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 言いつけを破るといっても、大それた事をしたいわけではなくとりあえず窓からもう一度外を見てみるのですが、真っ赤な空で結構明るい状態。


「外に出るなって言うのだけは破らないといけない感じ?」


 すりすり


「えーっと、何か自分がやれることは?」」


 ぺちぺち……すりすり?


 撫子的には無いと言いたいみたいですが、少しだけなにかやって欲しい事もあるという感じなのでしょうか?

 微妙な返事帰ってきます。

 ただ、とりあえずさっき渡されたいつぞやの木は持っていてほしいみたいなのでそのまま木を持っていると、撫子にしては珍しく頭から降りて扉の前へ。


「行こうって事?」


 木を持った状態で撫子が扉の方に行って、どうやら外へ行こうと誘っている感じだったので一応聞いてみたのですが、降りているのでいつものような返事はなく、扉の前に居るだけなので扉を開けるとするりと移動。

 撫子を追う様に移動するのですが、いつもだともう少し気配があるのにも関わらず、今日はひっそりと静か。


「人の気配が少ない?」


 独り言をつぶやいても返事はもちろんなく、一応ちらちらと偶に後ろを確認してくれますが撫子は気にした様子もなくどんどん先へ。

 木を持ったまま撫子を追うと、いつもの入り口の辺りなのですが勿論レベッカさんは居らず、それどころか村の中にも人がいない様なとても空気がおかしい感じ。

 ただ、撫子はそんなおかしな空気を気にした様子はなく、そのまま普通に進んでいくとそこには昨日もお世話になったアウェクルが一鳴き。


「待っていた?」


 何となくアウェクルがそう言っているような気がして、勿論アウェクルも撫子も言葉を発しているわけではないのでそんな事を言っている訳はないと思うのですが、なんとなくそんな気がするだけ……だと思うのですが、鳴いた後はいつものようにお腹をすりすりしてきてどうしたらいいのか迷っていると自分を誘導していたはずの撫子がいつものように足元から体を上手く使って自分の頭の上まで登ってきます。


「乗れって事かな?」


 ここまでの事をしてくれているのに分からないの?という感じで撫子はちょっとだけ呆れた感じですが、いつものようにすりすりと返事をしてくれて、それに合わせるようにアウェクルもお腹をすりすりするのをやめて屈んでくれます。


 流石にここまでしてくれれば、乗れと言うのは分かるので乗せてもらうわけですが乗ったところで何処に行くのか分かっていないわけで。

 ただ、撫子とアウェクルはもうわかっているのか撫子は下をチロチロとして、アウェクルはそれに反応してなのか鳴き、そのままゆっくりと村を後に何処かへ動き始めます。


 多分、寝て起きているので朝のはずですが風を切って走っている感覚だと夜の時の空気に近くて、結局空の色が赤いので今の時間がさっぱりわからないまま動いている状態。


 いつもの丘へ行く道へ村を出てすぐの時は向かっていたはずですが、途中から知らない所を通り今ではどこに向かっているかさっぱりわからなくなっていたのですが、ある程度してくると見知った道だという事が分かります。

 そして向かっている先も何となくわかるようになったのですが、撫子もアウェクルも喋る事は無いのでどうしたものかと考えていると、すりすりと撫子が反応を示します。


「コレ、遺跡に向かっているんでしょ?」


 すりすり


「この木も大事なの?」


 すりすり


 何も分かっていないのは自分だけみたいな空気はあるのですが、とりあえず揺られるままにいつもの道を三十分ぐらい過ぎた頃、アウェクルが急にゆっくりに。


「何かあったんだね?」


 すりすり


 空を赤くしているよく分からない大型のモンスターが居るのか、それともそれとは別のナニカが居るのかはわかりませんが、そのどちらかもしくは両方の可能性もあってどうやら動くのを躊躇っている様子。

 無理をして動かなくてもいいと思ったので、それをそのまま伝えながら頭の辺りを撫でてあげると、そのままじっと動かない事を選択したみたいでちょっとした休憩みたいな感じに。

 ただ、何もできない時間というのは自分としても微妙なもので、いつもの休憩であればアウェクルから降りるわけですが、降りようとすると拒否されるのでこのまま乗っていた方がいいというのが分かります。

 結局、その場所に十分ぐらい静かに居たのですが、ゆっくりとアウェクルがまた歩みをはじめて、ナニカに見つかる事は無くいつもの遺跡の入り口までアウェクルが連れて来てくれたのですが、降りようとすると今日は中々下ろしてくれず、困った顔をしてしまったのですが、それを見かねてかペチペチと自分の頬の辺りを撫子が叩くと、その音に反応したのかゆっくりと屈んでくれることに。


「よく分からないけど、ありがとうね?」


 お礼を言う事が正しい事なのかはわからないのですが、何となくそれが正しいという気がしたのでお礼を言うと、いつもだとこの辺りをウロチョロし始めるのですがそんな様子はなく一目散にダッシュをして何処かへ。


「……おいて行かれた?」


 ぺちぺち


 一応撫子は否定をしてくれますが、ここから歩いて帰るとアウェクルに乗っている時の数倍の時間が掛かるわけで。

 ちょっと帰りを考えると憂鬱になりそうですが、いつもの遺跡の入り口を撫子が開けてくれたのでとりあえず案内されるままに入りましょうか。



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