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竜に生まれまして  作者: 雷帝
人竜戦争編
152/211

ある宇宙の一角で9

今回は話し合い

次回から予定通りいけばまた暴れるはず

 「お前が雇った相手だったのか」


 久しぶりに会った叔父はどこかほっとした様子だった。

 後で聞いてみれば、喰われるのかと思っていたそうだ。死ぬのは怖くはないが、食い殺されるのは嫌だな、と思っていたらしい。……叔父上、もし人を襲うとしてもわざわざ城の中まで押しかけて、一番警戒厳重な相手をわざわざ狙ったりはしないと思いますよ。

 しかし……。


 「叔父上、何故、言ってくれなかったのです」


 叔父上の真意を聞いて、私が思ったのはそれだった。実際、周囲の近衛騎士達も当初の殺気立った顔から、どこか困惑した表情になっている。多分、彼らの身内は一部はともかく極力怪我をさせないように保護していると言われたのもあるのだろう。叔父上に味方した貴族達には「人質」と言っていたようだが。

 もし、叔父上がこの事を先に言ってくれていれば……そう思ったのだが。


 「歴代の王達が同じ事を考えなかったと思うか?」

 「………」


 叔父上は先程、歴代の国王は国を発展させる為に出来る限りの事をやって来たと言っていた。

 ……それはつまり、放蕩貴族や領地に重税をかけるような貴族をどうにかしようとしてきたが、現状を見れば分かるように出来なかったという事でもある。

 

 「何故出来なかったんですか?」

 「そう難しい話でもなんでもない。国全体で見れば、連中の方が数が多かったというだけだ」


 これが平民なら仕事をしなくては生きていけない。

 しかし、貴族はそこまであくせく働かなくても生活する事は出来る。

 そんな時に、あくまで他人である領民や領地の事を考えて真面目に働く事が出来る者と、楽に流れる者とどちらが多いか。そう問われると後者の方が多いだろうと私でも分かる。


 「これがまだ、自身ではあまり働かなくても有能な家臣にきちんと仕事を任せる、有能な怠け者なら問題はない」


 しかし、現実にはそうではない。

 もちろん、上が真っ当ではなくても下の有能な部下が懸命にサポートする事で何とかなっている領地もある。

 だが、そんな領地というのは代々の、最低でも先代先々代辺りまではまっとうで有能な領主だったのが現当主になってから……といったケースが多い。先代先々代に見出され、抜擢され、恩義を感じる者達が現当主を見捨てる事なく仕事をしている訳だ。

 そして、問題がある領地というのは代々領地の発展を怠って来たという領地が実に多い。

 

 「結果、今のこの国は発展している場所と、そうでない場所の格差がどんどん広がっている。発展していない領地の者達はそこで食っていけないからと発展した領地や王領へと流れ込み、場合によっては村自体が不作で、領主からの支援も得られないせいで流民になったという話もある」


 お前達はうまくいっている王領しか見ていなかったから分からんだろうが、と叔父上は溜息をついた。

 叔父上自身も昔は知らなかったが、実際に領地を治め、そこで成功したからこそ知った事なのだそうだ。


 「なにせ、私の領地にもそうした流民達が流れて来たからな」


 住んでいた土地を離れて暮らす事は大変だ。

 それでもそのまま死ぬよりは、と土地を離れ、結局はスラムと化す。

 そんな叔父上の言葉を聞いていた私は悩んだ。

 叔父上のやった事は確かに問題だ。父を殺した事も完全に許す事は出来そうにない。だが、叔父上は叔父上なりにこの国の事をきちんと考え、その上で行動していた。だからこそ、叔父上に味方する真っ当な貴族達もいた。

 私はどうすれば……。


 「おい」


 悩んでいる私達に突如声がかけられた。

 いや、王族同士が話をしている場に平然とこんな口調で話しかけられる相手などこの場には一人、いや一体?しかいない。

 そちらを見れば、案の定テンペスタ殿だった。


 「それでお前達は何がしたいのだ。早く帰ってくれ」


 酷く迷惑そうな声だった。

 そんな場合ではないのに思わず笑ってしまった。叔父上はきょとんとしていた。


 「なんだ、その、雇ったのではなかったのか?成功報酬として何かしら領地でも約束したのかとも思ったが」

 「領地……ええ、まあそう言えない事もないですね。この辺りで今まで通り静かに暮らす、というのが対価として相応しいのかと言われたら私としては疑問なのですが」

 「……金銀でも、豊かな領地でもなく?」

 「そんなものはどうでもいい。というより邪魔だ」


 きっぱり言い切るテンペスタ殿にどこかすがすがしい気持ちになった。


 「結局、お前達はどうしたいのだ。聞いていれば大体想像がつくが、その新王とやらの首を掲げて、国を泥沼の内戦とやらに放り込むのか?それとも、色々な気持ちは一旦封じて協力するのか?そのどちらかであろうが」


 もっとも、そんな気持ちはそう言われるまでだったけれど。

 ……叔父上を討ち取る事が内戦に?どういう事? 


胃腸の調子が悪いので色々調べて、梅湯流しとかいうのを試してみようと色々買い込み

……現在絶食45時間。水分は取ってましたけどね

塩分タブレットなんかは食い物に入るのだろうか?

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