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 幸か不幸か分からないのですが、あの日以降ミミナシの噂も凄い速さで伝播してくれているのか、自分にわざわざ声を掛けて来る人もグッと減って。


 静かな日々に逆戻り。


 そして、静かな日々に戻ってくるとやっぱり気になるのは魔法。

 まあ、使えないと言われているのでそれを無理矢理どうにかできるはずもなく、多少諦めの部分はあるのですが、色々な魔法がある事は分かったので気にしている話をすると、面白い話があるが一緒に来ないか?と誘ってくれたのはカップルハンターの二人。


 どういう事なのか分からないのでそのまま質問をしたところ、自分が使いたいと言っていたような魔法に近いモノをもしかしたら見せる事が出来るかもしれないと言われたので、すぐにその話に飛びつくことに。

 まあ、物理的にも飛びつきそうになったのですがそこは撫子に止められることになったのですが……。


「で、何処へ行くんです?」

「今の時期だと、いつも行っている丘の奥だな」

「丘の奥?って、謎石の先ですよね?」

「だな。ただ、場所によっては崖の上だったり、奥の森林の方だったりする可能性もあるんだが……今までよりは確実に危ないが、どうする?」

「危ない代わりに、魔法が見られるのでしたら命を担保に掛けても見たいです」

「だよな!」


 頭の上で撫子が大きな溜息をついているような空気と、カップルハンターの女性の呆れるような冷たい視線が自分と男性ハンターに向いているのですが、それは男のロマンという事で諦めて欲しいところでもあって。


 行く場所はいつもの丘なのでいつでも自分としてはよかったのですが、アウェクルを使って行かないといけないと言われ、いつも歩いている道に何故アウェクルを使わないといけないのか分かっていなかったのですが、その理由はすぐに分かる事に。


「え?夜ですか?」

「ああ。時間帯が違うんだよ」

「夜は、歩いて帰らない方がいいんですかね?」

「そういえば、夜に出歩くような馬鹿じゃなかったな。この村の周りぐらいなら基本的には問題は無いが、場所によっては夜行性のモンスターが徘徊しているから道も含めてあまり動くことはお勧めできないんだ」

「あー。そういう事もあるんですね?」

「というよりは、殆どの大型モンスターは夜行性が多い。昼間は昼間で活動するタイプもいるが、それが寝静まって餌として取りやすくなったところを狙う習性もあるからな」

「なるほど。で、その餌を狙っているタイミングをこちらも狙うわけですか」

「そうなるのよ」

「そして、人の速さでは簡単に追いつかれてしまうから、ここの往復もアウェクルに乗る必要があるって事だ」

「という事は、アウェクルに乗っていれば安全って事ですかね?」

「いや、そうでもない。ただ頭数が多ければ分散もできるし、最悪はアウェクルを囮にして逃げる事も出来るから、アウェクルが必須ってことだ」

「可哀想な部分もありますが、生きるためには仕方のない事でもありますね」

「だな」


 少しばかり思うところは無いわけではないのですが、それを言ってしまうと食事の肉だってとれなくなるのと一緒で、自分が生きるために犠牲になって貰っているものを気にしすぎても意味ないわけで。ただ、まったく気にしないでいいというのも違うと思うので、自分が何か思う事があるとすればそれは凄く単純で。


「まあ、運もあると思うので帰り道もそうですがモンスターに遭わないのが一番って事ですね?」

「そうなるわね。普通にいけば私達が倒した後、先にコボルト達が村まで連れて来てくれるから、そっちを狙うはずなのに、何故か私達の方が狙われる事があるのよねぇ」


 それは単純にコボルトさん達が自分達とは違うルートで倒したモンスターを運んでくれているのでは?と思ったのですが、口に出しても意味は無いのでただ頷きを返すだけ。


「夜の狩りって事は、昼間はどうする感じですかね?」

「先に行って薬草採取はしてもかまわないし、夜しか見られないものもあるからまた案内は出来ると思うが、流石に今までとはちょっと違うレベルになって来るから、自分の身は自分で守ってくれと簡単に言えないんだ」

「今までのアウェクル亜種とは、違うと?」

「ああ。アレでも小型や中型だが、今までとは大きさも違うし攻撃の規模も段違いだから、見つかって気を引くとこっちにターゲットを戻す事は難しい可能性が高い。だから完全に離れた状態での見学が正直言うと必須だな」

「因みに見つかった場合は?」

「武器も防具も持ってないし、私達にとって当たり前の身体強化も無いと知った今となっては、なすすべもなく……という可能性が高いとおもうわ」


 本当に今までの様には行かないと、さっき言っていた「命を懸ける」の意味は本気で今までの比ではないというのは凄く分かる空気。


「だから、無理にとは言わないし凄く遠目で見てくれるのでも構わない。まあ、後は少しばかりのお詫びの気持ちでもあるかな……」

「あー、お詫び云々は別に構いませんよ?」

「そういわれても、ハイそうですかってわけにはいかないでしょ?」

「律儀ですね。でも、その気持ちは凄く嬉しいですし、自分が見たいと言っているような魔法が見られる可能性があるなら、とりあえず見てみたいです」


 そう言うと思ったよと男性は笑顔で返事をし、女性はやはり少しだけ呆れる感じを感じる顔をしながらも頷いてくれます。そして、自分の相棒である撫子も分かったと返事をするようなすりすりを返してくれたので、夜の丘に行く事が決定。

 後はレベッカさんに報告と許可を取りましょうかね。




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