第十六話:それは悲劇へと繋がる序章
「よいですか?くどいようですが……」
「分かっている、対岸を眺める程度で戻ってくる」
三日後、軍船が出航準備を整えていた。
ジュール王子は苦笑していたが、周囲からすればロドルフ統治官の気持ちも当然と考える者の方が圧倒的に多かった。
湖とはいえ、危険はある。
広大な湖ゆえに竜なら一飛びの距離でも、帆船ではそうはいかない。どんなに急いだ所で一日やそこらでは辿り着けない程広大なのだ、この湖は。
帆船の平均的な航行速度はおおよそ五から六ノット。
時速に直すとざっと八から九キロ程度。つまり丸一日走ったとして移動距離は最大で二百五十キロに満たない。……とはいえ、普通の湖ならば横断するには十分すぎる航行距離であり、どれだけこの湖が巨大であるかを示している。
逆に言えば、もし対岸近い位置で竜に襲われたとしても救援は間に合わない。
今回は遠距離である為、軍船といっても小型船は使えず大型船二隻のみ。湖賊相手ならこれで十分、というより軍船などという美味しくない獲物なぞ狙ってくる事はありえないが、竜相手には心許ない。
乗船するジュール王子の背を見送りながら、ロドルフ統治官は横に立つ人物に声をかける。
「……分かっていると思うが」
「はい、危険を感じる前、可能性の段階で即時撤退、ですね」
「………(頷」
軍船の船長達だった。
淡水湖ゆえ潮気というのは少し変かもしれないが、水上で生きてきた男達だった。
「お坊ちゃんには少しの冒険で勘弁してもらいましょう」
「坊ちゃんはよせ。そうした思考はつい口や行動に出る」
初老の船長の言葉に、注意を受けた中年と呼ばれる年頃に差し掛かった、けれどもまだ十分に若い船長は肩を竦めた。
「分かってるって、おもてなしはきちんとしますよ?」
「……ふん」
今回、王子を乗せるのは若い船長の船だ。
別段深い訳はなく、老人の船の方が古く、新しい船には貴賓室が設けられているからだ。老人の方が船の扱いに関しては上手である為、当初は船を移るはずだったのだが長年扱い慣れた船を変わるのを嫌い、断った結果今の船長が選ばれた。
老人曰く。
「俺はこの古女房で十分だ。若いもんは若いもん同士でくっつきゃあいい」
らしい。
無論、古いとは言っても手入れは行き届いており、整備も万全。
武装も新しいものへと更新されている。
最新式の船より一回り小型ではあるが、熟練の船を知り尽くした船長と船乗りによって操られる軍船は決して最新式のそれに劣るものではない。
ただ、サイズの関係で貴賓室のような貴人を迎え入れるような設備は有しておらず、それ故に今回ジュール王子を乗せるのは若い船長が引き受けた訳だ。……もっとも、これらは同時に万が一の時にどちらが足止めに残り、どちらが先に離脱するかを意味してもいる。
「まあ、何にも起きないさ。これまでそうだったじゃないか、爺さん」
「……そうだな」
苦笑しながら若い船長はそう言うと自らの船へと歩き出した。王子を待たせる訳にはいかないからだ。
老船長もロドルフ統治官をその場に残し、自らの船へと歩き出した。
歩きながら、ちらり、と最新式の大型船へと視線を向け、呟いた。
「……何にも起きなけりゃ、な」
そう呟きながら、老人は左腕で右腕の肘をさする。
……若い頃、当時湖を荒らしていた魔獣を討伐する際に負った古傷、何か悪い事が起きる前、決まって疼いたその傷が再び痛むのを感じながら。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
そして、その頃。
一体の龍が水底で体を起こした。
竜王の縄張りの中にある滝近辺を住処とするその龍は目が覚めた後、退屈そうに体を伸ばした。
この近辺では彼の遊び相手となるものはいない。
仕方のない話だ。通常の動物では彼の気配を僅かでも感じ取った瞬間に脱兎の如く全力で逃走してしまう。この地の自然と一体化した大地の竜王とは異なり、未だ動物としての気配を漂わせる彼は普通の動物達からすれば圧倒的格上の生物。
如何に捕食される事はないとはいえ、根本的な肉体面が異なるから遊ぶなど不可能だし、そもそも存在としての根幹が違いすぎる。
かといって、魔獣など長年存在する竜王の土地でいるはずもない。
故に何をするでもなく時間を過ごす水龍であったが……ふと首を伸ばした。
(……?……!!)
