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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第3章 ~デンデンデデデン地霊殿!~
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最近私の仕事がバトルになりつつある気がする by ぬえ

どうも、東方転妹録最新話です!


……えー、更新速度そこまで上がってないじゃないかと思われてる皆さん、全くその通りでありまして本当に申し訳ないです。


ま、まぁ徐々に間隔を狭めていきますね!


さて、今回はすっさまじく急展開になっております!

もう作者の暴走の塊です!

……さて、反省会してきますか。


それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪

ーーーーー白玉楼桜林。

ーーーーside ぬえ


本日二度目の枯れた桜林を通り抜け、私は懐かしい気配のする方へ足を進める。

しかし懐かしいと言っても、私にとっては踵を返して全力で逃げたいものであることをここで証言しておこう。

……踵を返さない理由は、『フランの前世にとある共通点を持った四人組が現れたこと』と『その内二人が怪しげな会話をしていたこと』、そして『私にも嫌な意味で四人組の知り合いがいること』である。

決して、決してフランが心配だからとかじゃなくてとりあえず何をしにここに来たのかを訪ねに行くだけで決してフランが心配な訳じゃないしとりあえず嫌味を言いに行くだけで決してフランが心配な訳じゃない………………きっと。



「……さて、そろそろかな?」



こうしてフランが心配で………………懐かしい気配に嫌味を言いに来る前に、こっそりと白玉楼の広間に飾られていた豪奢な槍を肩に置き、不遜な態度で仁王立ちでその場に立ち尽くす。

懐かしい気配は段々と近づいてきているから、向こうも私の気配を察知しているのは間違いない。

だからこそ堂々と私は構え、少なくとも白玉楼には招かれざる客を迎える用意を整えていた。



ーーーカサッ…………。


「……ほう、何やら懐かしい気配がすると思えば、いつかの大妖、鵺じゃないか」


「んっ? そういえばこいつって源頼政に弓で打たれて地獄に封印されていたんじゃなかったっけ?」


「地獄は地獄でも旧地獄でしょ? まぁここにいるってことは、封印が解けたってことだと思うよ」


「そう簡単に言ってくれるなよ。 彼の大妖にかけられた封印はかなり強力なものだったんだぞ? それが破られたということは………………もう分かるな、『朱雀』?」



枯れた桜林から足音と共にゆっくり現れた白と青と赤と黒の四人、その四人をじっくりと眺めつつ、私は槍を握る手にほんの少しだけ力を込めて気を引きしめる。

その時私の顔に表情がなかったのは言うまでもないのだろうか。



「……私の封印関係の話はどうでもいいとして、何しに来たの、あんたら?」


「いや、こっちとしてはどうでも良くないんだが…………まぁそれは後からでも良いか。 いやなに、少し人を探していてな? それでその探している人の気配がこの辺りにあったから参上したまでのことだ」


「それと『白虎』が言ったこと以外の仕事もあるんだが…………あー、どうも話を聞ける雰囲気じゃないよな、これ?」


「まぁその辺りは私が槍を構えてることで察してよ………………とりあえず、あんたら全員1発ずつぶん殴、る!」


ーーーシッ、ガギャァァァァァァァン!!!!


「ちょっ、話どころか平和に済む雰囲気でもなかったぁ!!!!」


最後の一声と共に私は槍を下段に構えて、四人の内、一番前にいた『青龍』を切っ先で突き上げる。

どこか嘆いたような雰囲気の悲鳴をあげた『青龍』は、それでも懐に仕込ませていたらしい小刀で私の槍を弾き飛ばし、背中に引っ提げていた青い龍鱗で覆われた槍を構えていた。

それを目で確認した私は大きく後ろに下がり、自分の妖力を一気に周囲に拡散する。



ーー『平安京の悪夢』


「おっと、妖力弾の術か」


「ちょ、あのデカイ玉は何で俺ばかり狙ってくるんだ!?」


「それは『青龍』が狙いたくなる性格だからじゃない? 妖力弾的な意味で」


「ぬっ、デカイ玉が増えてきたか……」


「図体の大きい『青龍』や『玄武』は捉えられても、流石に小さくてすばしっこい『白虎』と『朱雀』は捉えられないか…………」



一面に展開された弾幕の中で踊る四人の姿を見つつ、次は誰を攻撃していくかを考える。

そうこうしている内に『平安京の悪夢』は最終段階に入ったけど、ここでも図体が大きい『青龍』と『玄武』は上手く避けることができずに何発か当たっていた。

……この場面でなら嫌味を言えるはずだよね。



「『白虎』や『朱雀』は良いとしても、あんたら二人は弱くなりすぎじゃない?」


「いやっ、流石にこれはっ、体格の問題だろっ?」


「まぁ日頃から鍛えているから、筋肉に当たった分は平気だがな!」


「「「うわっ、脳筋がいる…………」」」


「ど、どうして鵺だけじゃなく『白虎』と『朱雀』まで引くんだぁ!!!?」



残念ながら男性の力強い体よりも女性の柔らかい体の方が好みなのだから引くのはしょうがない。

しかし、『白虎』と『朱雀』も私と似たような感覚なのには驚いた。

男性と女性での恋愛以外基本的に邪道とする人間達に信仰されているから、てっきりこいつらも同じ考え方だと思っていたんだけど…………やはり、殺されない限り寿命がない神や妖怪は生まれる元となる人間の考え方に自分が影響されるということはないらしい。



「さて、そろそろ次に行く、よっ!!」


ーーーガキィィィィィン!!!!


