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モンスターが吐いた火の玉は男性がしっかりと盾でガード。
そして首を長く伸ばしているモンスターの隙を狙った一撃をしっかりと叩きこむカップルハンターの女性。
熟練の技による奇麗な連携は舞台の上での演武を見ている感覚で、モンスターの動きも二人からすれば予定調和に見える程。
そんな戦いを二人が目の前で繰り広げるわけですが、ペチペチと撫子が前に出過ぎだと注意を促してくれたので、頷きを返して後ろに下がります。
後ろに下がってゆっくりと顔を上げるとそこに居るのは今回二人が討伐するモンスターである、火竜種。
名前は聞いていないので知りませんが、首は長く羽も大きく人間ぐらいは簡単にその両足で捕まえられるようなほど鋭い爪を持っていて、羽の先にも足とはまた違った鋭い爪があり、特徴的なのはかなりトゲトゲとした尻尾。
全身を使ってぐるりと尻尾を振り回すと、かなりそれは凶悪的な動きでハンターさん達を襲う強力な武器。
足や羽の先の爪によるひっかきも来ている防具や服を簡単に破りそうな程鋭さがあり、掠る事だけで大ダメージを受けそうな印象を持ちます。
そして極め付きはさっきの口から出した魔法?
魔法なのかは分かりませんが、事実、口から火を吐いたのであれ自体に威力もあるのでしょう。男性ハンターの持つ盾はダメージこそなさそうですが焼けた跡が残っているので目くらましの火だったとは言えそうにありません。
「あの火が自分が見たかった魔法に近いって事だったのかな?」
すりすり
「だったら、しっかりと見ていないといけないね」
すりすり
とても小さな声で撫子とそんな話をしながら、二人の動きを見ていると女性のハンターが今度は仕掛けるみたいで、大きな剣を横に、縦にと振って何かを狙います。
その何かは自分には分からないのですが、なにも意図も無しに振っているようには見えず、そのまま遠い場所から見ていると大剣の切っ先が足に当たり、アレだけの巨体を支えている足が痛いとなれば転ぶのは当たり前でもあって。
横に転がったところを狙うのは男性ハンターの槍。
さっきまでと同じ槍の突きと盾による殴りのコンボを顔面に何度も当てると、倒れたままに眩暈を起こしているみたいで、足をじたばたさせながらもかなり弱っているような形に。
目を回しているのであればと女性ハンターが移動するのは尻尾の方で、今まで以上に素早く動くとそのまま尻尾の前でグググっとかなり力を溜める動きをし、そのまま大きく力を溜めた一撃を尻尾に。
その一撃で尻尾が切れるのかと思ったのですが、そんなことは無く。
ただ、かなりの痛みだったみたいで大きく暴れていた火竜は倒れたまま口元を輝かせます。
そして、いきなり爆発が。
「え?何が?」
火竜の口元が強い光を集めた辺りまでは認識していたのですが、そのあとは耳をつんざくような凄い音と光があって、その後に火竜が立ち上がると大きく一鳴き。
先程まで火竜の足元に居たはずのカップルハンターの二人の姿はぱっと見ても居ない状態になり、何が起こったのか見ていたにもかかわらず理解が出来ない状態で、思わず頭の上に手を伸ばすと、チロチロと撫子が手を舐めてくれます。
そして、火竜は二人のハンターを自分と一緒で探しているみたいで上に飛び上がりながら口元に火を溜めると所かまわず火の玉を放ちます。
それは本当に四方八方狙いなくで、近くの木や草が燃えるのですがそこまで長く燃えないのは何故でしょう?
幸いにしてこっちに火の玉は飛んでこなかったのですが、火竜の気は立っているみたいで口元には今までにない煙の様なものがあり、目はかなり血走り全身から怒りのオーラのようなものが出ていることが分かります。
遠目で見ている自分としては、ハンター二人の安全を願うしかないのですが、本当にどうしてしまったのかが分からないままでいると、大きな声が。
「はああぁぁぁ!!!」
その声は気合を入れている声で、野太かったので男性のハンターさんでしょう。
「いけえぇ」「落ちろぉぉ!!」
二つの声が重なると、茂みから飛ぶように出て来たのは女性ハンター。
前にも見たようなジャンプ切りを羽に向けて狙っていたみたいで、男性ハンターの盾を蹴るようにして飛び上がると、大きく縦に大剣を振り下ろします。
そしてちょうど下がってこようとしていた火竜の羽というよりは爪を思いっきり引き裂く形でヒット。
火竜も大きな声をあげるのですが、ぐるりと体を回すような動きで反対の爪でもって女性ハンターを引っかきます。
流石に空中でその一撃をどうこうできないみたいで、そのまま女性ハンターは引っかきを受けてかなりの勢いで吹き飛びます。
「大丈夫か!」「まだ回復薬はあるから、気を引いて!」「分かった!」
大きな声で会話をしながらも、今度は男性ハンターが最初の時と同じようにダッシュ。
飛んでいるより降りた方がいいと判断したみたいで、火竜は降りる動きをしたのですが、最初に突きを受けていたのが痛かった事を覚えているのでしょう。
降りる動きにこちらもまた回転を加えて、ぐるりと回りながらその鋭い尻尾の一撃。
そんな動きがあるとは思っていなかったみたいで、思い切り男性ハンターも吹き飛ぶことに。
「……大丈夫なんだよね?」
すりすり
見る事しかできない自分が何もできることは無いので祈る事しかできないわけで。
大丈夫……ですよね?