水を通じて、微かに伝わってきた感触。
覚えのあるその感覚を元に自らの記憶を探れば思い当たるのは先だって遊んでもらった一体の竜。
既に立ち去ったかと思っていたその気配に喜び勇んだ水龍は体をくねらせ、動き出す。
自らの感覚が示す方向へ、下流へ、そして湖へと……。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
湖の中でテンペスタは静かに佇んでいた。
周囲の豊富な水の属性を用いて自らの体の治癒を行っていた。人のつけた傷ならとっくに治っていたが、相手は大地の竜王、攻撃にもその竜の力がまとわりついており、それが食い込む形で傷の治癒を妨げていた。
この為、まず水の属性でもって傷口を洗い流し、それから治癒を行っていたがこれが予想外に時間がかかっていた。
(……慣れていないからな)
ここまで深手を負ったのは生まれて初めてだった。竜王級とやりあった事自体が初めてなのだから、当然と言えば当然かもしれない。
ある意味貴重な経験ではある。……余り体験したい事ではないのは確実だったが。
それでも数日もかければ傷も癒える。自らの属性がなければもっと時間はかかるだろうが、そこはテンペスタは全属性持ちの竜。水の中だろうがどこだろうが己の属性には不自由しない。お陰で治療は順調に進み、本当ならば今日の内にでも出発するかと思っていたのだが……。
「なんで、こんな時に人が来るんだ」
大型の船が二隻、対岸の港街からやって来ていた。
単なる漁師の船なら無視して離脱していたかもしれない。
だが、これは違う。
船の大きさは小船と呼べるようなものではないし、そもそもそんな小船でこんな遠方までやって来る事はない。この湖は魚も豊富であり、ここまで来ずとも真っ当な漁をしていれば獲物に困る事はない。となれば、当然街から近い方が新鮮な魚を持ち帰れるし、その方が高く売れるし、家にだって早く帰れる。
とはいえ、この方面にやって来る漁船は存在している。
そうするだけの理由があるからだ。
一部の魚類は強い属性を好む。
大地の竜王とはいえ湖と接している以上、そして大地に生きる者達にとっても水が不可欠である以上、湖にもある程度はその支配領域を有している。
その整えられた流れを好む魚類……正確には魚型の魔獣が存在している。
これで何の価値もないなら人も放置していただろうが、これら魔獣というのはいずれも人の間では高い価値がある。素材に需要があるのに、市場に出回る量、供給が少ないからだ。そうなれば必然的に価格は高額になるし、高く売れるのであればそれを専門に狙う連中もいる。ましてや、この湖の魚型の魔獣は海に比べると、そこまで危険性の高いものは少ない。……あくまで比較すれば、だが。
とはいえ、テンペスタが知らなかったのにはちゃんと理由がある。
魔獣を狩るのは大変であり、幾ら方法が確立しているこの湖の魔獣でも専門に狩る者はそう多くはない。そして、一度狩れば船団で割っても一月は暮らせる、逆に言えばそれだけ狩るのが大変な訳だ。
そして、万が一の事を考えれば一隻より二隻、二隻より三隻の方が安全度は増すので小規模なら船団でやって来るが、その際しばらく停泊してある程度まとまった数を狩ってから帰還する為、頻度で言えば三ヶ月に一度といったペースだ。
……その程度しか来ない船団にテンペスタが着水した際の大規模な水飛沫を目撃されたのは運が悪かったとしか言いようがない。
『ふむ、この辺りかね?』
『確認出来ている限りではその通りですな』
観察している内に甲板の上に一際立派な服装の人物が見えた。
空気と水、双方を介して声を聞く。ちょうどいい暇潰しとなるので。
見た限り、どう見てもその服装は船乗りのそれではない。傍らにいる人物の服装がそれなりに立派なものではあっても船から落ちた際に泳ぎやすいようすぐに脱げるように工夫されたものであり、また動きやすさを前提としているのとは対照的だ。あれでは船が沈んだり、もしくは船から落ちたりしたら服が泳ぎを邪魔して溺れかねない。
逆に言えば、それが許される人物だという事。すなわち船にとっては客扱い。
(……軍船に客として乗れるんだしなあ、それに身につけてるのって何か高いものだよな)
知識としては知っている。
何せ、キアラもアレコレと持っていたというか、持たざるをえなかった。
何しろキアラは人であり、王都で暮らしている以上付き合いというものがある。
純粋に仲良くなった人というのもいたし、或いは招待された以上行かざるをえない相手というのもいた。そんな時、冒険者らしい実用一辺倒の格好で行く訳にもいかない上に、毎回同じものを着て、毎回同じ装飾品をつけていく訳にもいかない。そういうのは女性は目敏く気付く。
必然的にドレスだの、装飾品だのが増えていったものだった。
必然的にテンペスタの目も肥えていった。特に初期においてキアラの相談役はテンペスタしかなく、テンペスタもキアラが恥をかくのは避けようとした。となれば、テンペスタもそうした事に詳しくならざるをえなかった。適当に「似合ってるよー」というだけではよろしくないのは言うまでもなく、それに綺麗なものを調べるのはそれはそれで楽しかった。
それに従えば、連合王国の貴族が身につけていた物と比較するならば、それなりに上位に位置する服装とテンペスタは判断した。
(前の国でいえば伯爵ぐらいかな?)
