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 アウェクルに話を聞くと言っても、撫子を介した会話になるので基本的には撫子に二択をだして、その返事で会話をする形。

 とりあえず、アウェクルが今伝えたいことを確認したかったので、何か伝えたいことがあるんだよね?という感じで聞くと、すりすりと分かりやすい返事があったのですが、次の動きはちょっとだけ予想外で。


「えーっと、乗れって言いたいのかな?」


 いきなりアウェクルが屈んで、朝の時と一緒で背中に乗せたいような動きをしたのですが、今日の採取はまだ一回終わっただけでもう一回いつものルートで取り逃しの場所を再確認する予定なのですが、あの動きだと乗せたい感じがすぐに分かるものに。


「まだ、今日の分の採取は終わってないから帰るつもりはないんだけど」


 ペチペチ


 否定の動きを撫子がするので、今の感じだと帰ろうとしているわけではないという意味にもとれそうな感じ。


「どこか別の場所に連れて行きたいって事?」


 すりすり


 どうやらどこかに連れて行ってみたい場所があるみたいなのですが、今日の分の仕事が終わる前にそういう事は流石に出来ないわけで。


「今日の分の採取をそうしたら、いつもの倍ぐらいの速さで終わらせてくるから、その後じゃあだめ?」


 ペチペチ


 ダメという返事が来たのですが、そうなると今日の分としては少し足りない感じがあるのですが、撫子もソレが分かっているみたいで、何やら今までとは少し違う不思議な動き。

 その動きを見る限り、何かを採取するような動きにもみえたので連れて行きたい場所で採取が出来る?と確認すると、肯定の返事が返ってきます。


「とりあえず、そこに今日はこの後連れて行きたいって事ね?」


 すりすり


 その通りと言わんばかりにアウェクルも鳴いて返事をしたので、今日のお仕事はここまでにしてアウェクルの背中に乗る事にするわけですが、いつものリュックを背負ってアウェクルに乗ると、キャンプ地の忘れ物などが無い事を一緒に確認してくれて、一回りした後に大丈夫だと言うと、一鳴きして丘を離れて走っていくのですが、向かう先はどうやら村とは違う方向。

 昨日の夜も来たときと違うルートだというのは分かっていましたが、明るいいまと昨日の夜だと違いがわかって分からない感じでもあって。

 風を切る速さで結構な距離を乗せられたわけですが、自分がいつも行く丘は村からずっと草原を超えた先なのですが、今いる場所はどうやって見ても森の中という感じ。


「えーっと、コレは何処へ向かっているの?」


 質問をしたところで返事を返してくれるのは撫子の合図ぐらいなのですが、結構な速さもあって自分の声は届かなかったみたいでそのままスピード感は変わらないままさらに十分以上走った後、いきなりスピードが落ちてゆっくりに。


 正直現在地が何処か分かっていないので、ここから自分の足で歩いて帰る事は出来そうにないのですが、この森の感じはちょっとだけ記憶にある気もして。


「もしかすると、はじめての時の森?いや、でも空気の感じとか微妙に違う気もするけど……本当にここは何処なんだろう?」


 ゆっくりのスピードはやがて終わって、アウェクルの方が乗せてくれる時と一緒で屈みこんで降りるように促してくれるので案内されるままに降りてみると、中々趣のある場所だという事は分かります。


「えーっと、ここに連れて来たかったって事かな?」


 すりすり


 撫子が代わりにという感じで返事をしてくれるのですが、完全に森の中という事しか分からず、ココで何をしたいのか分からない状態だったのですが、頭の上の撫子がしゅるしゅると腕のあたりに降りてきたのでそのまま視線をそちらに移すとこっちを見て舌をチロチロと何かしら伝えようとしている感じの動きに見えたので、質問をするように聞いてみます。


「えーっと、こっち?それともアッチ?」


 腕に撫子が乗った状態で左と右を指さしてみると微妙な反応だったので右手を伸ばしたまま自分の身体を軸にゆっくりと右回りをしてみると、撫子が反応したのは斜め後ろのあたりを向いた時。

 そして反応した方向へ向かうと、少しだけ開けた場所に出ます。


「……こりゃぁ凄い」


 森の中だったので何となく奇麗な湖とか大きな木とかそういう何かがあるのかと勝手に思っていたのですが、そこにあったのは大小さまざまなキノコ、キノコ、キノコのキノコ畑。

 その中にはいつもとっているキノコもあって、更にキノコの横には薬草も。


「これ、取って大丈夫かな?」


 すりすり


 撫子もそう返事をくれたので、今日の丘でとるには足りなかった分ぐらいは簡単に取り戻せる量があったので、サクサクと採取をしていきます。


「もう、十分かな」


 リュックがいつも以上にパンパンになるほどの薬草も取れたので大満足なわけですが、キノコを見るといつも食べる撫子がここでは何故かおとなしくて、全然キノコを食べようとしないのでかなり珍しい気がしたので、確認してみるとペチペチと否定を表すので、どうやらここのキノコはお気に召さないみたいで。


「じゃあ、ここのキノコ持って帰ってもいい?一応稼ぎにはなるはずだから」


 ペチペチ


 ここはすりすりじゃないの?と思ったのですが、ダメという事なのでやめておくことにしたのですが、ココって一体どこなんでしょう?



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