結局こうなる
どうも、東方転妹録最新話です!
えー、今回はギャグです。
もう一度言いますギャグです。
サバゲーで疲れた末に生まれたギャグです。
身体中に銃創作って産み出されたギャグです。
それでは楽しんでいってください!
ゆっくりしていってね♪
ーーーーー数十分後、紅魔館広間。
ーーーーside 幽香
長く生きていると、よく分からないことが起きることがある。
例えば突然元気だった花が枯れてしまったり、妖精が悪戯したわけでもないのに木の枝が折れたり……。
しかし大概はそんな些細なことでしかなく、印象に残るものではない。
……今、目の前に広がる原因不明の微笑ましい光景を除いて。
「さとり! パスッ!!」
「……しかと受け取りました、レミリア!」
「お姉ちゃんお姉ちゃん! 後ろに来てるよ! こっちに寄越して!!」
「わぁぁぁぁぁぁん!!!? 私の『ドロワーズ』返してよぉ!?」
遂に私達の本拠地ーー広間に乗り込んできたレミリア達が、フランのドロワーズを持って逃げ、その後ろを猫耳を付けたフランが必死に追いかけている光景はもう二度と見ることの出来ない…………見ることの、出来ない……出来ない…………何故だろう、紅魔館に来れば頻繁に見れそうな気がした。
ーーーーー数十分前、紅魔館エントランス。
ーーーーside フラン
私を包み込み、同時に玄関を駆け抜けようとする闇の奔流。
咄嗟に身をかばうように前に突き出した片手が、一瞬にして闇の中へ消え見えなくなる。
そのあまりにも突然のことに驚いた私は、反射的に突き出した片手を握り締め、闇全体へ向け能力を発動してしまった。
「キ、キュッとしてドカーン!!!!」
ーーパァァァァァァァァァァァン!!!!!!!!
「ぐぼわはぁっ!! なのかー!!!?」
「えっ!? あっ、ル、ルーミア!?」
私を包み込み、紅魔館の中へと駆け抜けていた闇が一瞬にして霧散し、同時に私の後ろの方からルーミアのなんとなく変な悲鳴が聞こえてくる。
慌てて後ろに振り向くと、闇の始めの部分に同化していたのか、比較的玄関の扉から遠い位置にいた文お姉さんの足元でルーミアが俯せになって倒れていた。
ルーミアに向けて能力を使ってしまったのか…………その事実が一瞬私の足をすくませ、その間に文お姉さんが素早くしゃがみこみ俯せに倒れるルーミアに話し掛ける。
すると、こちらに聞こえない声でボソボソと話しだし、ルーミアが懐から何かを取り出して文お姉さんに渡していた。
「……成る程、確かに受け取りましたよルーミアさん。 では、妖夢さん! 少しこちらに来てくれませんか?」
「えっ!? は、はいっ!」
突然の召集に驚きながらも妖夢は文お姉さんの側へと行き、再びぼそぼそと会話が始まった。
そして何故か話している最中に段々と頬を赤く染めていった妖夢に、文お姉さんがルーミアから受け取った物とは別の物を懐から取り出して渡す。
今度は、しっかりと私からもその物を見ることが出来たけど…………。
「あれは…………猫耳? な、なんだろう、かなり嫌な予感がするや……」
「妹様、周りからすれば幸せの予感だと思いますよ?」
「美鈴、今度さとりに弄り倒してもらうからね」
ニマニマしてる美鈴に罰を言い渡し、猫耳を持ってこっちに歩いてくる妖夢へと視線を向け続ける。
両手でしっかりと胸元に抱えられた猫耳が、妖夢が一歩進む毎に私の警戒を強くしていく。
そして遂に妖夢が私の目の前に立った時、まだ私の警戒は全て遅かったことに私は気付いてなかった。
「フ、フランさん! 猫耳を付けてくれませんか!?」
「……断ったら、どうなるのかな?」
「えっ! え、えと……その、文さんが風でフランさんのスカートを捲るそうです」
「スカートを捲る? それだけーーーー」
私の視界に飛び込んできたもの、猫耳を差し出してくる妖夢の後ろで楽しげに先程ルーミアから渡された物を振る文お姉さん。
ルーミアから渡された物は畳まれていたのか、文お姉さんが持ち手を振る度に広がっていき、最後にははっきりとその姿を現した。
…………あれは、私のドロワーズだ……。
「ーーーー……妖夢、ちょっと待っててね」
「えっ? は、はい……」
自分のスカートを上から押さえつけ、ある感覚を確認する。
そして私は、さっき玄関の扉を開けた一瞬の間にしてやられたことに気付いた。
……文お姉さんの手にある『あれ』は、さっきまで私が『履いていた』ドロワーズだ…………!
「妖夢、それ付けるから、頂戴?」
「あっ、は、はいっ! こちらをどうぞ!」
「ありがとう、妖夢…………よし」
言われなくとも文お姉さんの意図は分かった。
要は私のドロワーズを変に扱われたり、今風でスカートを捲られたりしたくなければ、猫耳を付けろということだろう。
この手の悪戯はこいしやルーミアに散々されてきたから、大体どうすればいいかは分かる。
一端相手の思惑に乗り、後で取り返してから仕返しするのだ。
それが一番なのだと、最近知った。
「文お姉さん、付けたよ! これでそのドロワーズは返してくれるよね?」
「あややややっ!! やっぱりいつ見ても猫耳フランさんは可愛いですよねぇ!!!! ……ですが、まだまだ、これを返す訳には行きませんよ! 次はそこで目を閉じていてください!」
「目を閉じればいいの? 分かったよ……でも、ちゃんと返してね?」
焦ってはダメだ、ひたすらに冷静に、ボーダーラインを越えない所までは要求を飲まなきゃ私のドロワーズがどうなるか分かったものではない。
そう考えながら目を閉じて次の指示を待っていたけど、待てども待てども次の指示は来ない。
何かとんでもないことをやらされるのかと、ふと目を少しだけ開けてみた。
「あ、あれ……? いない……?」
「あっ、えっと……文さんとルーミアさんなら、フランさんが目を閉じている間に何処か行きましたよ?」
「広間の方ですね……まぁ、その……ご、御愁傷様です、妹様……」
私の呟きに、妖夢と美鈴が律儀に返事をしてくれた。
でも、その返事はほとんど私の耳と頭に入っていない。
必要最低限の情報を二人の言葉から得た私は、何か考えるよりも先に体が動き、叫んでしまっていた。
「……わ、私のドロワーズ返してよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!?」
猫耳のことなんて忘れた私は、その叫びと共に急いで広間へと走り出したのだった…………。
ーーーーー
以上、フランside onlyのドロワーズ事件勃発回でした!
……うん、何やってんだ文&ルーミア!
リアル(ドロワーズ)鬼ごっこの始まりですね(笑)
それではまた次回にてお会いしましょう!




