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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第3章 ~デンデンデデデン地霊殿!~
155/283

それは演出? それとも…………?

どうも、本日二話続けて投稿の東方転妹録最新話です!



今日はペースに乗っています!

何故か書けます!

かかなきゃいけない漫画やイラストより書けます!


本気で漫画やイラストの締め切りがヤバイです!



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪

ーーーーー20分程後、フランの部屋。

ーーーーside フラン



何回も身じろぎをして中々布団を着せられなかったぬえをベッドに運んで休ませてから、自分の部屋に戻ってきた私。

シンプルながら美鈴よりも二回りほど大きな扉を開けてみれば、そこには…………。



「あれ、ルーミア?」


「やっほーフラン! お邪魔してるのだー!」



私のベッドの上に、既に黒の下地に三日月模様の寝間着を着て転がっているルーミアがいた。

私が声を掛けるとガバッと体を起こして反応してくれる。



「ルーミア、自分の部屋で休まなかったの? 後、日が昇ってる割には部屋がかなり暗いけど……」


「むっ、フランが御姉様に羨ましい提案してたから、私も一緒に眠りたくて来たのかー! それにちゃんと眠りやすいようにこの部屋を闇で覆ったのだー! ……えっと、いきなりで申し訳ないけど、一緒に寝ていいのかー?」



私が質問しながら真っ暗な部屋を進んでベッドに近付くと、最初はちょっと怒ったような様子だったけど、すぐにルーミアは不安そうな、それで期待を込めた視線を向けてきた。

……あー、ルーミアも一緒に寝たかったんだね、気を使ってくれるくらいだし。

まぁ御姉様も皆で一緒に寝た方が楽しいだろうし、ルーミアも一緒で良いよね!

もしかしたらさとりも来るかもしれないけど、まぁ私のベッドの大きさなら大丈夫かな?



「うん、大丈夫だよ! ただ御姉様は当然来るし、さっきの様子だとさとりも来るかもしれないから私のベッドじゃ狭いかもしれないけど大丈夫?」


「全然問題ないのかー! 私は『フラン』に抱きついて寝るから幅はとらないのだー!」


「そっか、それなら大丈夫だね!」



まぁ少しでも幅を取らない体勢でも構わないなら大丈夫だろうし、人肌の体温って気持ちよく眠れるからラッキーだよ!



ーーーコンッ、コンッ…………。


「? 誰ー?」


「……フラン、私です、さとりです。 レミリアもいますよ」


「あっ、やっぱりさとりも来たのかー」


「入っていいよさとり!」


ーーーガチャ…………ズルッ…………ズルッ……。


「「っ!?」」



部屋に入ってきた逆光を浴びているさとりが肩を支えているもう一人の影…………そこから垂れ下がる布のようなものが床と擦れる音が辺りに響き、奇妙な緊張感が部屋に漂う。

そしてよくよく逆光の中に目を凝らしてみれば、さとりが支えていた人は…………。



「フ……フラ…………げ…………て……」


「お、御姉様!? さとり、一体何を……!!!?」


「っ!? フラン危ないのだー!!!!」


ーーーブンッ!!!!



呻くように何かを呟く御姉様の姿に、思わずさとりに詰め寄ろうとするとルーミアが叫びながら私の腕を引いた。

その瞬間、さとりが私に向けて伸ばしてきた腕が空を切り、大きな風切り音をたてる。



「さ、さとり!?」


「いきなり何をするのだー!!!? いくらさとりでも許さないのかー!!!!」



未だ逆光を背負うさとりに向かって私とルーミアが声をあげる。

しかし、さとりはそれには答えずゆっくりと一歩ずつ足を進めてきて……そして遂に逆光が薄くなりさとりと御姉様の姿がはっきりと見え出した。



「お……お、御姉様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!? 」


「あわわわわわわ!!!? な、なんて格好なのだー!!!!!!!?」


「に、げ…………て…………フラ………………さ、とり…………か……ら…………」


「フフフフフフフフフフフフフッ!!!!!!!!」



逆光から浮かび上がってきたさとりと御姉様の姿…………それは服が完全に乱れ、所々服を引き裂かれた状態で息を荒くし体を火照らせている御姉様と、同じく軽く服を乱し恍惚とした表情を浮かべるさとりの姿だった。

どうやら軽く暴走しているらしく、目の前の光景も相まって不気味で竦み上がるような雰囲気を醸し出していた。



「フフフッ…………さて、レミリアは美味しく頂いたことですし、次はフランですね? あっ、レミリアには顔から肩口に掛けて口付けをしただけで初めてまでは奪ってませんから、安心してください。 多少演出はしましたが」


