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お腹へのすりすりは結構長く多分十分以上はやっていたのですが、休憩時間という事は理解しているみたいで、ある程度するとすりすりをやめてくれます。
「とりあえず、満足した?」
すりすり
撫子からは肯定の返事が返ってきたので、二周目を回る事に。
道中も採取ポイントにも今までとは違い、動物はいるのですがさっきまでの様なアクティブな猪みたいなものは居らず、変にこちらから手を出さなければ安全でむしろ二周目の採取の方がサクサク出来る程に。
ただ、二周目の採取も撫子はどうやら警戒しているみたいで、いつもだと食べているキノコを食べないまま二周目の採取が一段落ついて、もう一度キャンプに戻るとそこには見覚えのある大きめのヘビが。
「キャンプ地はやっぱり安全じゃなくなっちゃってるか……」
ペチペチ
「違うの?」
すりすり
どういう事なのか分からずにいたのですが、撫子がしゅるしゅるといつもの定位置である頭から降りると、キャンプ地に居る大きなヘビにチロチロと舌を出しつつ話すような感じで目を見つめ合っていると、頷く動きを大きなヘビがします。
「話し合い?」
すりすり
「もしかして、さっきのどうにかする方法ってこいつの事言っていたの?」
すりすり
という事はキャンプ地から村までこの大ヘビが猪を運んでくれる事になるみたいなのですが、ウチの撫子に比べると数倍……いや、体積というか体重的なのでいうとかなりの大きさの差はあると思うのですが、それでもウチの撫子の方がなにかしら上みたいで、先程撫子が背中に乗せて動いた時よりも大きさもあるのでかなり安定した状態で猪を乗せる事が出来るみたいで、尻尾を器用に使いながら猪を背中に乗せて、ちょっとだけ動いて見せてくれます。
そして話は終わったみたいで、撫子は自分の頭の上の定位置にさっさと戻ります。
「何となく余裕ですって感じの気持ちなのかな?」
すりすり
どうやらその気持ちで間違いなかったみたいで、大ヘビとの通訳を撫子がしてくれるのですが、大ヘビはもう猪を背中に乗せてくれていて、いつでもイケるよ?って表情でこっちを見てきます。
「……休憩は歩きながら適当にでもいい?」
すりすり
「キノコは?」
すりすりペチペチ
どっちの返事とも取れなかったので、言い方を変えてみましょうか。
「食べながら帰る?」
すりすり
「ん、分かった。じゃあ、リュックから出すね」
ぺちぺち
あれ?違ったかな?と、思っていたら、頭の上から尻尾だけを釣り竿の紐のような感じに巧みな動きをさせながらリュックの中からキノコだけを持ち上げます。
「上手いね?」
すりすりすりすり
ちょっと褒められて嬉しかったのか、いつもよりもすりすりの回数が多かったのですが、歩きながらでも撫子は問題なく食べたり、キノコをリュックから取り出したりという行動が問題なくできるみたいで、そのまま大ヘビと一緒に歩いて村に帰る事に。
因みに道中は何事も無く、途中で休憩という休憩もなかったのですが考えてみると隣の大ヘビは猪を背中に乗せても問題がないぐらいの大きさで場合によっては猪よりも怖がられる可能性も高い事に今更ながらに気がつきます。
「この大ヘビさんは流石に村には入れられないと思うんだけど、その辺りはどういう感じに話がついているの?」
すりすりぺちぺち
「運び終わったら、何か食べ物をあげるとか?」
すりすり
「ヘビって何食べるの?何でも食べるイメージしか今は君のお陰でないんだけど……」
すーりすり
また新しい動きが増えている気がするのですが、ヘビが食べるモノのイメージだと大きなものでも丸呑みで、確かモルモットとか卵とか本当に何でも食べているイメージはあるのですが、正しい食事は何かといわれるとあんまり良く分かっていないところがあるわけで。
「今持ってもらっている猪とかは食べる?」
すりすり
「じゃあ、猪の一部をあげるとかそういうのもあり?」
すりすりぺちぺち
微妙にそれは違うみたいですが、じゃあ何をあげたらいいの?って感じになっていると、いきなり撫子が顔をペチペチとしてくるので、なにさ?と首を動かすと、それは採取している時に警戒をしていた時と同じような顔。
いきなりそんな警戒をしないといけない事になる?と思いながらも、武器類は持っていないので足を止めるにとどまるわけですが、隣にいた大ヘビが猪を少しズラして地面に置くと、この間見た動きを再びします。
それはヘビの身体自体をバネみたいにした感じで、尻尾の方にギュギュっと力を溜めて、その力を開放すると同時に飛び出すような動き。
いきなり何が?と思った後すぐ、大ヘビが戻ってくるのですがその口元にはチロチロと動く尻尾のようなもの。
「あ、今の一瞬で狩りをしたって事?」
すりすり
「えーっと、食事ってコレでいいわけ?」
すりすり
「じゃあ、戻って何かをあげたりしないでいいの?」
すりすり
「……なんかこっちばっかり悪くない?大丈夫?」
すりすり
大丈夫という返事がウチの撫子からくるのでそういうものだと思うしかないのですが、大ヘビの方も大したモノというか色々と気にしていないのか、口から尻尾がぴょろッと出ている状態でさっきまでと同じように猪を背中に乗せて、自分の隣をまた歩き始める事に。
「とりあえず問題が起きてから、問題に対して考えるか……」
大ヘビに猪を乗せて、村へこのまま帰りましょう。




