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 お酒を飲んでみんないい気分で解散。ギルドで飲んでいるので自分の部屋に戻るだけの自分はかなり楽な移動で済み、一緒に飲んでいるカップルハンターの二人やレベッカさんに門番の二人もすぐ隣や二軒隣ぐらいの場所に家はあるので大した事はないハズなのですが、何故かバタバタと騒がしい感じ。


「ん?」


 普通に解散をしてみんな帰って、明日はいつも通りの採取だけど今日結構いいモノが取れたので明日はそういう感じはなくいつも通りに戻ると勝手に思っていたのですが、騒がしい空気は何もしていなくてもやって来るモノ。


「前の大物が出たかもしれないから、基本的に室内待機になった」

「何かあったんです?」


 走ってきたのはヒックスさんで部屋に入る前の自分にそんな事を言って、そのまま他の村の連中に知らせて来るからおっさんは動くんじゃねぇぞと言われ、来たと思ったらすぐにどっかにヒックスさんは行ってしまいます。


「何かあったみたいだね?」


 頭の上の撫子に言うと、すりすりと返事が帰って来て室内待機と言われたのでそのまま言われる通り部屋に戻るのですが、何故そんな事を言われたのかはすぐに分かる事に。


「何かあったのはなんとなく分かったけど、今は夜だよね?」


 すりすり


「凄い事になっているね?」


 すりすり


 自分達の部屋に入って、すぐに分かるぐらいの変化があって。

 それは部屋にある窓。

 窓から見える景色は通常夜であれば真っ暗であるはずなのに、赤い光が何故か差し込んでいる状態。

 赤い空に覚えはもちろんあって、腰を抜かしたあの日を思い出します。


「あー、撫子は初めてかな?」


 すりすり


「一回だけこれと同じような空の色を見たことがあるんだよ」


 こっちの世界に来て、この村に来てまだそれほど経っていない頃に見た色であの時は昼間だったけどこんな色で。

 今回は夜だけど同じ色なので逆に考えると明るいなー?ってなるわけですが、一応室内待機を言い渡されてしまったのでここからは動く必要はなく。


「今日は朝からいい感じだったのに、やっぱりいい事ばっかりある日は最後の最後でより戻しというか帳尻を合わせるためにもよくない事が起こるって事なのかな?」


 ぺちぺち


 撫子はそうは思っていないみたいで、否定の返事を返してきます。

 いつもより今日はお酒を飲んでしまっているのでどうしたものかと考えるわけですが、今日はアウェクルに乗っていたので疲れも少なくそして飲んでいるのもあっていい感じの眠気が。


「やる事もないし、寝ようか?」


 すりすり


 撫子もそれがいいでしょうという感じに返事をしてくれて、最近よく寝る前にやるような頭から肩に移動して同じタイミングで自分もベッドに行くとチロチロと舌を出してほっぺたの辺りを舐めつつ、お腹の上にとぐろを巻きます。


「おやすみ」


 室内待機というのは何かあったら動かないといけないのかもしれないと思う事は無く、普通に眠気に負けて瞼を閉じるとすぐにぐっすりと眠る事に。

 眠気の誘いもちょうどいい感じだったのもあって、すぐにぐっすり寝る事は出来たのですが、かなり気持ちよく眠れた後何故かふっと起きた方がいい気がして。

 結構スッキリした感じに目が覚めたのですが、お酒も抜けて疲れも抜けて、少しだけ頭に靄が掛かっていた様な酔いの状態から覚めたので色々と意識もはっきりしたわけで。


「あらら。多分朝……だよな?」


 体を起こしたので少しだけ撫子がズレるのですが、起きていたのか寝ているままなのかわかりませんが、撫子は器用にお腹の上の位置をキープ。そして少しだけうねうねした後、肩の上に移動してチロチロと舌を出してからすりすりと多分返事をしてくれた感じ。


「酔いは醒めたけど、これはこのまま待機?まあ、寝ちゃったから待機していたとは言い辛いけど」


 ぺちぺち


 尻尾を器用に使いながら撫子が反応して、珍しく自分の肩から降りて移動します。


「どうかしたの?」


 疑問を投げかけても勿論返事は無くて、そのまま撫子を追いかけるとカプっと口に咥えているのはいつぞやのよく分からない木。


「あー、これ?」


 すりすり


 すりすりだと意味は分からないんだけど、何となくわかる部分もあって。


「持てばいいのかな?」


 すりすり


 両手で水を救うような感じに手を出すとその上にポンとおいてくれるのですが、正直コレが何なのかは分かっていないので、渡されてもどうしたらいいのか分からないわけで。


「何か、しないとダメかな?」


 どうしたらいい?と聞いても返事はいつもの二択なので、まずはどうしたらいいのかを聞くような感じに動く必要があるかないかを聞いてみると、撫子の返事はすりすりと肯定の方。

 ただ、こっちの世界の人達がどうにもできないようなことを自分がどうにかできるとは思えないので、正直戦力外だと思うのですがそんな事を考えている事を理解している撫子はペチペチといつよりちょっと強めに顔を叩きます。


「じゃ、ちょっと言いつけを破りますか」


 すりすり


 撫子の肯定が凄く嬉しい返事で自然と笑顔になってやる気も湧いたような気がします。



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