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 もしかしたら少しぐらいは怒られるかもしれないと思っていたのですが、二人からくる言葉は違うもので。


「いきなりだったが、いいアシストだったな」

「うんうん。ビックリしちゃったけどね」

「あ、いえ。あまりにも動きがいいので思わず前のめりになってしまったら、飛び出ちゃっただけです」

「あら?そうだったの。でも、私達を無視するぐらいにはいい引き付けを行ってくれたから、お陰で私達は一気にトドメまで刺せたわ」

「うんうん。ちょっとだけ驚いたけど、撫子ちゃんも流石だったね」


 そういえば、グイっと前に出て撫子が何かしらしていた気がしますが、ちらっと目を合わせてもふるふると首を振る動きで喋るつもりはなさそうで。


「と、まあこんな感じでモンスターは狩るわけだけど、基本的に簡単な解体はこの場でやるんだ」

「そうなんですね」

「で、後で残った部分をギルドが回収してくれたりするんだけど、そこはいつもの彼等に頼る感じだね」

「……いつもの彼等?」

「そういえば、ヘビを使って猪は持って帰ったっけ?」

「言われてみるとそうね。って事は、彼等を知らない?」


 二人の言う言い方からして、協力者がいる事はなんとなく分かったのですが彼等と言われるその協力者がどういう人なのかは分かっていない状態で、少し気になってくるわけですが、いきなりクイクイッと足元を引っ張る何かが。


「ん?」


 撫子は頭の上にいるので下の方を引っ張られることは無いので、自分の足がもつれた可能性を考慮したのですが、そうではなかったみたいで自分の足元にはいつの間にか五匹もの……可愛い何かが。


「人形?なわけないけど、ふわふわの……なんだ?」

「あら、呼ぶ前に来てくれるなんて珍しいわね?」

「おっ、じゃあ呼ばなくて大丈夫か?」


 カップルの二人がそんなことを言うので、多分二人が言っていた彼等というのがこの可愛らしい何かだという事は分かるのですが、えーっと、自分の足元をぐるぐると何をするわけではないのですが遊んでいるみたいで。


「えーっと、彼等に頼むと村まで運んでもらえる感じですかね?」

「そそ。凄く賢いし、仲良くする分には素晴らしい子達よ?」

「だな。まあ、やってはいけない事が幾つか有るけど、面白半分とかでそういう馬鹿な事をしなければ、比較的穏やかで優しいいい子達だよ」


 その説明はありがたいのですが、さっきからずっと自分の足元をぐるぐるしていて、コレは何の動きなんだ?という感じ。

 因みに可愛らしいと言いましたが、さっきも言った通りちょっとふわふわというか柔らかそうな毛並みで二足歩行はしていますが、顔的には子犬と人形の間ぐらいで、種類的にみると一応犬っぽい感じ。


「もしかして、コボルトですか?」

「おや、やっぱり知っていたんだね?」

「まあ、コレだけ可愛いから知らない人は少ないわよね」

「あ、いえ。知らないんですけど、適当に言ったら当たった感じです」

「そうなの?」


 犬みたいな感じで二足歩行をするものは色々なゲームやアニメで見て来ているのでなんとなくその名前を出してみたのですが、どうやら当たりだったみたいで。

 名前を当てられてちょっとだけ嬉しいみたいで足元をすりすりし始めるのですが、えーっと犬がこういうことするのは……マーキング?か何かの動きのような気もするのですが……というか、そろそろどうにかしてほしいところなのですが、どうしたらいいか考えていると、カップルハンターの二人が手招き。


「呼ばれたわけじゃないけど来てくれたの?そうなの?ああ、うん。今日はそこのアウェクル亜種を倒したんだけど、そう、うん、うん。皮の一部はじゃあ取っておくわね。残りは後で送ってくれるのね?うん、うん。いつもありがとう。よろしくね?」


 そんな会話をコボルトとすると自分の周りにいたコボルトがぴゅーんと寄ってきた時とは違うスピードで居なくなります。


「彼等が運んでくれるって事ですね?」

「そそ。まあ、搬送料金として一部は渡すことになるんだけど、殆どの場所に来てくれるし、何かあった時は彼等が報告もしてくれるし、ハンター業をしていたら彼等に世話にならないって事は殆どあり得ない感じかな」

「……じゃあ、自分はそのありえないタイプのハンターをしていた感じですね?」

「そうなるかな。半年近く彼らの世話にならなかったんだろう?」

「ですね。というかたまに村にも来てくれています?」

「ああ。まあ、会わない人はとことん会わないとも言われているが、結構ギルドにも顔は出していると思うんだけど……まあ、そういう事もあるんだろうね」


 結構こっちに来てから時間も経っているのである程度慣れてきている部分もあると思ったのですが、まだまだ知らない事は色々とあるみたいで。


「あ、コボルトの事を知らないんだったら、ちゃんと教えておいた方がいい事もそういえばあったわよね?」

「まあ、あまりそれをする人は見たことも聞いたことも無いけど、一つあったな」


 そんな事を言われると凄く気になるわけで、なんです?と聞いてみると、意外な答えが。


「ミルクを取り上げると酷い仕返しがあるから、勝手に人のミルクは取らない……だ」

「ミルクを取り上げちゃいけないんです?」

「そう。後は普通に嫌がる事はしちゃいけない……ぐらいだな?」


 それは普通の話なのでするつもりもないのですが、ミルクは知らないで片付けそうなので聞いておいてよかったような……でも今までミルクを見る事もあまりなかったような気もするので、少しだけ気を付けるとしましょうか。



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