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 丘からの帰り道をアウェクルに乗って急ぎ村まで走って貰うのですが、いつも通っている道なのですが、何というか全体的に空気が違う感じがあって。


「なんか、空気が重たい?」


 すりすり


「大丈夫だよね?」


 すりすり


 自分達が大丈夫かの確認とさっき明らかに崖下に落とされた男性ハンターを心配しての言葉だったのですが、撫子からは同じ返事が返って来るばかり。

 さらにこちらの心配を察してくれているのか、アウェクルも一鳴きして多分撫子と同じで大丈夫だと教えてくれているのでしょう。


「ありがとう」


 声を掛けながら少し手を伸ばして頭のあたりを撫でると、こちらの気持ちを理解してくれたのか、もう一鳴き。


 微妙に重たい空気の中をアウェクルが駆けてくれているのですが、重たい空気は変わらずでレベッカさんが無理をしていく必要はないと言っていた事が身にしみてわかるわけですが、来てしまった以上帰らないといけないわけで。

 この重苦しい空気の理由は分からないわけですが、アウェクルに頑張って貰って村へと急ぎます。


 帰りの道中、何回かアウェクルが何かしらを察していたみたいでいつもとは明らかに違うルートを数回通っていたのですが、そのおかげで一度も丘であった火竜以外とは会うことなく村まで到着。

 時間帯も夜という事もあって門番さんは居ない訳ですが、ギルドからの監視は一応しているみたいで村が見えて近くなると外に火が出てくるのが分かります。


「帰りましたっ、男性ハンターが火竜に掴まれて、女性の方も掴まれたりして……」

「そう。おじさんは無事に帰ってきたわけね?」

「あのっ、ええ、はい」


 二人を置いて逃げてきたの?という目でもってこっちを見ているようにしか見えなかったのですが、次の瞬間レベッカさんがぎゅっと自分を抱いてくれます。


「無事に帰って来てくれてよかった」

「え?アレ……いえ、そうじゃなくて……カップルハンターの二人が、結構大変な状況に……って、あの、痛い、痛い、痛い」


 最初はぎゅって程度だったのですが、今ではがっちりとロックが駆けられたような状態で両手はピンと下に伸びたままなので前後に動かすことも出来ず、更にギュッと力を入れられると正直かなり痛い状態で、そこからさらに持ち上げられる形でそのままいつものギルドの部屋に連れていかれます。


「痛い、痛い、痛い」

「男の子なんだから、我慢して」

「あの、そういう年齢じゃないです。それと、本当に痛いです。何もケガとかしたわけじゃないから歩けますし」

「……あら、そういえばそうだった」


 レベッカさんがアラうっかり見たいな顔をしてぎゅっとホールドしていた手を緩めてくれるとストンと自分は落ちるような形になるわけですが、両腕の肘の下の辺りは真っ赤になっていて、かなりの強さでホールドされていたことが分かる状態。


「あの二人、火竜に連れて行かれたんでしょう?」

「ええ、それの少し前に暴れる火竜の動きと火吹きで隠れていた草が燃やされてしまいまして……バレた後はすぐに逃げろと言われて」

「で、逃げながら一応確認をしていたら二人が落とされるところを見た訳?」

「ですです」

「あの二人ってね、火竜から落とされるのが好きなのよ」





……ん?



「あら、おじさんが思考停止しちゃったみたい?」

「そりゃあ、そんな訳の分からない事をいきなり言われたら驚くだろう?」

「いきなり出てこないでよ。ヒックスもウェージもその噂というか事実は知っているでしょ?」

「まあ、かなり破天荒な事は知っているが、何も言わないでいきなりそんなことするとは思わないだろう?」

「それをするのがあの二人でしょ?」


 勝手に会話にいつもの二人も合流して、話をしているみたいですがそんなバカな話があるかと言いたくなるような話を三人はしています。


「えーと、あの、本当ですか?」

「お、戻ったか。お疲れさん?」

「あー、ええと、戻りました?」

「おう。おっさんが無事だったなら大丈夫だな。一応目当ての火は見られたのか?」

「あー、はい。口に火を溜めてゴウッて放つのは見ました」

「そうか、そうか。そりゃあよかった」


 いやいや、そうじゃなくてカップルハンターの二人を助けに行かないといけないんじゃないの?という顔でもって三人を見るのですが、三人は三人共余裕がある顔で。


「おっさんが居た世界にもスリリングな事が好きなヤツとかいなかったか?」

「あー、絶叫マシンとか好きな人っていますね」

「絶叫マシン?ってのがどんなものなのかは分からないが、まあそういう(たち)の人間なんだよ。あの二人は」

「え、え、でも、あの崖から……その、落ちているように見えましたよ?」

「あー、普通に考えたら崖から落ちたら死ぬぞ?でも俺達はこの通りミミがあるから、魔力による身体強化もあるだろう?多少の事では死なないからな?」

「あ、言われてみると……」


 自分が使えない身体強化の強化倍率がどのぐらいのモノなのかはわからないわけですが、少なくとも自分が動かそうとしても全く動かないような重たい扉などを開ける事が出来る程度には強化されることは証明されているわけで。

 それを攻撃の方から防御の方に強化を移せると考えてみると、かなりの防御力があってもおかしくはないわけで。


「だから、あの二人は多分無事だぞ?それにもし何か本当にあっても、その時はその時で緊急コボルト便が動くだろう」

「緊急コボルト便?」


 また聞き慣れない単語が出て来たので質問することになります。







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