その判断は正しい。
連合王国は大陸全土でも有数の大国であり、このエクラリエ王国は多数の中堅規模の国家の一つである。
エクラリエも小国という程には小さくないとはいえ、年を取ってからのキアラが招かれていた頃の連合王国の宴、大陸有数の国家の上層部の宴で王家やそれに連なるような高位の貴族達が身に着けていた物と比べるのは酷というものだ。
しかし、いずれにせよテンペスタにとって重要なのは乗船しているのが貴族でも何でも別に構わない。
キアラがいた当時ならば、多少気にしただろうが、今となっては王族だろうが貴族だろうが干渉してこないなら別に構わなかったからだ。テンペスタ自身が宝石や装飾品で身を飾るような趣味もなかったし。
だから、だろう。
それの接近に気付きながら、その意味する所に気付くのが遅れたのは……。
(ん?これは……)
急速に接近する水の属性の気配。
その気配にテンペスタは覚えがあった。
(あの時の水龍か)
一瞬、大地の竜王の事が脳裏に浮かんだが……すぐに振り払った。
今、彼らがいるのは水中である。
大地の竜王が水の属性を持たないのは、テンペスタが水に没した際に追撃がなかった事からも明らかだ。もし、水の属性を多少なりとも持っていれば、間違いなくあの時の、あの竜王の状態では水中のテンペスタに対しても何らかの攻撃を加えていただろう。水の属性を持たないからこそ、水の中へと姿を消したテンペスタを追う事が出来ず、追い払ったと見たのか倒したと判断したのかは分からないが追撃を行う事なく、帰還したのだろう。
それならば、水の中でなら水龍と遊んだ所で大地の竜王から見える事はなく、またヒステリーを起こされる事もあるまい。
そう、テンペスタは判断した。
……そう、水龍とテンペスタだけならば、それは正しい。
そして、テンペスタはこうして下位の属性竜にじゃれつかれる、という経験が極めて少ない。火竜などは怒り狂っていたからそんな余裕などなかったし、暴食竜は飢えに苛まれていて食事以外の事を考える余裕など存在しなかった。
他の下位竜との接触も多々あったが、子猫か子犬がそうであるように遊ぼうとじゃれついてくる事は……子供の頃の弟や妹達を除けば経験がなかった。
そして水龍はテンペスタの方向へと距離を詰め……その近くにある見た事がない物に気付いた。
故にちょいと寄り道をして、水面に姿を現したのだ。
そう……軍艦の傍に、だ。
水龍はただ好奇心を抱き、浮かび上がっただけである。
下位とはいえ属性を持つ龍である為にわざわざ食事をする必要は感じず、生き物を食う気もない。
だから、首を伸ばして甲板にいた一人へとその顔を近づけたのも純粋な好奇心からのものでしかなかった。断じて、これが美味そうとかそういう考えで近づいたのではなく、似たり寄ったりの姿格好をしている者達の中で二人、明らかに異なる姿をしている者達に興味を持った。そうして、僅かに首を振った水龍は……よりキラキラした目立つ方へとまず顔を近づけた。
ここで不運が幾つか重なった。
テンペスタは問答無用の竜への攻撃、というものから昨今長らく離れていた。
貴族貴人に下位竜が近づくなどという事は実際には滅多にある事ではない。長らくそんな場合は既に飼いなさらされた、そういう事が可能な種か、もしくはテンペスタが警戒していたものだった。
だが、それは連合王国、それもテンペスタがいた最後の頃の話……。
エクラリエ王国はそのような経験は殆どない。
ましてや、軍船の兵士や船長達はロランド統治官より幾度も念入りに「万が一の場合は」「危険が近づいた段階ではなく、可能性がある段階で…」と念押しされていた。
そこへピリピリと張り詰めていた警戒を行っていた近衛達が加わり……。
『いかん!!殿下をお守りしろ!!』
そんな声が上がったのは当然の話だったかもしれない。
素早く駆け寄った者達が王子と龍との間に盾を持って割って入り、王子の姿を隠すと同時に王子を素早く担ぐようにして部屋へと連れ去る。
ついその姿を追う水龍だったが、それをジュール王子を狙っている!と判断した者達は攻撃を開始するに至る。
『撃て!!』
それでもそれが船に装備されたものならそこまで大きな問題とはならなかっただろう。
ここの軍船に装備されている武装の大半は連射性にこそ優れているものの、小型の兵装である。
理由は単純、彼らが相手どる主な相手は湖賊であり、人。船も超ド級ではなく、小型の軽快なもの。
そんな相手に大型の取り回しの悪い武器など、幾ら当れば大きいとはいえ、向いていないのは誰だってわかる。
