ではなく、行政府への攻撃の余波によって崩壊しただけだったからだ。
それでもその衝撃は凄まじいものだった。元々、地震などの少ない……いや、大地の竜王によって整えられた地、そしてその隣接する近辺に地震などというものは存在しない。したがって、この一帯の家屋には地震への備えなどなく、そこへ襲い掛かった激しい衝撃と余波は建物を倒壊させるには十分すぎた。
屋敷と呼べるだけの建物の倒壊だ。屋内にいた人々の大半は助からなかった。
僅かに助かったのは倒壊時に建物の外へと放り出された者や、運良く隙間に挟まった者、建物の外、庭にいた者などだ。
そうした内、特に庭師など傷の浅かった者が救助にあたったのだが……。
「何故だ……」
ロドルフの家族は助からなかった。
跡継ぎとなる息子は行政府で仕事をしていたはずだったが……行政府自体が木っ端微塵に砕かれた状況を見ては最早奇跡以外に助かる道があるとは思えなかった。
せめて妻と、遅くに出来た娘だけでも助かっていないかと一縷の望みをかけて屋敷へと戻ったのだが……。
「何故、何故彼女が、娘までが……」
自分ならまだ諦めもつく。
如何なる理由があれど、おそらく今回の竜王の襲撃の原因となったのは王子の乗った船。これまで襲撃がなく、わざわざ竜王の住処近くまで着いた頃に前後してこのような襲撃が起きたのだから、まず間違いない。その責任の一端は自分にあり、自分が吹き飛ばされたならまだ分かる。
息子もまだ覚悟は……出来ていたと信じたい。
竜王を怒らせた時、行政府が襲撃されたのは納得がいく。
だが、妻と娘は覚悟などなかったはずだ。
幼馴染の妻、年を取ってから生まれた娘。二人共政治には全く関係のない生き方をしていた。
けれど、自分が生き残り、二人は……無事だった者によれば、動ける者で救出活動を行う中で引っ張り出されたが、その時には既に息をしていなかったという事だった。
「申し訳ありません……」
「いや、お前達はよくやってくれた」
事実、執事や侍女らが壊滅状態の中、一番の古株で怪我の少なかった庭師の爺さんは皆をまとめて動いてくれた。
若い者が混乱し、屋敷内にいた執事らが不在の中で一喝、無事な者の内、一部は竜王を怖れて逃げてしまったものの、半数以上が残って救助にあたり、周辺の倒壊家屋からの避難民の受け入れと呻き声を元に瓦礫と化した屋敷からも救助を行い可能な限りの応急手当を施したのはあの混乱の中では絶賛して良い話だ。
そしてそんな中、二人も見つかった、という事だった。
「旦那様……」
「ここはよい。とりあえず見つかった物資だけでも集めて、皆に配ってやって欲しい。食べ物はあるか?」
「はい、鍋もありましたので炊き出しは可能かと」
「そうか、幸い竜達はどこかへ行ったようだ……今の内にそれらを背負って街の外へと移動しよう」
戻ってくるかもしれないから、とは口にしない。
言えば戻ってくるような気がするからかもしれない。
無我夢中で動いていた者達も、ロドルフ統治官という主が戻ってきた為にその指示に従って動く姿はどこかほっとしている。ようやっと指示を出してくれる責任者がいるからだろう。如何に緊急事態とはいえ、屋敷の物を勝手に使っていいのか、持ち出しても良いのか困っていた部分は確かにあったのだろう。
一通り指示を出したロドルフ統治官は二人の髪を手にし、ナイフで切り取る。
……二人の遺骸を持っていく事は出来ない。
今は生き残っている者を優先しなければならないからだ。如何に統治官の妻子といえど、例外はない。場合によってはこのまま埋葬すらされる事なく、野晒しのまま朽ちてゆく事になるやもしれない。……他の多くの遺骸がそうであるように。或いはこの街そのものが彼らの巨大な墓地と言えるようになるのかもしれない。
最後に妻子の姿をしっかりと自らの目に焼き付けた後、ロドルフ統治官は背を向け、歩き出した。
彼はこの街の統治官であり、この場にいる総責任者。だからこそ、彼には生きている者に対する責任があり、義務があった。
「竜どもめ……」
歩き出した彼の口から押さえきれぬ感情の篭った呟きが洩れた。
誰にも聞かれる事なく空中に溶けて消え、それ以上の言葉は放たれる事なく、だが彼の心の奥深くに響き渡った。
(俺は……貴様らを絶対に許さん!!)
お待たせしました
暑いと気力が削られますね……体調には気をつけないと
とりあえず、次は何とか最近更新停止している作品を上げたいものです
仕事?……考えても今は仕方ないので放置です。別支店への異動で済むかもしれないけど、その場合は通勤時間が一気に三倍になりそう




