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「緊急コボルト便は、ハンターに何かあった時モンスターから逃がしてくれるシステムだな」

「……そんな都合のいいことってあるんですか?」

「都合がいいように聞こえるかもしれないが、全財産の半分は持っていかれるぞ?」

「じゃあ、今の自分みたいに借金や貯蓄が少ない人はかなり有利じゃないですか?」

「そこがミソでな。お金がないと助けてくれない。更に言えば借金があったりするのも分かるらしい」

「じゃあ、自分は助けてもらえないって事ですね?」

「そうなるな」


 そうなって来ると自分に説明をしてくれていない事も理解できるわけですが、システムがある事自体を教えてくれていたらよかったのにと思う部分は一応あって。


「教えてくれたらよかったのに」

「使えないシステムを教えても仕方ないだろう?」

「まあ、そうなんですけど」


 チラリと思い出すのはこの間の事、そして今日もそうだったようにアウェクルや自分の頭の上に居る撫子の事がよぎります。


「まあ、おっさんはかなり動物に好かれるみたいだから何も無くても助けてくれる可能性はありそうだが……、かなりそれはそれで危険だろう?」

「危険?ですか?」

「ああ。俺達はさっきも言っていたように身体強化という通常の防具以外の鎧みたいなものがあるが、それが無い訳だろう?そうなって来ると緊急コボルト便のコボルト達も命がけということになるだろ?」

「言われてみれば。コボルト達がそれだと可哀想ってことですよね?」

「ああ。まあ、お互いに命を懸け合って仕事をしていると言われると何も言えないが、それでもおっさんはかなり死にやすい可能性が高いとわかっていて、助けてやって欲しいとは言えないからな」


 当たり前のことですが皆さんは皆さんなりにコボルト達との付き合いがあるわけで、その中で無茶や無理をさせるわけにはいかないという言葉の意味は自分としても良く分かるのでこれ以上言えることは無い話。


「そういえば、夜の道ってかなり怖いんですね?」

「ん?」

「いや、アウェクルに乗ってかなり急いで帰って来てもらったんですけど、いつもと空気が違うというか、少し重い空気だった感じがあって。まあ、アウェクルが都度、ルートを変えて安全に帰ってくれたみたいだったのでモンスターに遭う事は無かったんですけどね」

「そうか。空気が重い感じだったか」

「それは、そう……ね」

「なるほどな。まあ、何事も無くてよかった」


 なんというか思っていた反応と違う感じの返事が帰ってきましたが、どうやらカップルハンターについてはこのままここで待っていればいいという事で、変な時間に帰ってきた気がしているのですが、今日の所はコレで終わりと言われてしまったので、後はいつもより少し遅い時間の夕食に。

 帰って来てからやる事はレベッカさんに薬草を渡し、後は一度部屋に戻ってから体を拭いてそして夕食の流れになるわけですが、今日は時間帯も違うので薬草を納品するとそのまますぐに食事が出て来て、それをパパっと済ませたらいつもの体を拭くお湯を用意してくれたので後はコレで体を拭けば今日は終わりという形に。


「後はこっちのメンバーで確認するから、今日はお疲れ様って事で」

「遅い時間まで頑張ったんだし、早く寝てね?」

「明日もいつも通りの採取があるんだろう?さっさと寝るに越したことは無いぞ?」


 皆さんの言う通りで、いつものルートを倍歩いているので多少の疲れはあるのですが、村から丘までの道はアウェクルに乗っていたというのもあってそこまで疲れているという事はなく。

 まあ、ここの所のモンスターを倒す時というのは敵に見つかってしまったり、迷惑をかけてしまったりしないように注意をしないといけない部分があって、今回も見つかってはいけないという気持ちでもって見学をしていたわけですが、どういう訳か見つかってしまっていて、思う通りにはイケていないのですが、そう言った部分の気疲れというのもないわけではないので、有難く休むことに。


 夕食を食べ終わっているのもあって、体を奇麗に拭き終わってベッドに体を預けるとすぐに睡魔が自分を襲って、ハッと気がつけば次の日の朝という状態になるわけで。





「空気が重いって、おっさんが言っていたな?」

「村から丘までの道で空気が重くなるようなモンスターっていないわよね?」

「それこそおっさんが危ない思いをしたあの時の奴ぐらいだろう?」

「でも、あれ以降そう言った兆候はないわよ?」

「という事は、観測できていないあのモンスターもおっさんに引き寄せられているって事か?」

「……おじさん、動物に好かれるからね」

「動物どころかモンスターだろ?」

「でも、それはその通りなのかもしれないな」

「だよね。今回も見つかったってさっき言っていたし、あの二人がそこまで近い距離で見学をさせるとは思えないのよね」

「……自衛も出来ないおっさんが、好かれるって言うのも困りものだな」

「いつもの時間帯にはそういう話はきかないって事は、夜の探索は今後無しでいいんじゃないか?」

「多分それが今できる最善よね」

「後は、運に任せるか」

「それも一つよね」


 こんな感じに、夜の探索は終わりました。



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