「ほう、次は私か。 いや、その前に…………事の最中にすまないが、鵺は『高崎誠』という名前に聞き覚えはないかな?」


「っ…………!!!!」


ーーーギリギリギリッ!!!!



つい先程知ったばかりのフランの前世の名前ーーー『高崎誠』に反応してしまい、私は思わず表情を変えて『白虎』の武器の鉤爪とつばぜりあう槍に力を込めてしまう。

その瞬間、目の前で『白虎』は嬉しそうに表情を明るく変えた。



「そうかそうか! 鵺は誠のことを知っているのか!!…………ということは、この気配は誠が転生した者の気配で合っているのだな!! 鵺も、おそらくこの辺りに来ている新しい閻魔の浄瑠璃の鏡で『高崎誠』のことを知ったのだろう?」


「なっ…………!?」


「ふふっ、やっぱりそうか! いやなに、中央の『黄龍』様から新しい閻魔の動向は聞いていたからな!…………さて、そうとなればここでモタモタはしていられない、鵺のことは『朱雀』達に任せて私は誠の転生先の者を迎えに行くとしよう!」


ーーーガキャァァ!!!!!!!!


「ああもう抜け駆けする気!? とにかく、行くんだったらきちんと連れてきてよ『白虎』!!」


「くっ、フランの所に行かせる「おぉっと、そんなお前を行かせるもんかよ!」もんか、って邪魔するなぁ!!!!」


「ふむ、どうやら誠の転生先の者は鵺に好かれているらしいな…………全く、やはり『黄龍』様に掛け合って誠の転生先の者が生まれてすぐに迎えに来るべきだったか。 あっ、おぉーい『白虎』! 誠の転生先の者は『フラン』というらしいぞ!!!!」


「分かったぁ!!!!」



フランが確かにここにいると知ってから目に見えて動きが良くなった四人。

そんな四人の姿に焦った私が思わずフランの名を言ってしまうと、四人はさらに興奮状態に陥り、『白虎』に至っては天狗の射命丸と同じかそれ以上の速さで駆け抜けてしまっていった。

そして私が『白虎』を追おうとすると『青龍』達にそれを防がれてしまい、結局『フランの所にこいつらを行かせない』という私の本当の目的は達成できずに、ただひたすら『白虎』以外の三人に足止めされてしまったのだった…………。










ーーーーー白玉楼大広間。

ーーーーside フラン



皆さんおはようございます!

さっきまで映姫さんに抱きついたまま眠ってしまっていたフランドール・スカーレットだよ!

何故か映姫さんはこいしとルーミアに連れられて大広間に戻ってきたみたいなんだけど…………その時、浄瑠璃の鏡の気配で私は起きたの。

……うん、もう浄瑠璃の鏡はトラウマモノだね、起きたときには映像は流れてなかったのが救いだったけど。

それにしても、私以外の皆の表情が真剣なのはどうしてなのかな?

私が起きてから、皆私を守るように私と私を抱っこしている映姫さんを部屋の中央において、それぞれ戦闘準備をしながら部屋の外の様子を妖力でうかがってるし、何故かぬえもいないんだよね。



「……ねぇ映姫さん、皆どうして警戒してるのかな?」


「おそらくですが、何かフランさんに関わる重要なことを浄瑠璃の鏡で見たのでしょう。 そして1人、私に『知り合いが近くに来ているから会いに行く』と言って庭の方に行った方がいましたから…………」


「静かにするのかー! 何かがこっちに……!!!!」


「襖の近くにいる者は伏せなさい!! 『スピア・ザ・グングニル』!!!!!!」


ーーーズガァァァァァァァァァァァン!!!!!!!!!!!!



ちょっ、どうして御姉様は襖に向かってグングニルを投げたの!?

皆も一斉に襖に向かって構えてるし、とりあえず私が映姫さんに泣きついてから眠ってる間の情報がほしいよ!


……そんなことを考えていると、御姉様がグングニルを放ったせいで未だに煙が晴れない襖があった辺りから、誰かの足音と声が聞こえてきた。



「…………全く、フランを迎えに来ただけだというのに、ここまでしなくてもいいだろう? しかしこの気配、『フラン』はそこの子か」


「さっきの四人の誰かは知らないけど、フランは渡さないよ!!!!」


「……その声、貴女は『小白』さんですね?」


「えっ? 『小白』…………?」



先程浄瑠璃の鏡で聞いたばかりのどうにも懐かしい声と口調、そして襖があった辺りから聞こえてきた声に言い返したこいしに追従するようにさとりが訪ねた『コハク』という名前、そのどれもが私にとってあり得ないモノであり、軽く思考停止に陥ってしまった。


……えっと、小白とは前世で死んだはずの時に泣き別れしたはずだよね?

いや、泣いていたかどうかは全然知らないまま死んじゃったから分からないのが本当なんだけど………………えっ、小白?


段々と近づいてきている足音と声、そして同じく段々と晴れてきた煙から現れた姿を見て、私は…………。



「……ふむ、久しぶりだな、『誠』! いや、『フラン』!!」


「え、えっと、久しぶり…………じゃなくて、どうして小白は猫耳と尻尾を着けて変装してるの!!!?」


『『『『『『『って、ツッコム所そこなの!!!!!!!?』』』』』』』



……小白も含め、皆から盛大にツッコまれてしまった。




ーーーーー



以上、色々伏線早期回収回でした!



とりあえず、ここからしばらくフランのターンとだけいっておきましょう。

前回ラストのシリアスなんて知りません、きっとフランにキュッとしてドカーンされたのでしょう!



それでは又次回にてお会いしましょう!

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