「どどどどうしようルーミア!? 御姉様が、御姉様がぁ!!!?」


「………………」


「あれ、ル、ルーミア?」



薄い笑みを浮かべつつ御姉様に何をしたかを説明するさとりの様子に焦りを感じ、後ろにいるはずのルーミアに呼び掛ける。

しかしルーミアから反応は返ってこず、不審に思って後ろを振り替えると…………。



「っていない!!!? それにこれは……て、転移用の魔方陣? これって前にも……も、もしかして!!!?」


「フフフッ、流石、フランはレミリアの妹だけあって賢いですね? もう勘づきましたか……」



振り返った先にルーミアはおらず、あったのは布団に浮かび上がっている転移用の魔方陣だけ…………しかもそれは、以前私が御姉様の魔方陣を改良してから誤ってルーミアと一緒に閉じ込められた物とそっくりだった。

……私が作ったのと一部分、誰なら使用できるかを指定する部分以外はほとんど同じ…………。

ということは、これはきっと『さとりしか』発動できない物だよね?

御姉様の秘書として何時も御姉様に付いて回っていたさとりなら、魔方陣が使えたのもなんとなく納得できるよ。

でも、私の時でさえ魔方陣に呑み込まれる時に抵抗できていたのに、ルーミアが周りに気付かれないほど抵抗できずに一瞬で呑み込まれるなんて……それに、一体何時私のベッドに仕込んだんだの!?



「フフッ、今フランが感じているのは疑問でしょう? それも、どうしてルーミアが簡単に呑み込まれたのか、そして何時魔方陣をそこに仕込んだのか、といったところでしょうか」


「あぅ……ど、どうしてそれを…………」


「今まで沢山の者の心の動きを見ると同時に、その時の動きも見てきましたからね。 いくら心が読めないといっても、フランの様子と今までの経緯から多少の判断はつきますよ」



うぅ、これは不味いよね?

本当に私が考えてることが予測できてるみたいだし、頼みの綱のルーミアもいなくなっちゃった…………それに、なんかどんどんさとりが近付いてきてるぅぅ!?


「それでは先に種明かしをしておきましょうか? まずはルーミアのことですが、その魔方陣は『私しか使えない』ということ以外にも、『発動する時小さな消音結界を張る』効果を持っているのです。 それにフランがベッドの上にいなくて助かりました! その魔方陣の範囲は、ベッドの上ですからね」


「そ、そんな……!?」



さとりの言葉に驚き、もう一度振り返って魔方陣をよくよく眺めてみる。

やはり先に挙げた部分以外『ほとんど』変わらないけど、きっとそのほんのちょっとの部分に新たな効果を混ぜたのだと思う。

……でもそれがわかったからといって、私の状況が良くなった訳じゃないけどね。



「次に何時仕込んだのかという点ですが、これはもうずっと前、フランがオーエンと名乗った時より前から『紅魔館の全てのベッドに仕込んでいましたよ』」


「そ、そんな……!? ちゃんと定期的に紅魔館にあるものが安全か確かめてたはずだよ!!!?」


「その『定期的に』という物がどれ程の周期か知っている私なら、確かめる前に魔方陣を外してまた着け直すのも簡単だと思いませんか?」


「あ、あぅぅ…………!!」



だ、ダメだ…………完全にさとりにしてやられちゃったよ!?

今のさとりと一緒にいるのは危ないから逃げたいけど、でもそうすると御姉様を暴走しているさとりと二人っきりにしちゃうことになるし…………うぅぅ、ど、どうしよぉぉぉぉぉぉぉ!!!?



ーーースッ…………トサッ。


「……さて、おもいっきり混乱している様ですし、今の内にしてしまいましょうか! レミリアは布団に寝かせておきましょう!」


「すすすするって何をするの!? え、えっちぃのは嫌だよ!!!?」



御姉様を私のベッドに寝かせつつ、さっきから驚きの連続で身体が固まっている私の腕をつかむさとり。

そのままさとりは私の腕をつかむ手に力を入れて、ゆっくりとベッドの方に引っ張ろうとしてきた。

……いくら前世が思春期男子のまま終わったからって、貞操観念はしっかりしてるんだからね!

ぜ、絶対にえっちぃのはやだもん!!



