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「じゃあ、俺達とは一緒に行けねぇってか?」

「ええ。すみませんね」

「ったく、こんな腰抜けだとはこっちも思っていなかったよ」

「すみませんね」

「けっ、ミミナシ(・・・・)は腰抜けだって聞いていたが、本当だな」


 その言葉に反応を示したのは、自分達ではなくレベッカさん。


「ん?何か良くない言葉が聞こえた気がしたけど……気のせいかな?」

「あ?ネェチャンは耳が悪いのか?ミミナシは腰抜けだって言っただけだろうが」

「……そういう用語は使っちゃいけないんだけどなぁ?」

「ミミナシをミミナシって言って何が悪い?」


 自分としては初耳な単語なのですが、どうやらソレは蔑称の模様でそうなって来るとその言葉というのは使ってはいけない言葉でもあるわけで。


「使うなって言ったよね!!」


 ブチ切れているレベッカさんは怒気を振りまきながらの状態で、かなり危ない感じですが、厄介な人達はそれを見ても別にという態度。


「ミミナシで腰抜けには用はねぇよ。ゲン担ぎもこれじゃぁ大した事ねぇな」


 そう言って、そのままギルドを後にしてくれたので自分としては十分な話なのですが、怒りがおさまっていないレベッカさんからすれば全然話も終わっていない感じ。


 そして何故かその怒りは飛び火という形で自分の所に飛んできます。


「もー!!オジサンはなんでそんなにケロッとしてるの!?」

「あー、えっと。。。そのミミナシって何ですかね?」

「え?」

「あ?」

「ん?」


 騒ぎを聞きつけた門番の二人がギルドに来ていて、丁度いいタイミングでそれを聞く形になったみたいで。


「ミミナシは……そのまんまミミナシ?」

「いや、この通り耳はついていますよ?」

「あー、うん。そうじゃなくて……えーっと、どうやって説明をしたらいいかしらね?」


 流石に毒気が抜かれたような状態になってしまったレベッカさんはアレェ?という感じで、口元に手を置いて考えるポーズに。

 そして門番の二人もどうやって説明をするのが一番正しいのかを考えているみたいで、同じように悩むような形に。

 そして少しだけ静かな時間があった後、おずおずと手を上げたのはウェージさん。


「おっさんは、気にしていないのか?その……ミミが無い事」

「いえ、だからこの通り耳はありますよ?」

「その耳じゃなくて、こっちのミミだよ」


 そう言いながらウェージさんがピクピクと動かすのは頭の上に付いているミミ。





 えーっと、今更説明をしないといけないというか、正直言うと自分はまったく気にしていないのですが、この村の人や周りの村から来ている人達の殆どは頭の上にケモミミと呼ばれるような耳が付いていて、折れているものや垂れているもの他にも普通の耳自体がかなりとんがっていて、所謂エルフ耳と呼ばれるような長耳の人も居ますし、色々なタイプのミミがあって。まあ、頭の上に付いている人が殆どで自分の様にただの耳があるだけの人はかなり稀。……というよりはこの村に来てからは一度も会っていないわけですが、ココの村の人達が何も言わないという事は気にしないでいいのだろうと思っていたので、全く話題に出る事が無かったわけで。



「一応俗説ではあるが、このミミのお陰で魔法や魔力を感知出来るって言われているんだが、いや、でもおっさんも魔力はあったな?」

「まあ、かなり低い数値……だったかと思いますが、あったと思いますよ」

「だよな。でも、魔法は使えてないよな?」

「ですね。というか、皆さんは魔法を使っているんです?」

「……そこからか?というか、カップルハンターの二人と一緒に狩りに行っているし、他のグループとも一緒に狩りに行ったんだろう?」

「行きましたよ?」

「じゃあ、その時に色々と見ただろう?」


 見た?……と言われると狩りを見学していましたが、武器の扱いやアクロバティックな動きを見たかと言われると勿論イエスですが、それ以上の何かを見たかと言われるとノーでもあって。


「……おいおい?レベッカ?もしかして何も説明をしていない状態で見学をさせていたのか?」

「え?え?わたし!?私のせい!?」


 と、話が全く見えない状態でどんどん会話が進む感じですが、コレはどうしたらいいのかと考えていると、ペチペチと撫子が合図というか話に混ざりたそうな感じの様子。


「えーっと、ウチの撫子が何か伝えようとしているみたいで……」


 そう言うと、ピタッと三人の言葉が止まって撫子は撫子で三人と話そうと思っているみたいで、ちょっとだけ頭の方に力が加わると、そのままひょいっとジャンプ。

 そしてレベッカさんの手のひらにしゅるしゅると移動して、今度は三人が撫子を囲むような形で話を始めます。


 ただ、勿論うちの撫子が喋るわけもなく。正直いって何をしているのかは分からないわけですが、囲んでいる三人は分かっているみたいで三人が三人共に頷くばかり。


「まさか、身体強化(・・・・)も何もしないで今まで暮らしているなんてこと……あるの?」


 聞いたことのない単語が今日は本当に良く耳に届くのですが、身体強化って何ですかね?

 という顔をしている自分を呆れるような、悲しんでいるような目でウチの撫子が見ているのは何故なんでしょう?



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