もちろん、大型の武器が必要な相手もいるから、一定数の装備は為されている。が……今回の場合は、近すぎた。この為、現在接近されている船のそれは取り回しの関係で水龍を狙う事が出来ず、かといって随伴船の側からは狙いが外れれば、間違いなく仲間の船に当る、という状況。この状況では下手に撃てる訳がない。
結果として、人側が選択したのは魔法であった。
『これだけの龍だ!通常の魔法は通じんぞ!』
『分かっている!痛手を与えようと思うな!!それ以外を狙え!!』
『了解!!【ショック】!!』
魔法使い達が選択したのは電撃系の魔法。
これらが幾本も水龍を襲った。
……ダメージは咄嗟に放たれた魔法であった事もあり、ほとんど通らなかった。
だが、電撃系は痺れは感じる。本来なら、副次効果として麻痺をもたらすのも電撃系の魔法の効果なのだが……麻痺と呼べるまでには通らなかった。
それでも感じる違和感、更に電気故のピリッとした感覚を嫌い、水龍は体を捻り、声を上げる。
それを効いている!と考えた魔法使い達は今度は時間をかけて、複数同調による魔法行使を行う。
『よし、効いているぞ!!』
『同調せよ、このまま追い払え!!』
【ライトニング】
先程までの電撃とは異なる太い電撃の束が水龍を襲う。
当然、それに感じるピリピリとした痛みや痺れもより大きなものとなり、水龍は暴れ……結果として船にもその体がぶつかり、揺れる。
人から見れば激しい戦闘、竜からすれば……子供に対して嫌がらせをする集団としか見えないそれにテンペスタは呆気に取られていた。
属性竜の場合、縄張りから出て行けばまず追われる事はない。下手に縄張りに入ってしまった場合、さっさと逃げ出すのが一般的な行動だ。基本、水に生きる属性竜は穏やかな種が多く、即座に攻撃してくる種は海に生息するごく一部。殆どは逃げ出せばしばらく興味を持って追って来る事はあっても攻撃を仕掛けてくる事はない……。
が、それは水の属性竜と長年共存している地域の話。
そうした地域には生活の知恵として、水の属性竜への対応方法が伝えられているが、この地域で竜と言えば大地の竜王。水の属性竜への対応など知るはずもない。
加えて、王子が乗っていたのも災いした。
……船長はとっとと逃げ出そうとしていた。彼らは魔獣でさえ危険な存在である事を知っており、逃げながら追って来るなら足止めの為の攻撃もやむをえない、ぐらいの感覚であったがその前に王子を守る為に近衛が先走ってしまった。
それに加えて、互いの立場というものが邪魔をした。
近衛は基本、貴族から選出される。
一方、水軍は船長含めて平民の出身だ。船乗りの腕ばかりは貴族、平民関係ない、という事もあるが、基本この地の軍船は統治官によって間接的に雇われた者達によって運営されている現地雇用形態。
今回王子から特に許されて(近衛に水の上の事について説明出来るような者がいなかった、というのが最大の理由だが)船長がジュール王子に直接話をしていたものの、基本貴族の行動を平民が咎める、というのは難しい。王子を守る為の行動とあれば尚更だ。
そんな動きが遅れた彼ら同様、反応の遅れたテンペスタは気付かぬ内に平和ボケしていた自らに怒りを感じつつ、水龍に向けて力を飛ばす。
正確には水龍周辺の水と大気に対して、だ。
これによって電撃系魔法を防ぎ、水龍を水中へと避難させる。
とはいえ、そう簡単な話ではない。
混乱して暴れる子供を怪我をさせないよう、そっと押さえてその場から引き剥がす、というのは案外難しい。相手とて属性竜であり、こちらの行為に対して無意識レベルで干渉妨害をかけてくるから尚更だ。溺れてパニックになり暴れている相手に手を伸ばしているようなものだ。如何に相手が子供で、こちらが大人。加えて大人には足がつく程度だったとしても……てこずる。
そして、その僅かな時間が手遅れへと繋がる。
(……!しまった)
人には見えないだろう。
だが、テンペスタにはここからでも分かる。
……湖岸の砂が盛り上がり、砂から土へ、土から岩へ、更に体を形成してゆく……。
《オオオオオォォォォォ……ン》
人の感覚からすれば突如として響いたように感じたであろう怒りを感じる声。
……大地の竜王の顕現だった。
どうもお久しぶりです
季節のかわりめなのが悪いのか、自分のうっかりが悪いのか体調崩し気味です
……いや、雨が降るんで窓閉めたら蒸し暑いからとクーラーつけたはいいが、タイマーもセットせずにそのまま寝込んでしまった自分が悪いんですが
最近、雨多いですね
皆さんも体調にはお気をつけ下さい……と夏風邪引いて寝込んでしまった身より




