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 コボルト達の動きは素早く、一部を解体した後は彼等がアウェクル亜種を運ぶのですが大きな布に包む形でさっきは五匹だった気がするのですが、いつの間にか十匹ぐらいに増えていて、そのままひょいっと包んだ布ごと持ち上げると、結構なスピードで村の方向へ。


「あんな感じに持って行ってくれるのさ」

「助かるわよね」

「凄いですね。って、どうしたの?」


 ぺちぺちと撫子が何やら反応というか否定の動き。


「あのぐらいだったら、自分も出来るって言いたいんじゃないの?」

「おっ?嫉妬か?」


 そんなことを二人が言いますが、どうやらそういうのとは少し違うみたいでさらに否定のぺちぺちが。


 その辺りの話をもう少し聞きたい所ではあったのですが、中型モンスターであるアウェクル亜種の討伐は終わったので、後は帰るだけなのかと二人に聞くと、もう少し色々とキノコや薬草の取れる場所を案内したいという事で、更に案内をしてもらう事に。


 その中で洞窟や木々の間のキノコ、今まで見た事のないタイプの薬草なども色々と知ることが出来、知識はさらに増える事になったのですが、色々と聞きたいことと言うか話したいことは増えた感じもあって。


「とりあえず狩りはこんな感じでやる形だが……武器も防具も無しとなると、ちょっとやっぱりきつそうだな」

「そうねぇ。盾ぐらいは持てた方がいいと思うんだけど、コレも重たすぎて無理でしょう?」


 そう言って女性が男性の槍と一緒に持っていた盾をひょいっと持ち上げてポイっと投げるような形で渡してきたのですが、慌ててそれを手で受け止めるだけでも一仕事の状態。更にこれを持ち上げて維持するというのは無理そうで、それも分かってくれているのか撫子が途中から頭の上からサポートしてくれる形に。


「撫子ちゃんを武器代わりとして使うというのは聞いたけど、盾一つも持つのが辛いとなると、流石に厳しそうね?」

「ですね。一攫千金も夢としてはアリかもしれませんが、まあちょっと無理そうですね」


 モンスターを討伐して一気に稼ぐ方法も考えなかったわけではないのですが、今日の狩りを見ていても、自分がサポートで役立てる感じは無く、たまたま今日の動きはお二人のサポートになったと言われてはいますが、アレは殆ど怪我の功名みたいなもの。

 実力でサポートをしたかと言われるとそういう感じですらないので、やっぱり早かったというのが正直な感想。


「まあ、人には向き不向きがあるから無理はし過ぎないようにな?」

「ええ。今日はありがとうございます」

「いや、こっちもいい囮で助かったから言いっこなしだ」


 ぐるりと探索を終えた自分達四人はキャンプで荷物を片付けて、後は帰るだけとなるわけですが、カップルの二人が何かを思い出したみたいで少しだけ慌てます。


「配送は頼んだけど、受け取りの話……レベッカちゃんにしていなかったかも?」

「まあ、今日はこっちに行く事は話しているから大丈夫だと思うけど?」

「でも、連絡無しも困るだろう?」

「でも、二人もいるのにゆっくりとはいかないでしょ?」


 と、どうやら少し早く帰りたいみたいで。

 一応この場所までの道もそれなりの場所ではあったのですが、グネグネと曲がりくねった道の先という訳ではなかったので、帰れるかどうかと聞かれると一応帰れないことは無いという感じでもあって。


「あのぉ、急ぎでしたら先に帰ってもいいですよ?薬草だけ持って帰りますから自分は」

「道は大丈夫?」

「そこまで方向音痴ってわけでもないので、大丈夫です」

「本当に?」

「えーっと、この通り撫子も大丈夫って言っているので」


 すりすりと自分にいつもの合図をした後にちょっとだけ胸を張るような動きでエッヘンとばかりに頭の上で偉そうなポーズを撫子がしてくれて、それをカップルの二人が見て思わず笑うのですが、効果としては十分だった模様。


「じゃあ、お言葉に甘えて。先に帰っちゃうわ」

「一応いつもの門番さんに先に着いたら話をしておくから、どうしても迷った時は……ああ、そういえば渡していなかったわね。コレを吹いて?」


 そう言うと、女性の方が…凄い位置から小さめの笛を取り出します。


「コレは?」

「コボルト用の笛よ。コレを吹けば私達には聞こえないけど、コボルト達にだけ聞こえる音が出るの。コボルト達には道案内をお願いするように言っておくから、迷ったら使いなさい?」

「わかりました」


 小さめの笛を受け取って、頷くとすぐに二人はじゃ、お先っ!というと結構な速さで自分達から離れて村への道にちょっとした土ぼこりが。


「早いねぇ。流石にあのスピードでは走れないよ……」


 すりすりと撫子が返事をしてくれるのですが、部屋に戻ってからだといつも二人なのでその時に話せばいいかとも思ったのですが、何となく今聞きたかったので帰り道をゆっくり二人で歩きながら、さっきのことを聞いてみる事に。


「コボルトの搬送とかについてペチペチしたわけじゃないでしょ?」


 すりすり


「嫉妬もまあ、無い訳じゃないけどそれでも無かったんだよね?」


 ……すりすり


「もしかして、あんまりコボルト達とは仲良くないの?」


 ぺちぺち


「仲は悪くないのね?じゃあ、今日の狩りについて?」


 ぺちぺち


「んー、じゃあなんだかわからないや。申し訳ないけど、分からないままでもいい?」


 すりすり


 こんな会話をしながらの帰り道に。

はじめてのモンスター討伐見学会は終わりました。




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