後始末
会社の健康診断にいって、久々にバリウム飲む事になりました
X線撮影が終わった後で渡されたものが「下剤」……バリウムって消化されんからって今はこんなん渡されるのね
そして、効きすぎました。ええ
一連の事件を後に「第二次人竜事変」と称する事になる。
この事件において、軍へは粛清とも言われる程、厳しい処罰が多数下る事になった。
一つには事件の発端となった最初に発砲した空軍中尉が既に故人であった事に加え、当人が守ろうとした親家族に親戚に至るまで親しい者は軒並みあの攻撃で消し飛んでいたからだ。無論、遠縁の者や、割と近い血縁ではあったが遠方に引っ越して疎遠となっていた者というのはまだいたが、さすがに彼らに責任を負わせるのは法的にも問題がありすぎた。
更に止め損ねた隊長と同僚の二人だが、こちらもまた既に戦死していた。
もっとも彼ら二人の、地の竜王の攻撃後の言動などから「このまま生き残っていた場合、彼らに少なからぬ責任を負わされる」というのを悟っていたのではないか、と後に公開された通信記録から語られる事になる。そして、おそらくそれは事実だっただろう。だから、彼らは戦死という家族に迷惑をかけない道を選ばざるをえなかったのだ、とも。
「あいつら逃げやがった」
なんて罵り声を上げたお偉いさんがいた、という都市伝説が後にまことしやかに語られた程だ。
もっとも、そんな話が流れるぐらい当時の軍上層部は大きな打撃を受け、まず軍の文官組のトップである軍務大臣が辞任。
更に実務の総責任者とも言える軍務次官含め、幾つもの部署の責任者が辞任に追い込まれたり、左遷された。
無論、制服組もそれは変わらず、国民の間にヒステリーを巻き起こしたとも言われる程の大混乱はこの後十年以上に渡って国の軍と経済、政治に外交、すなわち全てに大きな打撃と混乱を招く事になった。この間に他国からの干渉がそこまで大きくなかったのは、他国もまた当事者たるこの国程ではないにせよ混乱したからだと言われている。
この国の軍事力というのは中央大陸を除いた各国の中でもトップクラスと言われていたし、それは事実だった。
だが、それが竜相手にはまったく意味を為さないという現実を目の当たりにして、各国共中央大陸や竜、そして龍に対する考えを改めざるをえなかったからだ。
これまで、竜に関してはほとんど伝説の域だった。
確かに中央大陸に関しては色々前の大戦の時の事件も含めて、話は伝わってはいたが、生憎送り込んだ国は敗戦し、多数の資料が失われた。
結果として、当時撮られた希少な映像などは皆無で、僅かに作戦に参加し、戦後も生き残った軍人による回顧録や、ごくわずかに残った写真のみが残されており、どこかに「誇張なのではないか?」という考えが世界には広まっていた。
仕方ないと言えば仕方ないだろう。
世界はまだ、「竜も生物」だと考えていたからだ。
だから生物学者達はこう言った。
『生物的にありえない』
そうして、その主張を物理学者など他の学者も「物理法則を無視している」「ありえない」と断じていた。
それら全てが今回引っくり返った。
疑おうにも多数の映像があり、データがあった。
それでもあくまで否定する者がいないでもなかったが、大多数はそれをきちんと受け取り、考えた。
やがて、彼らが下した結論は二つ。
『理解不能』
『より高位次元に本体を置く存在』
はっきり言ってしまえば、「現状では理解不能」というのが一番正しいのだが、後者は「それでもあえて言うなら可能性として」あげられたものだ。
さて、そんな生物?がこの星には存在している。
一部は空を自由に舞い、自国上空も普通に通過している。
更に一部は海にいて、今は中央大陸近辺にいるが、何か用件があれば大陸から離れて行動する事もあるのは今回の一件で分かった。
当り前だが、どの国も「龍・竜も仮想敵」として設定していた。存在している以上、敵対する可能性も考えるのは当然だ。
そして、これまでの作戦なんかが全部無意味である事が今回の一件で分かった。分かってしまった。
「もう、どうにでもなーれ」
と、投げ捨てる事が出来たなら楽だっただろう。
或いは。
「やはり、竜神様!」
と、聖竜教のように崇拝の度合いを深める事が出来たならもっと楽だっただろう。
生憎、ほとんどの政治家や軍人はそうする事も出来ず、また経済人はこれを機に新たな兵器開発を提案するなど動きが活発化する。
そして、これだけの戦力を抱える相手が存在する以上、いくらこれまで大国と看做されていた国の一つが大混乱に陥ったからとてそれに乗じて、という事にはならなかったのだ。
何故ならば。
より巨大な国家とでも呼ぶべき相手が出現したのだから。
遅くなりましたが、アップです
前書きに書いた通りの状況で、帰ってしばらく横になってるしかありませんでした




