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 レベッカさんが一人、身軽に色々な場所を足場にしてどんどんと上に行くのが見えるのですが自分が思っていた以上にロボットは大きいみたいで、首をいくら上げてもちょうど陰になってしまってレベッカさんを見失う形になってしまうのですが、それを気にする感じはなく少し経つとはらりとロープが降りてきます。

 そんな感じに数分に一回ロープが落ちて来るのですが、自分が居る足元からすればかなり的確に等間隔でロープが降りてくることに今更ながらに気がつくことに。


「もしかして?」


 つぶやくような言葉が口から出たのですが、返事をするように撫子がすりすりとしてきたので、どうやら自分の予想が当たっているみたい。

 でも、そうだとするならもっとレベッカさんが強く言ったらいいと思ったのですが、何故か撫子がすりすりをやめない所を見るとレベッカさんはレベッカさんなりに気を使ってくれていたという事なのでしょう。


「とりあえずこのまま見守ろうか」


 偶に見えるレベッカさんの影はかなりアクロバティックでそれこそ自分が子供の頃に見たサーカスやショーの凄い人みたいな動き。

 ただ、影の動きだけなので現実はもっとかなり危険な事をしている気がするのですが、三十分程そんな心配をしながら上を見続けていたわけですが、いきなり一つの影が上から落ちてくるのが見えます。


「おーわりっと」


 ロボットの膝のあたりに伸ばされているロープを最後に掴むと、少しだけ上に上がるように重力に逆らったような動きを一瞬見せつつも自分の前にスタっと降りてくるレベッカさん。


「お疲れさまでした」

「ただいま」

「今回はゆっくりとみられましたか?」

「うんうん。いつもみたいにパパっとしないでよか……」


 引っ掛かるかもしれないなーなんて少しだけ思ったので一応鎌をかけるような形で聞いてみたのですが、しっかりと引っ掛かってくれたのはちょっとだけ面白い感じに。


「別に怒りはしませんから、むしろ今まで隠させてしまってすみませんね」

「んーん。見つけた人に権利がこういうのはあるからそういうのも含めて勝手な事をしちゃってごめんなさい」

「いえいえ。結局自分一人で出来た事はご存じの通り足元を見ることぐらいでしたし、皆さんの力を借りないとそもそもここにも来られていないですし、それで言うならここをはじめに見つけたレベッカさんにすべての権利があるのでは?」

「正直なかなか難しいのよね。見つけたという権利だと私の部分もあるけど、ここに関してはおじさんがみつけたし、私一人では入れない場所という事はここの権利って普通に考えておじさんの方が権利を持っているようにしか見えないでしょ?」


 言われてみるとなかなか判断の難しい権利を二人して持っているような状態というのが分かったのですが、そこでハッとすることに。


「個人依頼って面倒くさいってこういう事もあるからですかね?」

「そうね。まあ、自分で言うのもなんだけど余計なことを知られた場合人によっては処分を検討する人も居るぐらいだし、そうなって来ると命が幾つあっても……ね?」


 そういう考え方もあってしかるべきだというのは分かりますが、レベッカさんはその処分を選ばなかったというのは分かったので自然と自分の口から出てきた言葉は感謝。


「ありがとう」

「ん、そんな事言われてもね?もし私がおじさんを処分したとしてもねここに来られなくなるだけでしょ?そうなってくると処分した方が損でしょ?」

「という事はこのロボットがもし動かせて、ここから運び出すことが出来たら、処分もやむなしですか?」

「……無いとは言えないかなぁ」


 にやりと笑う顔は結構本気に聞こえる声色だったのですが、馬鹿な事をいつまで話しているのという感じで撫子がぺちぺちと否定を告げてくれたので、笑いながら謝ります。


「個人依頼の危険性というのはよーくわかりましたが、上までゆっくり上った感じはどうでした?」

「結構このロボット?っていうの?つるつるであまり突起も無いから簡単に上るれるかと言われると正直微妙なのよ?まあ、今まで何度も三人で挑戦していたからかなり今回早くロープは掛けられたんだけどね?」

「ココみたいに開きそうな場所とかはありました?」

「パッと見てわかるような場所は一切なかったわ」

「ですか」


 この間から思っている通り、絶対にどこかしらにはコクピットなどがあると思っているのですがもしなかった場合は人が乗らない全自動タイプのロボットの可能性がある事に凄く今更ですが気がつくことに。


「もしかしたら人が乗らないタイプとかかな?」

「そんなものもあるの?」

「無いとは言い切れないですけど」

「けど?」

「それだったら一体じゃないと思うんですよ。ずらーっと並んでいると思うので、乗れる気がするんですけど……」

「よく分からないけどそういうものなの?」

「自分としても凄く詳しい訳じゃないので、そういう感じとしか言えないんですよね」

「でも、私達よりは知識がありそうなのよね?」

「ですね」

「じゃあ、色々とお願いね?」


 そう言ってロープの一本を手渡されるわけですが、ぐいぐいっと引っ張ってみるとしっかりと固定はされていて。

 体重をかけて少しだけ上に登ってみたのですが、無理。コレはどうやっても無理。このお腹じゃ無理!!!無理!


 そんな言葉しか頭に浮かばないぐらい無理で無茶な事をしている感覚に。


「ロープじゃやっぱり難しいのね?」

「ですね」


 少しだけ面白かったみたいでレベッカさんは苦笑しつつ、今日はここまでという事になりそうです。


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