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竜に生まれまして  作者: 雷帝
人竜戦争編
124/211

本体と分体のそれぞれ2

 風と地は手を組んで水に対抗する道を選んだ。

 そうするしかなかったとも言う。

 風と地、そして水。前の二者と、後者には決定的な違いがあった。前者は生ある者達を保護しようという意識が……片方には多少問題があったかもしれないが、とにかくあった。

 これに対して、後者にはそんな意識はない。水にとっては滅びこそが解答であるからだ。


 こうなると、水の三凶はテンペスタと地の三凶、双方にとって共通の敵となる。

 おまけに全力で力を振るい放題な水に対して、周囲への被害を考えて動くテンペスタと地はどうしても後れを取ってしまう。

 そして、馬鹿ではないどころか頭自体は物凄く良い水はそれを理解して、彼らの動きを封じる。そう、例えば文明を築きつつある恒星系を故意に戦場としたりする事で、一方的に消耗を強いるといった事をしてくる訳だ。


 「拙いな」

 『こちらの消耗が激しすぎるのであるな!!』


 数は二対一。

 しかし、力の消耗の度合いで言えばこちらが十、二十と消費せざるをえない間に、相手は一使っているかどうか。

 例えて言うなら、現在の状況は住宅街で火炎放射器を振り回す水の三凶に対して、消火作業をしながら松明で攻撃しているようなものか。ただでさえ消火活動だけでも大変なのに、手持ちの松明が火災を起こさないよう注意しながら振り回す必要まである。

 

 『このままでは……我が至上命令が果たせぬのである!!』

 

 故に!

 ち、地の三凶がテンペスタへと意識を向けてくる。


 『最後の手段を提案するのである!!』

 「最後の手段だあ?」

 

 一体何を言い出すんだ、と思ったテンペスタの思考は次の瞬間。


 『合体である!!!』


 一瞬、本当に一瞬の事ではあるが。

 思考が停止するという感覚を何百年か何千年かぶりに味わう事になった。

 だから。


 「……はあ!?」


 妙な声が出たのも仕方ないのだろう。多分。




 ――――――




 とりあえず優勢な様子なので今は過去に意識を飛ばしていられる。

 まあ、生身の者同士で戦う限り、科学に重点を置き、魔法を忘れた他大陸の兵士達では中央大陸の住人達には敵わないだろう。こちらの出番はもう少し後だ。……慌てて海上から空からの攻撃も試みてきたようだが、当り前のように弓で射落とされている。

 地上近くに降りてくれば機体そのものが。

 弓を怖れて上空から爆弾を落とせば、地面に到着する前に爆弾が射抜かれて、空中で爆発している。連中もまさか、剣や槍、弓で武装している相手が他大陸の住人とはかけ離れた戦闘力を持っているとは予想だにしていなかったのだろう。

 その力の原因の一つが竜との混血。

 その大本の原因は……我が妹竜ルナにある。


 あの竜と人との戦争の最後の局面。

 我が妹竜が人の世界で名乗っていたようにハイエルフなのどではなく竜王の一体だという事を人族は知る者は王国の王だけだった。

 周囲に人族は他にいなかったし、声を聞く事も出来るような状況じゃなかった。王当人もまさか長年国の中枢近くにいた王宮料理長が竜王だった、と明らかに出来なかったのだろうし、結果として人族は今でもルナの事を最後のハイエルフだと彼らの歴史書にて伝えている。

 しかし、竜は違う。

 あの時、火の竜王以外にも知恵ある竜達はいた。

 彼らはルナの事をその時に知った訳だが、それは色々な意味で衝撃的だったようだ。


 『そんな形もありなのか!!』


 これまで竜王=色んな竜としての形と思っていたのが、人型もありだと分かった。

 そして、人型というものになるのには時間がかからない。

 竜から竜王となる際に時間がかかるのは大きな体を作り直すのには莫大な属性が必要となるからだ。

 だが、小型に圧縮するなら、人型になるのならばそこまで長い時間はかからない。事実、ルナは生まれて二百年足らずで竜王となった。まあ、こちらも年齢的には似たり寄ったりだが、それは反則技というか命の危険と隣り合わせというか……本来はやるべきではない手段を緊急時もあって取った結果だった。

 

 さて、竜が人型になる意味はというと……五百才程度の若い竜というのはまだ感情が豊富だ。

 これが千年二千年となってくると自然に帰って行ってしまう訳だが、ボルシオン火山で生きて来たような人と共に生きて来た竜の中には人と恋愛感情を抱く者が案外いた。単純に長年人と共に暮らしていれば、そういう感情も抱くようになったというべきか。

 で、そうした連中が人型となる道を選んだ。

 そこから……何だ、ブームとか流れとかいうのかね?人が食ってる美味いものを自分も腹いっぱい食ってみたいとか(竜の大きさでは味見程度にしかならん)、人族がやってる事(焼き物や料理そのもの、細工や釣りなど)が面白そうだから自分達もやってみたいとか……とにかく、次々と竜達が人型になっていった。

 ただ、な。

 人型というのは拡張性が低いんだ。大型の竜型に対して。

 おかげで、今では中央大陸では本物の竜王は自分だけ、みたいな流れになってしまったよ……。  

普段は健康考えて、節制してるんですが、たまに健康に悪いような食べ方とかしたくなるんですよね

という訳で、休みの二日連続で大盛でラーメン食ったり、炭酸飲料リットルで飲んだり、菓子食ったりしてました

いやまあ、部屋の整理というか主に本の整理もやってましたけどね……本多すぎる

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