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 丘の様子が一変して、猪を狩って。

 そんな事があっても翌日から何か大きな変化というのはもうないモノで。

 そこからまた同じような毎日が続くわけですが、猪については毎回攻撃されるたびに倒して、持って帰ってという事をしているのはかなり効率が悪いわけで。

 そこの所をどうにかしたいとギルドで話をしていたら、丁度今日は暇だからという事でカップルのハンターの二人が一緒に丘へ来てくれて、いつも通りの薬草とキノコの採取をしながら何となく目に入っていたけど採取したことのなかった実を取ると手渡してきます。


「すべての種類ってわけじゃないんだけど、殆どの猪はこの実が好きみたいで、自分から離れるように投げるとそれを食べに釣られてくれるからその間に採取を済ませてこの場を後にすれば猪に襲われることは減るはずよ」

「因みにこっちの実は豚が好む。で、あっちの実は昆虫と鳥が好んで、あとはここの……これだな」

「コレは?土が盛り上がっているようにしか見えませんけど」

「このぐらいだと中型かぎりぎり大型のモンスターの糞だ。殆どの動物は捕食されることになるわけだから、すぐに逃げる。ただ、気が立っている時や繁殖期はその限りじゃないから、万能ってわけにはいかないが覚えておいて損は無いぞ」


 こんな有用な情報をなんで今まで知らなかったんだ?と思ったので、二人にそれを聞いてみたのですが、むしろなんで今まで知らなかった?と運の良さを褒められることに。


「確かに薬草とキノコは大事だが、命の方が大事だからな?」

「それは分かりますが、なんで門番の二人は教えてくれなかったんですかねぇ?」

「そりゃあ、単純に知らないだけだろ?」

「え?」

「あの三人は都会から来たから、その土地の人しか知らない情報は流石に知らないだろう?」

「あー、そうなんですか?」

「まあ、学者さんとか、植物に詳しいと知っていることも多いけど、意外とそんなものよ?それに、あの三人はそれなりに腕っぷしもあるから、動物も寄ってこないって言うのもあるんでしょう?」

「なるほど」


 という感じにカップルハンターの二人から色々な現地な手ほどきを受け、採取の効率が少しだけよくなることに。


「私達も都会から来ているんだけど、あの三人のお陰で助かっている部分もあるのよ?」

「そうなんです?」

「まぁな。都会には都会の良さがあるように田舎には田舎の良さもあるから」

「その言い方は逆もまたしかりって聞こえますが?」

「そりゃあそうだろう。それが分からない年齢でもないだろう?」

「一応、はい」


 という感じに毛色の違う話を少しだけしつつも、いつもは見ないような少しだけ奥まった場所の薬草やキノコの生えやすい場所も教えて貰えたので、成果としてはかなりいいモノで。


「ベテランの人と一緒に行くのもたまにはいいでしょう?」

「レベッカさんの計らいですか?」

「まあ、この間いきなり猪に襲われて持って帰ってきたというのもあったからねぇ」


 レベッカさんはレベッカさんなりにこちらの事を気にかけてくれていて、そのこと自体も嬉しい事で。

 話ながらの採取はいつもと違ってコレはコレで楽しくなってきたのですが、どうやらそれが顕著に表れ過ぎていたみたいで、少しだけ撫子が拗ねるような感じに。


「あら、お姫様に嫌われちゃった?」

「いえ、いつもと違う空気に自分がはしゃぎ過ぎたみたいで、ちょっと拗ねているだけだと思います」

「そういうところもあるの?本当に可愛いわねぇ」

「色々とあって一度は諦めたが、ここだったら本当にいいかもしれないな?」

「そうねぇ。あまり私達は人に影響されてどうこうするタイプじゃないと思っていたけど、意外とそうでもないかもしれないわねぇ?」

「本当にね」


 と、二人は二人の会話があって、何やら少しだけ後ろにピンクな空気というかラブラブなカップルの空気というか……独り身には眩しい感覚を思い出すのですが、そんなことになっても何も変わらないというか平常心を取り戻させてくれるのはやっぱり撫子。


「そのすりすりは私が居るって言ってくれているのかな?」


 すりすり


「ん。ありがとうね?というよりはこれからもよろしくというべきなのかな?」


 すりすりペチペチ


 少しだけ拗ねているのは納まったのか、それとも拗ねている振りだったのか、どちらの返事と取れるような動きで撫子が反応してくれるので、もうちょっと奥のほうまで行ってみようと奥の方へいくと、そこには薄く光るアレ。そういえばこれについても話を聞きたかったと思っていたのですが、撫子はソレに突っ込むようにジャンプをすると多分ぱくりと食べたみたいで、満足したのか一通りの動きが終わったら頭の上に戻ってきます。


「薄い光は……」


 この後にでもカップルなハンターの二人に聞こうと思って少しだけ声をあげようとしたのですが、ぺちぺちと撫子が否定な動きをしたのでまだ多分その時ではないのでしょう。


「そのうちでいいって事かな?」


 すりすり


 まだ聞かないでという感じなので、この話は一度後回し。

 ただ、レベッカさんの計らいでカップルハンター達と一緒に色々と教わったので、今後の猪対策やその他の色々が楽に。

 丘の景色も自分としてはかなり変わったわけですが、それに対応する知識も少しだけ身についたのでこのままのペースでやっていけそうな気がしてきたので、改めて帰ったらレベッカさんにお礼を言おうと思いました。




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