「フフッ、大丈夫ですよ? えっちぃのはしませんから…………ただ、私が地底に行ってしまう前にフランとレミリアを独り占めしつつ堪能しておこうと思っただけですから」


「えっ…………?」


「……ほら、早くこっちに来てください。 一緒に寝ましょう?」



恍惚としていた表情から一変、何時も通りの暖かく優しい微笑みを浮かべるさとりと、さとりの発言に再び固まる私を、さとりはゆっくりベッドに誘う。

そして私をさとりと御姉様の間に寝かせると、さとりは静かに掛け布団を被せてくれた。



「えっと…………さとり……?」


「……そんなに戸惑わなくても、本当に大丈夫ですよ? さっきのはちょっとした冗談ですから」


「あぅ…………うぅ?」



いきなり過ぎる展開に着いていけず、戸惑いを隠せない私にさとりが優しく声をかけてくれる。

どうやら本当に添い寝をするだけみたいだけど、それでも中々落ち着かない私に、さとりとは反対方向から声が聞こえてきた。



「…………フラン、本当に大丈夫みたいだから安心しなさい。 流石に私の分はアウトだと思うけれど、添い寝くらいはセーフでしょう?」


「あっ、お、御姉様は大丈夫なの……?」


「えぇ…………さとりのささやかな願いを叶えてあげられるほどには、大丈夫よ」


「……本当に貴女という方は…………全く、何時になったら届くのでしょうか?」


「精進しなさい…………早く私に追い付けるように、ね……?」



さっきのさとりの発言を聞いたからか、本当に穏やかな声で私とさとりに語りかける御姉様。

その声はやっぱり疲れが滲み出ていたけど、それ以上に大きな優しさで溢れている……そんな気がする声だった。



「……そういえばさとり、流石にルーミアは出してあげなさいな。 ルーミアがフランを独り占めしないように……私が止めておいてあげるから」


「……分かりました、二人を独り占め出来ないのは残念ですが、レミリアのお願いなら仕方ありませんね」



そんな二人の会話が終わった途端、魔方陣が発動したのか、背中の方から微かな光が滲んできた。

そしてその光が、わずかとはいえ一際強くなった瞬間…………。



「ひゃああぁぁ!? よ、ようやく出られたのかー!! …………って、フランが横にいる「はい、抱き着くなら今は私にしておきなさい?」のだ、って御義姉様?」


「……おかえりなさいルーミア、それと先程はすいませんでした。 ちょっと、独占欲がひしひしと湧いてきたものでしたから…………」


「ん、んー? なんだかよく分からないけど、そんなに長く閉じ込められた訳でもないから大丈夫なのだー。 ところでこれって、もしかして四人で寝るのかー?」


「うん、そうだよ! 私とルーミア、それに御姉様とさとりの四人で寝るの!」



光が強くなった瞬間、私と御姉様の間に現れたルーミア。

魔方陣から出れたと理解した途端ルーミアが私に抱き着いてこようとしたけど、奥にいる御姉様に背中から抱き締められてルーミアは私の手を握るぐらいしか寄れなかった。

そんなルーミアにさとりが静かに謝罪し、よくわからないまま許したルーミアに今の状況を簡単に私が説明する。

そして説明が終わると、さとりが静かに、それでいて力強く私を抱き締めてきた。



「んっ、どうしたのさとり……?」


「……いえ、少しフランの温もりを感じたかったものですから…………それと、これを……」


ーーーゴソッ…………チュッ……。



抱き着いてきたさとりが気になって、さとりの方に顔を向けるといきなりキスをされた私。

何故かとても長く感じたけど、数秒後、さとりはゆっくりと顔を離し微笑んで私の頭を撫でてくれた。

因みにルーミアは御姉様とじゃれていて気付かなかったようだ。



「……おやすみのキスです、フラン。 いい夢を見てくださいね」


「うん、おやすみさとり。 さとりもいい夢を見てね!」



ちょっとだけ恥ずかしいと感じた気持ちがあったけど、それ以上になんだか嬉しく感じてさとりと同じ様に横向きになってさとりに抱き着く私。

その時にルーミアの手を離してしまったせいか、背中の方から寂しそうなルーミアの声とそれを宥める御姉様の声が聞こえてきて、それをBGMに、私はさとりの腕の中で意識を夢の中に落としていったのだった…………。





ーーーーー

以上、なんだかんだで落ち着いたおやすみ回でした!



いやぁ、なんだかんだでさとりは何時も通りで、レミリアも何時も通りで…………驚かされたフランとルーミアにはちょっとだけ合掌ものですね(笑)



そしてフランに気絶させられてしまったこいしとぬえは…………ま、まぁサービス回が(いつか)ありますから!




それではまた次回にてお会いしましょう!

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