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竜に生まれまして  作者: 雷帝
人竜戦争編
188/211

幕間:対海の龍王4

一日遅れました

 他国ではどうだっただろうか?

 実の所、まず陸軍空軍と海軍との駆け引きは他国でも変わらなかったが、実は、陸軍と空軍の主張はあながち否定も出来ない所に問題の根幹があった。


 『海を閉鎖されたのだから、これからは海軍艦艇の需要は減る。それなら海軍への予算を削り、陸軍と空軍に回すべきだ』


 これらは特に大型艦艇を多数保有する有力な外洋海軍ブルーウォーターネイビーを持つ国でこそ主張された。

 もちろん、沿岸海軍ブラウンウォーターネイビーを保有する国でもそうした主張はされたが、そうした海軍は基本、削れる部分は少ない。どうしても海に面する部分があれば海上を警備し、検査するのに一定規模の艦艇は必要になるからだ。さすがに彼らも全てを削れ、とは言わないし、言えない。

 しかし、外洋に関してはこれまでに比べ、海は遥かに不便になる。

 当然、海軍の活躍の余地は減るし、それなら削れ、というのも当然だろう。そして、海軍側がそれに抗うなら、海の龍王の討伐ないし譲歩を引き出そうと考えるのも当然と言えた。


 そうして、この動きは政界経済界にも波及した。

 軍があれば当然、それぞれの軍と結びつきのある企業。それらが政界に対して影響を持つ為に繋がりを持つ政治家や官僚がいる。

 海軍との繋がりが強い企業や政治家もいれば、他と繋がりの強い者もいる。

 これに単純に漁業関係者の不満に賛同した「市民活動家」や、それをネタに政権批判に動き出した野党やその支持者まで絡み、一気に流れは混沌としていき、真っ当な政治家が龍王との敵対は避けられないと悟って、当人達曰く「責任を取る為に」辞任し、活動家らに迎合する政権が成立した事で全ては決まった。

 



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




 「総員起こし!!全艦これより警戒態勢に入れ!!」」

 「総員起こし!全艦警戒態勢!!」


 戦場が近づいた事により、寝ていた者も叩き起こされ、配置につく。


 「艦隊の密度を下げろ」

 「艦艇同士の距離を開けろ。連携は取れにくくなるだろうが、一撃での全滅を避けるのが優先だ!」


 次々と指示が下されていく。

 戦場を想定している場所に近づいた事で、司令官の指示により艦隊を散らす。

 艦隊が密な陣形を組むのを密集陣形だとすれば、今取っているのは散兵戦術だ。

 航空機や艦艇相手ならばともかく、相手は竜であり、龍。そして、海の龍王だ。はっきり言ってしまえば、各国海軍の内、一定以上の規模を有する海軍の指揮官や参謀達は互いに通信による作戦会議を繰り返して、少しでも生還率を高めるべく動いていた。もっとも、最終的には「これが効果的」という陣形をまとめきれず、統一した陣形というものは決まらなかったのだが。

 既に命令は下された。

 艦隊は出撃し、戦闘は避けられない。

 ならば、どれだけ損害を極力抑えて、撤退するかが彼らの悩みの種だ。しかも、ここで問題なのは通常は集団でまとまって火力を高めるという手法が一切通用しない点にある。もし、これが航空機の大群というならば彼らとて密集していたのだろうが……。

 

 「……後はどれだけの攻撃が来るか」

 「神に祈りましょう」

 「竜神に祈れば、多少マシかもしれませんぞ?」


 最後の言葉、艦長がどこかおどけた口調で言った言葉に艦隊司令官に参謀長も苦笑を浮かべる。

 

 「ははっ、確かにそれはご利益がありそうだ――竜に仇なそうという我らの言葉を耳に入れて頂ければだが」


 そんな司令官の嘆きには全員が沈黙を保った。

 データリンクで結ばれている他の艦隊の動きを見れば、自艦隊と同様の陣形を取る所もあれば、あくまで旧来の陣形を維持する艦隊もあった。


 (確か、あの艦隊の司令官は下手に独自の陣形を取って混乱する危険を冒すよりは、経験豊富な旧来の陣形を主張していたな……)


 どうせ死ぬのなら、自分が納得した陣形を選択するのが一番だろう。

 そう思い、それ以上を口にする事はなかった。

 幾ら内心でそう思っていても、世の中には口にしていい事と悪い事がある。


 「各艦、状況知らせ!」

 

 命令に従い、艦隊の各艦から報告が入るが、特に戦闘に問題の発覚した艦はいなかった。無論、細かい部分まで粗探しすれば、何かしら見つかるだろうが、そんな事はどうだっていい。重要なのは各武器がきちんと作動する事、機関に問題がない事、食堂などはきちんと火を落としているか、医務室はちゃんと薬が仕舞われているか、といった点にある。それらがきちんと出来ているなら細かい部分は……まあ、目をつむれる範囲ならつむっていいだろう。

 

 「各艦異常なし!」

 「司令、艦隊全艦戦闘配備完了致しました」

 「よし」

 

 艦隊は着実に終焉の地へと近づきつつあった。

 艦隊消滅まで、あと2時間……。

風呂に入って、少し休んだ後から全身が痛い!という状況に

熱っぽいわ、体は全身が痛いわ……

いや、肩が痛い、太ももが、膝が、脛が、背中が!と、とにかく全身が痛い痛い……

というか、一晩寝て体調大分落ち着きましたが、他の部分はともかく肩と腰は未だめっちゃ痛いです……一般に言う肩こりの部分の肩ではなく、関節付近の肩ですね……

椅子に座ってるのも辛いです……という訳で、何とか書きあがったので痛み止め飲んで改めて寝ます……

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― 新着の感想 ―
[気になる点] この話だけ、サブタイトルに「対」ついてませんね(´・ω・`)
[一言] お大事に。
[一言] ウポツでーす。 体調改善優先でオナシャス!
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