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いつも通りに入り口に武器と防具を置き終えたら、今更照れる事もなくなってきているのもあって普通に手を繋いでロボットの元に向かいます。
「本当に、どういう原理なのかしらねぇ」
ロボットの元に着くと、上からのライトが付いていつも通りにロボットの観察となるわけですが、普通に考えればわかる通りボタンを押すのは自分で、全身を見て来て貰うのはレベッカさん。
「コレだけロープもあれば、何か少しぐらい見つかるといいんだけどねぇ」
「コレで何も見つからないと困っちゃいますよねぇ」
お互いに口に出しつつ、到着したらすぐに右足の踝の辺りにボタンはあるので、そこに自分が向かうのですが同じようにレベッカさんも来て、まずは何も変化がない事を確認してもらいます。
「ん。いつも通り何処にも変わりなし」
「じゃ、ボタン押します……って、押してすぐに反応があったら音の一つぐらいなるはずなので、一応押しっぱなしにしてみましょうか」
「そうね。出来るだけ早く全体を見て来るけど、三分から五分は頼むわよ?」
「わかりました」
自分の方が年上とかそういう感じは元々なかったのですが、それが無くても自分としては命の恩人なのでどちらが上というよりはかなりありがたい人という位置に居るレベッカさんに何か指示されるというのは嫌な話でもないので、そのまま返事をします。
ボタンは少しだけ高い位置なので背伸びをした状態で押す形になるのですが、長く押し続けるのにはかなり不向きな体勢になるわけで。
押し始めてすぐは別に大丈夫かと思っていたのですが、一分が経ち、三分が経つ頃には全体的にプルプルとしてしまう状態に。
「これは、まずったかなぁ」
独り言をつぶやくのですが、ペチペチと撫子が頭の上から頬の辺りを尻尾でもって叩く動きをすると、そのまま伸ばしている右手の方へあがっていき、ボタンを押している手に添える感じで体をくねらせて、グイっと今までよりもボタンが強く押される感触。
「あれ?かなり強く押しているつもりだったけど、もっと押せたの?」
すりすり
「もしかして、押せてないって事?」
すりすり
それは三分が経ってから伝えられると意味がない様な気がしたのですが、そうでもなかったみたいで上から降りて来るのはレベッカさん。
「何にも変わりないかと思ったんだけど、最後の方で腰のあたり?に音が鳴ったような感じだったから一応確認してみたんだけど、よく分からなかったのよ」
「あー、今更伝えるのも悲しい事実なのですが、どうやらこんな体勢で押しているというのもあって、しっかりと押せていなかったみたいで……」
「あー、うん。おじさん力ないもんね」
「力だけじゃなくて、金も魅力もというか有るモノの方が少ないと思いますがね」
「そういう事言わないの。なるほどね?撫子ちゃんが押してくれたら動いたかもしれないって事ね?」
「可能性で言うと、ですけど」
「じゃ、腰のあたりって一応分かっているし、今度はおじさんが登って見て?」
まあ、順番という事はそういう事ですが自分が見るとなっても、本当に見るだけ。
ただ、自分としても少しでも変化があるのであればソレは見たいので大きく頷くと、じゃちょっとだけ休んだら少し登り始めた時点で声をかけて?という感じに。
「最初から押していても動かない可能性が高いなら、ある程度登ってから押した方がいいんじゃない?」
「言われてみればその通りですね」
「登っている時にそうだっておもったから、こればっかりは登ってみてからの思い付きだからね?」
「別に信じていないわけじゃないんで、そんな事言わなくても大丈夫ですよ?」
「あら、そう?」
場所変更という事で、自分が今度は登りでレベッカさんがボタンを押す形に。
そしてギリギリレベッカさんが見えるような感じの少し上がったところで声を掛けます。
「そろそろお願いします」
「はーい」
レベッカさんの返事と共にボタンを押したみたいだとすぐに分かる事に、ロボットの腰より少し上、前か後ろかと言われると後ろ側の場所で言うと背中付近に大きめの出っ張りが出てきます。
「お?おお?」
その出っ張りに足を掛ける事が出来そうだったので足を置いてみるのですが、何も変化はなく。
「足じゃないって事は……引っ張る?」
力がない自分が出来るかと言われると微妙ではありますが、一応という事で軽く引っ張ってみると、意外と軽いモノでそのまま出っ張りを引くことが出来た訳ですが、それで何?って感じ。
「コレ、何かわかる……わけないよね?」
一応頭の上の撫子に聞いてみますが、首を左右に振って分からないという感じ。
引っ張り出せた物というよりはなにかを置けるような感じの場所ですがこれが何かと言われてもさっぱりで。
「とりあえず元の場所に戻すかな」
引っ張り出した以上元の位置に戻そうとすれば簡単に戻るので、そのまま戻すのですがそのまま取っ手みたいな出っ張りは引っ込んでしまいます。
「あ、レベッカさんに何も言ってなかったからボタンを押さなくなったのかな?」
すりすり
撫子も同じことを思ったみたいで、とりあえずそういうものがあったという話だけでもしましょうか。




