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 キノコ畑はゲームで言う所のボーナスステージみたいな感じで、色々なキノコと薬草が沢山あったので、薬草だけとって一応今やれることはこれぐらい?という感じなので採取が終われば自分としては十分な感じだったのですが、そもそも何でここにアウェクルや撫子が連れて来てくれたのか、理由が何かあるのかと思ったのですが、当たり前ですが二人は喋らないので、質問をすることぐらいしかできない状態。


「アウェクルや撫子はここに連れてきたかったんだよね?」


 すりすり


「何かを自分がした方がいいの?」


 ぺちぺち


「ただ、連れてきたかったの?」


 すりすり


「薬草は取ってよかったんだよね?」


 すりすり


「でも、キノコはダメ?」


 すりすり


 という感じに、ただ連れてきたかったみたいだったので、ここに来ることが必要だというのは分かったのですが、そうなって来るとあとはもうやる事も無いので帰るだけ。


「えーっと、足りなかった分の薬草採取は終わったから、もう帰る?」


 ペチペチ


 自分のやる事は終わったのですが、もしかしたら撫子やアウェクルにもやることがあるのかと今更気がついたので、聞いてみる事に。


「アウェクルが何かやる事あるの?」


 ペチペチ


「じゃあ、撫子が何かする事あるの?」


 すりすり


 と、撫子が返事をすると頭から肩の方へ。

 そして、少し離れていたアウェクルがダダダッとかなりのスピードで駆けて来ると、おなかをすりすり。

 この行動の意味は良く分からないのですが、すりすりとしている時はいつも優しい顔というか安心した顔になっているので、この行動自体が悪い事ではないのは分かっているので好きにさせていると、それを見て満足しているのか肩からチロチロと舌を出していつも自分の顔の横辺りであるすりすりとしている場所をペロッと撫子が舐めてきます。

 すりすりは何度もあったのですが、舐められたことはなかったのでちょっとだけビックリしているのですが、お腹の辺りをすりすりされているので動けないでいると、そのまま地面に撫子が降ります。


 そして撫子はそのままゆっくりと自分から離れていくのですが、何故かそれは今生の別れを想起するような気がして。思わず右手を伸ばすのですがお腹の辺りをすりすりしているアウェクルのせいもあってこれ以上右手が伸びず、それでも右手を伸ばそうとしてグイっとアウェクルの頭がお腹に。

 痛いという程ではないのですが、多分頭が肋骨あたりに当たって圧迫感のような何かがあってハッとするわけですが、撫子はそのまま木々の奥へと消えてしまいます。


 伸ばしていた右手はそのままだらんと力が無くなって元の位置に戻るわけですが、そのまま右手が当たったのはアウェクルの頭で、撫でられていると思ったアウェクルが気持ちいいと言わんばかりの優しい鳴き声をあげるので、少し右手はそのままアウェクルの頭を撫でる事に。


 そしてもう一度、今までより少し大きな声でアウェクルが鳴いたのですが、ちょっと声の感じが今までと違ったので「ん?」と、アウェクルを見るとアウェクルは頭を自分のお腹から離して、先程撫子が行った方向を向きます。

 その動きに釣られて自分も同じ方向を見ると、そこには木々の奥へついさっき消えた撫子が居るのですが、ちょっとだけ不格好でもあって。


「撫子?それ、なにさ?」


 喋れないのは分かっているのですが、撫子は何かを口で咥えていてそれはパッと見た感じで言うと木の様にもみえるのですが、何かわかるかと言われると正直微妙でもあって。

 自分の足元まで来ると、撫子は首を器用に使って足の辺りにすりすりとペチペチの間位の感じで合図を送ってきたので、とりあえず両手でもって撫子を持ち上げてみます。

 すると、口に咥えていた木をぺいっと手の上に。


「えーっと、この……木?でいいの?なに?」


 すりすり


 肯定ということは、木で間違いはなさそうですがコレが何かは言葉が喋れない以上こちらで推測して言っていくしかないわけで。

 ただ、今ここで聞いても多分分からないというか答えを求めても意味がない気もしていて。


「とりあえず、用件は終わった感じ?結構時間も経って日も傾いて来たしそろそろ帰った方がいいよね?」


 すりすり


 と、ここに来る用事はどうやら終わったみたいなので帰ろうかと二人に伝えると肯定の返事が来たので、帰る事にしたわけですが、リュックはパンパンで撫子が持って来た木?のようなコレはどういうものなのかも分かっていないので、どうしようか?という感じなのですが、持って帰ろうとしていることは確かみたいで、これをここに置いていくという選択は出来ない感じ。


「リュックはパンパンだから木は持って帰る感じだよね?」


 少しだけ呆れるような溜息を吐くような動きを撫子がしてもう一度さっきと同じように木をカプリと口で咥えてそのまま器用に頭の上に。


「結構バランス感覚悪いと思うけど、大丈夫?」


 確認するように聞いてみたいのですが、尻尾の方ですりすりと器用な返事を返してくれたので、とりあえずアウェクルに乗ってこのまま帰るとしましょうか。





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